アンネ・ホルト 『ホテル1222』2015/11/17

ノルウェーの警察小説で、オスロ市警警部のハンネ・ヴィルヘルムセンが活躍するシリーズです。
日本では出版社の意向なのかシリーズがすべて翻訳されていません。
この前読んだ『凍える街』は七作目で、一作目から三作目までは他の出版社から出ているようです。
一作目では自分が同性愛者であることを周りに秘密にしていたようですが、『凍れる街』ではカミングアウトした後の家族との葛藤が描かれていました。
殺人事件の捜査よりも、ハンネの思考の流れがおもしろかったです。

『ホテル1222』は八作目ということなのですが、読んでびっくり。
ハンネは半身不随になっていて車いす生活を余儀なくされており、警察も辞めていました。


ハンネが乗った電車の脱線事故で運転手は死亡し、乗客たちは近くのホテルに避難しました。
ホテルには食糧が豊富にあり、後は救助を待つだけでしたが、吹雪はやむ気配はありません。
そんな時に殺人事件が起こります。
ハンネは元警官ということで乞われて調査に当たることになります。

障がい者になったハンネはよくもまあこんなに皮肉れられたものねというような感じです。
ノルウェーは福祉国家ですから、暮らしやすいとは思うのですが、それでも色々とあるのですね。

ハンネが車いすに乗るようになっても、このシリーズは続いていくのでしょうか。