小林頼子 『フェルメール 謎めいた生涯と全作品』2008/10/23

フェルメールについては絵以外は全く知りませんでした。
手軽に読めそうなので、この本を買ってみました。
43歳で亡くなっているのです。
彼の作品と言われている絵はたったの30数点しかありません。寡作な画家だったのですね。 
下世話な話ですが、妻との結婚を反対されていたり、妻の母親は資産家でありながら、娘夫婦に金銭的な援助をあまりしてくれなかったらしかったりと、結構苦労があったようです。
彼は初期の「マリアとマルタの家のキリスト」みられるように物語画家として出発し、その後「取り持ち女」のような風俗画家として活躍します。
彼の死後、借金を返す代わりに絵を譲ったりしています。
絵で身を立てるのは難しいのですね。
色々な画家の絵との対比などもあり、フェルメールを知るにはいい本だと思います。
何と言っても、全作品が一冊の文庫で見られるというのがいいです。

「人間の目にとって合理的な空間とは何か、合理的な光の表現とは何か。フェルメールの試みはその2点を巡って展開してきた」

フェルメールを見に、オランダに行きたいですね。