米澤穂信 『さよなら妖精』2016/02/28



雨の日、学校からの帰り道に、守屋路行と大刀洗万智は傘もささずにたたずむ少女に出会います。
彼女はユーゴスラビアから日本にやってきたマーヤという少女で、日本でお世話になるはずの人が亡くなっていて泊まるところがなく困っていました。
路行は同級生の白河いずるの家が旅館をやっているのを思い出し、マーやはそこにお世話になることになります。
路行と万智、いずる、文原竹彦の4人はマーヤと親しくなります。

やがてマーヤが帰国することになりますが、ユーゴスラビアでは内戦が始まっていました。
帰国後のマーヤからは便りもなく、マーヤの無事を確認したい路行とゆずるはユーゴスラビアを構成する6つの国のどれがマーヤの国かを突き止めようとしますが・・・。

ポーランドからドイツへの汽車で出会った女性が、「ユーゴスラビアは美しい国だった。でも今は・・・」と言っていたのを思い出しました。

マーヤが妙に日本語がうまいのが気になりました。
いくらなんでもこんなには話せないでしょう。
でも、ユーゴスラビアという国のことを知るいいきっかけになる本です。
「七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字」があるのに1つの国家のままでいるというのは難しいんでしょうね。

ちなみに、
六つの共和国:スロベニア、クロアチア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、セルビア、モンテネグロ。(コソボはまだ認められていないですよね)
五つの民族:セルビア人、クロアチア人、スロベニア人、モンテネグロ人、マケドニア人。
四つの言語:セルビア語、クロアチア語、スロベニア語、ボスニア語
三つの宗教:カトリック、正教会、イスラーム
二つの文字:ラテン文字、キリル文字
のようです。

平和な日本に暮していると、平和ぼけしてしまいますね。
それが悪いというわけではないのですが。
テレビではまだ終わらない福島の原発の話をしていました。


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