佐々木忠次 『闘うバレエ』2009/05/31

シルヴィ・ギエムの写真に引かれて買ってみました。が、別に買わなくてもよかったなぁ・・・。
佐々木さんは東京バレエ団を、今のようなバレエ団にした人なのだそうです。
倒産したバレエ団を引き受け、1965年1月に「白鳥の湖」で旗揚げ公演。
バレエというと、今もそうですが、昔はもっとお稽古事という感じがあって、チケットも一般に売り出せなく、父兄がみんな買い占めていたとか。
役からはずされたダンサーの夫と称する人が、ヤクザを連れて脅かしに来たり、代役を頼んだら、非常識なほどのギャラをふっかけられたり。
1960年代には、まだまだバレエは芸術とは認められていなかったんですねぇ。

彼はとにかく海外へ行って、有名なバレエ団の公演を見まくります。
そして、「日本人は西洋人に体型で勝てるはずがない。けれど、アンサンブルでは勝てるのではないか」と思い、バレエ団にアンサンブルの重要性を強調し続けたのです。
東京バレエ団が世界で認められたのも、このコール・ド・バレエのおかげなのですね。

他にも「世界バレエフェスティバル」を開催するまでのことやベジャールとのこととが書かれています。
帯に「ギエム、ドン、マラーホフ・・・天才たちの知られざる素顔」などと書いてあるので、期待して(本当は東京バレエ団はどうでもよかったんですが)読んだのですが、全然詳しく書かれていなくて、肩透かしでした。
まあ、佐々木さんの自慢と東京バレエ団のことが大部分だと思って読むといいようです。