有吉玉青 『恋するフェルメール』2010/09/29

 

フェルメールって特別です。
何が彼を特別にしているのかしら?
たぶん、彼が描いたといわれている作品が37しかないからかしら。

フェルメールの作品が嫌いではありません。でも好きかと言われると、微妙。
一番好きなのは『真珠の耳飾りの少女』です。
少女のまなざしが色々と語っています。一体誰を見つめているのか。
この絵を好きになったのは映画の影響が大きいです。
スカーレット・ヨハンソンの演じる少女が不思議な存在感を醸し出していたのです。もちろん映画を見た後でしたが、原作も読みました。
小説と映画の印象が違うことがよくあるのですが、この作品は違いました。
小説のため、絵を見ると前以上に物語が聞こえてくるように思えます。


何年か前にオランダに行きました。
その頃はあまりフェルメールに興味がありませんでした。
この絵のある町デン・ハーグにも行ったのに、なぜ美術館に行って彼女に会ってこなかったのか、今になって悔やんでいます。

有吉さんは初めはそれほどフェルメールを好きではありませんでした。
しかし、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館にフェルメールの『合奏』を見に行った時に盗難のために見られなかったことから、フェルメールへの旅を繰り返すことになり、フェルメール・ラバーへとなっていきます。

絵に会うために旅に出る。そういう旅もいいかもしれません。

本の中に、「フェルメールとゴッホ――チューリップ咲くオランダと陽春のプロヴァンスに探るゴッホの光と影」というツアーのことが出ていました。
ツアーには一度も参加したこともないし、人と一緒に観光なんて嫌だと思っていた私ですが、美術作品を見るためにはツアー旅もいいかもと思えてきました。
ひょっとしたら同じ感性を持った人と出会えるかもしれません。
有吉さんのように、いつかこういう旅をしたいなと思います。

ちなみに、フェルメールとゴッホなら、私はゴッホを選びます。
でも、ゴッホの作品は多すぎて、全部を見に行くことはできません。
やっぱり作品が限られている方がいいですね。

今はフェルメールへの旅をできない私ですが、本の中で有吉さんと一緒に旅しています。