拓未 司 『蜜蜂のデザート』2011/01/30



神戸のフレンチスタイルのビストロのオーナーシェフ、柴山幸太は、『禁断のパンダ』でお腹の中にいた子も無事産れ、幸せな生活を送っていました。子供は男の子で陽太と名付けられました。

<ビストロ・コウタ>は料理は評判がいいのに、デザートが今一つ。幸太はなんとしてでもお客にデザートも美味しいと言って欲しく、デザートの研究を始めます。
その一環として、≪スイーツ・グランプリ≫の決勝まで進み、テレビにも紹介されているという、今神戸で評判の<テル・カキタ>というケーキ・ショップに家族で行ってみることにします。

ところが、息子の陽太がフォンダン・ショコラを食べ、店からのサービスのスフレを食べた後、具合が悪くなってしまいます。食中毒かと心配し、病院に連れていって診察してもらうと、彼は卵アレルギーだったのです。
息子が卵の入ったデザートが食べられないということで、幸太は息子のために息子が食べられる美味しいスイーツを作ることを決心します。

アレ、ミステリーなのに事件は起こらないのかと思うかもしれませんが、ちゃんと事件は起こります。
どんな事件が起こるかというと、詳しくは書きませんが、キーワードは≪スイーツ・グランプリ≫と「食中毒」ですかね。

前回とは違い、今回は刑事ではなく、幸太が謎を解いていきます。

2作目も読み、拓未さんの作品は私好みではないことが判明しました。
何故かというと、彼の描く「悪意」が不快なんですね。せっかく美味しそうな料理とスイーツが出てくるのですが・・・。