宮下奈都 『羊と鋼の森』2016/09/11

2016年の本屋大賞を取った作品なので、どんな作品なのか興味があったので、読んでみました。ピアノの調律師のお話です。


高校の体育館でピアノを調教する場面に遭遇し、森の匂いを感じた僕は、その時、調律師になることを決意した。

僕は調律師の板鳥さんから教えられた学校で学び、彼の会社に入り、調律師としての修業を始める。
一人前になるにはまだまだで、自分のした調律に迷いながらも、ただひたすらに、「明るく静かに澄んで懐かしい文体・・・」(原民喜)を目指していく僕。
最後に彼が辿りついたのは、ある女の子のピアノの調律をやり続けたいと言う思いだった。

「才能がなくたって生きていけるんだよ。だけど、どこかで信じてるんだ。一万時間を超えても見えなかった何かが、二万時間をかければ見えるかもしれない。早くに見えることよりも、高く大きく見えることのほうがだいじなんじゃないか」

たとえ愚鈍に見えたとしても、ひたすら前に進む姿が美しいです。

失礼なこととは思いながら、ついつい小川洋子さんが描いたらどうなるのだろうと思ってしまいました。

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