芦原妃名子 『砂時計』2014/06/15

kindleの無料お試しで興味のあるものをダウンロードして見ています。
その中で気に入ったのが、この『砂時計』です。


植草杏は12歳の時に親が離婚したため、母の実家のある島根に越してきました。
最初は島根に溶け込めない杏でしたが、北村大悟や月島藤、月島椎香に出会い、楽しい時を過ごすこととなります。
しかし、精神的に弱いところのあった母の美和子が自殺してしまいます。

一人の少女が不幸を乗り越え幸せをつかむまでを時系列ごとに描いてあります。
杏は母の死をどう乗り越えていくのか。
それにともない、大悟との関係はどう変化していくのか。
楽しみながら読み進みました。
ただのボーイミーツガールで終わらない作品です。

トリミングに行く2014/06/16

なかなかトリミングに行けなかったのですが、やっと連れていけました。
夕方からなら空いていたのです。
さっぱりとし、親バカですが、いつも以上にかわいい出来になったと思います。


散歩の途中にトリミングのお店に入ってしまったので、ちょっと怒っています。


いつものポーズ。


ちょっとデコですが、かわいい横顔です。


小早川涼 『大奥と料理番』2014/06/17



この頃のお気に入りはこの江渡物シリーズ。
江戸城の御膳所に勤めるメタボ鮎川惣介と幼馴染で大奥添番のイケメン片桐隼人が活躍します。
この二人の掛け合いが楽しいのです。
狸に似た容貌で腹が出ている惣介はお役目のためといいながらたっぷりとご飯を食べます。
料理することが好きですが、食べることも同じように好きなのです。
料理下手の奥方につい言わなくてもいいことを言ってしまい、喧嘩になるのが玉に傷。
一方、隼人は何を食べても同じという惣介にとっては考えられない人です。
固い性格で、少しでもまがったことをやるのは嫌いです。
惣介の腹のでっぱりはいつも隼人のからかいの的です。
隼人の弱みは気の強い美人の奥方と彼女と仲の悪い母上。
どんな人にも悩みはあるんですねぇ。

こんな憎めない惣介のことを将軍家斉が気に入り、月に数回、おきて破りの呼び出しが来ます。
自らの立場に困惑しつつも、人の良い惣介はいそいそと家斉のために料理を作り持っていき、彼の愚痴の聞き役に徹しています。
それだけならいいのですが、たまにお役目まであてがわれることがあり、仕方なく隼人と一緒に解決へ向けて頑張ります。

そうそう、忘れていました。
惣介って犬も顔負けの臭覚を持っているのです。
これが事件の謎を解くきっかけにもなります。

江戸時代の美味しい物もでてきますので、お腹が減っている時は読まない方がよさそうです。

森晶麿 『黒猫の遊歩あるいは美学講義』2014/06/20



とっても変わった題名ですねぇ。
第一回アガサ・クリスティー賞を取ったというので、どんなものか気になったので読んでみました。

黒猫とは24歳にして美学の大学教授になった天才。
彼の付き人を務めるのが、エドガー・アラン・ポオを研究している大学院生の語り手。
この語り手が遭遇する日常の不思議を、黒猫が美しく、見事に解いていきます。

モチーフになっているのが、エドガー・アラン・ポオの小説です。
ポオの作品を読んでいる人の方がよく内容を理解できるんでしょうねぇ。
私は『黒猫』と『モルグ街の殺人事件』、「大鴉」は読んだ覚えがありますが、内容はあまり覚えていません。
章の最初に軽くあらすじが書いてあるので参考にはなりますが。

ちょっと読んだだけでは、まだまだこの作品のおもしろさに引き込まれるまではいきません。
黒猫と語り手の女性の関係がどう進んでいくのか、そういう下世話なことに興味が持てましたわ(笑)。
表紙の絵はかわいすぎですね。
この絵だけで手に取る人がいそうです。

和田はつ子 『瑠璃の水菓子』2014/06/22



我が家のわんこは元気いっぱい。
散歩は私の調子が悪いので勘弁してもらい、ボールのもってこいで狭い家の中を走りまわらせました。
この頃、完食が続いています。


今住んでいる町には本屋がいくつかありますが、私の趣味には合いません。
海外の小説と侍小説部門が充実していないんです。
仕方ないので、こんな時のアマゾンということで、注文しました。
そうすると、一冊、昨日本屋で買った本と同じ本を買っていました(恥)。


料理人季蔵捕物控シリーズの最新刊です。
ちょうど季節は夏。
季蔵の店では色々な胡瓜料理が出されています。

胡瓜を手に持ち、妙な彫り物が入った死体が見つかります。
店によく来る北町奉行所定町廻り同心の田端と岡っ引きの松次に頼まれ、季蔵は犯人捜索の手伝いをすることになります。

出てくる料理はどれもおいしそうです。
今回は胡瓜以外にも鮎、鮪、鰹と魚料理が出てきます。
特に鮎料理なんていいですね。
鮎の酢の物、鮎田楽、鮎めし・・・。
得に鮎めしを食べたいです。
「鮎の白さがご飯の桜色、茗荷の緑の薄赤い色と針生姜の黄色に映え」ているそうです。

鮎でも食べに行きたいですね。

似鳥航一 『お待ちしてます下町和菓子栗丸堂』2014/06/24



日常に潜む謎を解くというミステリーです。
今回の題材はもちろん和菓子です。

栗田仁は和菓子屋を営んでいた親が交通事故で亡くなったため、急遽大学を休学して和菓子屋を継ぐことになりました。
幼いころから親に和菓子の技術を教わってきたので、若いけれど腕は確か。
でも、売り上げは親の頃よりも各段と落ちてきています。
このままでは・・・。

そういう時に知人から紹介されたのが葵という若い女性。
彼女は見かけは良家のお嬢様なのに、凄い味覚の持ち主で、和菓子に関しては何でもわかるという人です。
玉に瑕なのは、和菓子に関する薀蓄を長々と語ってしまうところです。
そう、彼女がホームズで、仁はワトソン。
和菓子に潜む謎を鮮やかに解いていくのです。

出てくる和菓子は豆大福、どら焼き、干菓子。
豆大福とどら焼きは好きですが、干菓子はあまり食べたことがないし、食べたいとも思いません。
でも、最高級の和三盆で作られた干菓子は口に入れるとスーッと溶けていくとか。砂糖ですからね、食べ過ぎには注意ですね。

姓が一緒なので『ワニ日和』を書いた人かと思っていたら、名前が違いますね。
どうりで文体が違うと思ったわ。
あまり見られない姓ですが、親戚かしら?

リヴィア・J・ウォッシュバーン 『焼きたてマフィンは甘くない』2014/06/26

久しぶりのコージーミステリー。
アメリカの小さな町が懐かしく思えます。


元教師たちの下宿を営んでいるフィリスは孫をあずかることになります。
嫁の父親が危篤状態になり飛行機でかけつけようという時に、孫は耳の感染症にかかってしまい飛行機に乗せてはいけないとドクターストップがかかったからです。
ちょうど収穫祭が行われる時期で、料理コンテスト常連のフィリスは、収穫祭の料理コンテストにパンプキン・クリームチーズ・マフィンを出す予定です。

公園で行われる収穫祭の前日に、フィリスと下宿人のキャロリンは案山子の飾りつけを手伝うことになりました。
収穫祭当日、案山子の一つが変な場所に移動していたので、二人が直そうとすると案山子の中に死んだ男が入っていました。
その男は不動産業を営むローガン・パウエルで、彼の口の中にフィリスのマフィンが入っていました。
彼の妻の小学校教師のデイナは夫殺しの罪で逮捕されてしまいます。
デイナが犯人ではないと思うフィリスは彼女を自分の家で預かることにし、事件を調べることにします。

お決まりの内容ですが、たまに読むと心地いいです。
次は下宿人で離婚四回のイヴが何かしてくれそうです。

リース・ボウエン 『貧乏お嬢さま、空を舞う』2014/06/27

「英国王妃の事件ファイル」シリーズの三作目。


ラノク公爵令嬢ジョージ―は、ロンドンの暑さとメイド仕事の激減に困っていました
涼しいスコットランドに戻りたいとは思うのですが、意地の悪い兄嫁のことを思うと決心がつきません。
ひょんなことからエスコート・サービスを思いつくのですが、売春婦と勘違いされてしまい、たまたま現れたダーシーに助けられます。
その次の日、ロンドン警視庁に呼び出され、誰がちくったのかエスコート・サービスは止めさせられ、殺されたメイドが彼女宛の手紙を持っていたため事件に巻き込まれないようにとスコットランドに戻されてしまいます。

スコットランドでは予想に反して、兄嫁のフィグに暖かく迎えられます。
兄のビンキーが事故で怪我をした上に、ラクノ城にはアメリカからの客人と野蛮な従妹が居座っており、フィグは困っていたのです。
フィグのために客人をなんとかして追い出そうと色々なアイディアを思い付くジョージ―でしたが、山登りをしている時にザイルが切れ危うく死にそうになります。
ビンキーに引き継ぎジョージ―までも危ない目に。
一体誰が何のために王位継承者下位の自分のような者を狙っているのか、疑問を持つジョージ―。

そうこうするうちに、狩りの最中に人が死んでしまいます。

イギリスのお城をいくつか見ましたが、ああいう所に昔の人たちはよく住んでいたなと思います。
寒くてどうしようもなかったと思います。
どうやって暮らしていたのでしょうね。
優雅そうに見えても貧乏貴族の暮らしは大変です。
ジョージ―はいつお金の心配をしないで暮らせるのでしょうね。

ジョージ―は次はヨーロッパ大陸に行くそうです。
一体誰が連れて行ってくれるのでしょう。
お金がないからジョージ―一人では行けませんもの。

柚木麻子 『ランチのアッコちゃん』&『あまからカルテット』2014/06/28

本屋大賞の本がkindleでも読めるので読んでみることにします。


彼氏に振られどん底気分の三智子に、上司のアッコ女史からランチを一週間交換しようと言われます。
三智子はお弁当派で、アッコ女史は?
アッコ女史の指令で色々な場所でランチを食べるうちに三智子はだんだんと元気が湧いてきて、自分のこれからの生き方を考えるようになります。

これもお仕事本に入れましょう。
仕事って大変ですが、何か自分が好きと思えるものがあれば続けられるのではないでしょうか。
派遣と正社員がいがみ合うバレンタインデーの話なんて、ホント、バカらしいけれどあるよねぇ。

会社の人間関係で煮詰まっていたら読んでみるといいかも。

『ランチのアッコちゃん』が意外とおもしろかったので、美味しそうな表紙の『あまからカルテット』も読んでみました。


女子高時代の友人4人が織りなす、読み口が軽いお話です。

ピアノ講師の咲子、編集者の薫子、美容部員の満里子、料理上手で唯一既婚者の由香子。
全く性格が違う4人なのですが、仲間に何かあった時の結束力はすごいです。
たまたまもらった美味しいお稲荷さんから、それを作った人を探していくなんて、普通では考えられませんね。
最後のおせちの話なんて、結末がどうなるのか、最後までおもしろく読み進んでいけました。

柚木さんの本の良さは気持ちよく読み終われるところですね。
まっとうに書くとすごく気分の悪くなりそうなこともサラッと書いてあるんですもの。
あまり重いものを読む気になれない時に読むのに最適です。

坂木司 『ホリデー・イン』&『僕と先生』2014/06/29



記憶力が今一の私なので、読んで2年以上も経っているので、覚えているのは主役たちとジャスミンさんぐらいかな・・・。

登場人物のそれぞれの物語を読んで思ったのは、やっぱりジャスミンさんは素敵。
「いい脚のジャスミン」と書いてあるのだけれど、何故かマツコデラクッスみたいな人を想像してしまいました。
ア、痩せたマツコさんでいいかぁ。

「自己満足でも、代償行為でもかまわない。やらない偽善よりは、やった偽善の方が素敵に決まってるもの」

「素敵な靴が、素敵な場所に連れて行ってくれるならーー」
「新しい靴は、新しい場所にあなたを連れて行ってくれるはずよ!」

「ちゃんと悩んだ道なら、間違いなんてひとつもない。あたしは、そう信じている」いえ、信じたい。

新しい靴でも買いましょうかね。



先生と僕』の続編です。

前作では大学生二葉(僕)に中学生隼人(先生)が人の死なないミステリー小説の内容を説明しているのが楽しみのひとつでした。
今回はミステリー小説はでてきますが、それほど重きが置かれていません。
紹介されている本も珍しいものではなく、定番ものです。

大学の「推理小説研究会」に嫌々入った二葉ですが、やっと研究会にも慣れてきたようです。
イケメン隼人の顔を見たい研究会女子たちに無理やり隼人をバーベキューに誘わされ、「推理小説研究会」の仲間に紹介させられてしまいます。
そこで起こる謎を解くのが隼人君。

大学生より中学生の方が優秀ってどうなの?
私は隼人を頼る二葉君の行く末が心配です。

二葉の成長物語としてこのシリーズは進んでいくのでしょうか?
私としては次の題名がどうなるのか興味があります。
『先生と僕』→『僕と先生』→『?』
予想してみましょうか。