中嶋博行 『新検察捜査』2017/10/17



『検察捜査』の続きの本です。
『検察捜査』を書いてから14年も経っているのですね。

なんとまあ、検事・岩崎美紀子はFBIで研修を受け、36歳、バツ1になっており、4歳の娘までいました。
彼女が横浜地裁で任された事件は2つ。
女性を殺し、心臓を取り出し、スライスして食べたという少年、『ソウルガード』が司法入院した後のフォローと、診療点数の水増しをしていた大塚という医師が法廷で頭をぶち抜かれて殺された事件でした。
この2つの事件は全く関係がなさそうだったのですが・・・。

司法試験は難しい試験として有名ですが、合格者を水増ししているんですか。
確たる合格の基準があるんだとばかり思っていました。
歯科医と同じように弁護士が溢れてしまいそうですね。
弁護士は使命感のある人がなるんだとばかり思っていましたけど。

美紀子が相変わらずの美貌と行動力で巨大な悪に迫ります。
相棒が神奈川県警の郡司刑事。
彼は『検察捜査』にもでてきています。

最後はアメリカ映画みたいな大仕掛けです。
前作よりパワーアップ。
シリーズにして続けて書いてもらいたいですね。



ランチに食べたのが、黄色いオムレツ。
カボチャの黄色は元気の出る色です。

福田和代 『星星の火』2017/10/19



警視庁保安課の上月千里は堅物の刑事。
その友、警視庁通訳センターで中国語の通訳捜査官をしている城正臣は上月とは全く正反対の型破りな性格。
城は結婚して子供がいますが、美貌の妻がどこかに行ってしまったので、一人で子供を育てるために刑事を辞め、通訳捜査官となっていました。
彼の中国語は完璧で、中国人と間違われるほど。
元刑事なので勝手に自分のいいたいことを絡めて通訳をしてしまいますが、それもご愛嬌(?)。
上月にとっては頼りになる通訳なのです。

違法パチスロ店を摘発するために、通訳として城を連れ、上月は池袋の雑居ビルに向かいました。
容疑者の中国人を捕えようとすると、違法なピストルで上月は撃たれそうになります。
取り調べると、「竜生九子」という中国人組織の存在が明らかになり、城は中国人のコネを使い捜査を始めます。

その頃、家を出ていた城の妻、凜子が突然帰ってきます。
彼女は何かトラブルが起こると城に解決を迫るという悪い癖がありました。
今度は勤めている美容院に嫌がらせがあり迷惑している上に、凜子が何者かに付けられているというのです。
城が調べ始めると、何者かに目の前で凜子と娘が拉致されてしまいます。
城は一人で凜子たちを探そうとしますが・・・。

来日する中国人が増えていくと、古くからいる中国人との間で世代間のギャップがありそうですね。
そういえば今までなかったのに、この頃、中華街でごみ捨てのトラブルがあるとニュースで伝えられていました。
日本人といい関係を築いてきたのに、ニューカマーによってその関係が崩れるというのは誠に残念です。

中国人社会の暗闇が余すところなく書かれているのはよかったのですが、途中から失速してしまいました。
なんか残念。
続篇では上月と城コンビがもっと活躍していて欲しいし、城と凜子の関係がよくわからなかったので、そこをもっと書いていてもらいたいものです。

太田愛 『幻夏』2017/10/21



この本の前に『犯罪者』があり、後に『天上の葦』が続くようです。
『幻夏』から読んでも差しさわりがありませんが、人間関係がわかりずらいかも。
『犯罪者』で何があったかわかってから読んだ方がいいかもしれませんね。

23年前、川岸にランドセルを置いたまま親友がいなくなった。
23年後、少年は半端物の刑事になっていた。

しがない興信所を経営している鑓水は息子を探して欲しいという依頼を受ける。
家に行くと母親らしき女性がいて、鑓水に300万と家の鍵を渡し、23年前にいなくなった息子を探してくれと言って去っていった。
鑓水は部下の修司を使い、23年前を調べていく。

同じ頃、少女が連れ去られた。
所轄の交通課にいる相馬は後方支援として駆り出される。
相馬は少女が連れ去られた現場から23年前、親友が最後に目撃された河岸にあった流木に掘られていた、同じ印を発見する。

少女の連れ去り事件と23年前の少年失踪事件は何か繋がりがあるのか。
相馬は一人、捜査を続けていくが・・・。

扱っているのは「冤罪」と「復讐」です。
是非、読んでみてください。お勧めです。

太田愛 『犯罪者』2017/10/23



太田さんの『幻夏』がおもしろかったので、『幻夏』の前に出ていた『犯罪者』を読んでみました。
kindleで読んだので厚さはわからないのですが、全く長さを感じさせない本でした。

たった一回しか会ったことのない女の子に呼び出されて、駅前で彼女を待っていた修司は通り魔事件に巻き込まれてしまいます。
4人が殺され、修司、たった一人が生き残りました。
病院で不思議な男に会います。
彼は修司に後、10日間生き延びろと言って去っていきました。
病院を抜け出した修司は刑事の相馬に助けられ、彼の友人の鑓水に預けられます。
相馬は死亡して見つかった男が通り魔だとは思えず、鑓水と修司の助けを借りて捜査を始めます。

一見無差別に殺されたかのような犠牲者たちでしたが、その陰に恐るべき犯罪が隠されていたのです。

これ以上書くと、読む楽しみが減ってしまうので書きません。
是非、お手に取って読んでください。
次から次と、判明する謎にわくわくしながら読み進んでいけます。
太田さんは「相棒」などの脚本家だそうで、言われてみるとテレビや映画など映像向きの話かもしれませんね。
最後に悪に勝つというような勧善懲悪の話ではなくて、そこが妙にリアルっぽくてよかったです。
この本は2012年に出版されていたようですが、私は見逃していたようです。
三作目の『天上の葦』は必ず読もうと思います。

大倉崇裕 『オチケン!』2017/10/25



落語は嫌いじゃあないです。
大分前に寄席に何回か行ったことがあります。
ある時、桂歌丸を聞き行ったら、何故か来なくて、ガッカリしたのを覚えています。
あの頃は寄席もがら空きでしたが、今はどうなんでしょうね。

大学に入学して早々、落語研究会に無理やり入部させられてしまった越智健一。
名前がオチケンだからなんちゃって(笑)。

3人部員がいないと、オチケンは部室をもらえないんだって。
越智が入らないと、部員はたったの2人。
入るのや~めた、と言いたいのに、そして授業にも出たいのに、何故か先輩の中村と岸に懐柔されてしまう越智。
嫌と言えない性格なのね。
その性格のおかげでオチケンの部室を狙っている他の研究会からにらまれて大変です。

一応この本、ミステリーらいしですが、たいした謎はないです。
優柔不断の越智君がどんな騒動に巻き込まれるのかがおもしろいだけです。
先輩の中村と岸の二人の方が謎めいてますわ。
心配なのは授業にもでない越智君が卒業できるのかどうかです。
友達を早く作っとかないと、単位修得の極意がわからないわよ。
頑張れ、オチケン!

一応でてくる落語の一つは初心者用の「寿限無」です。
落語の入門書になる・・・かな?

今日はいい天気2017/10/26

やっと晴れて、お散歩ができました。
犬たちは久しぶりの散歩で嬉しいのか、走ろうとします。
ママは全体重をかけて阻止します(笑)。


家に辿りついてからお座りさせようとすると、弟しかしません。
兄は弟が嫌いなので、一緒に座りたくないのです。


こんな風にそっぽを向いています。
本当は自分一匹で散歩に行きたいのでしょうが、元気のないママは一匹ずつすると疲れるので、一緒に行きます。


満足の笑顔です。(微妙な距離です)

竹内真 『図書館のピーナッツ』2017/10/27



図書館のキリギリス』の続く二作目。
前作では詩織の行動にびっくりしましたが、やっと司書としての自覚がでてきたようです。
自分のことを「なんちゃって司書」などと卑下しているのが気になります。
こんなこと言ったら司書の人たちに怒られるのでしょうが、司書資格って夏休みに一カ月ぐらい集中的に行けばとれちゃうわけで、それほど大変な(お金と一カ月ぐらい通い続けるという根性と体力があれば)資格ではなさそうですが・・・。

詩織の性格がとことんまじめ。
生徒たちの疑問に答えるために頑張ってます。
これってレファレンスっていうんですよね。
学校の司書さんでこれほどやる人ってめったにいないと思います。
そもそも都立高校の場合、図書室に司書がいる割合が減り、今は司書教諭が教科指導のついでにやっているんじゃなかったかしら?
ここに出てくる高校生をみていると結構偏差値の高い高校の話っぽいです。
彼らのような高校生って今時いるのかしらねぇ・・・いてほしいです。

最初にでてくるサンタの話って有名で、クリスマスが近づくたびにテレビなどで紹介されているので、なんですぐにわからないのかしらと思いましたが、それ以降にでてくる村上春樹やオザケン、ピーナッツ(スヌーピーのね)に関しては知らないことだったので楽しめました。
何かを調べるということは楽しいですね。
その楽しさを子供たちに知って欲しいです。

ますます学校司書の仕事にのめりこむ詩織ですが、いいパートナーと出会い、次はどんな展開になるのでしょうね。
そうそう、なんで二人に特別な能力を持っている必要があるのか、ちょっとわかりませんが。
次回、元旦那が現れ、二人は・・・なんてことないかしら(笑)。

クレオ・コイル 『大統領令嬢のコーヒーブレイク』2017/10/30

コクと深みの名推理シリーズの十五作目。


ビレッジブレンドの2号店がワシントンDCに!

政府の仕事をしているため、NYになかなか帰って来られないマイク・クィンに会えないことに耐え切れず、とうとうクレアは彼のいるワシントンへ2号店のマネジャーとして行くことにした。
お店の1階がコーヒーハウスで、2階がNYで働いていたバリスタでジャズ・ミュージシャンのエバンスがマネジャーをするジャズクラブ。
実はジャズクラブには問題があった。
クラブに出す料理担当のシェフとクレアは上手くいっていないのだ。
オーナーのマダムが契約したシェフのホプキンズが作るのはグルメ向けの料理で、ジャズクラブでは不評にもかかわらず、改めようとはしないのだ。
困ったクレアはあることをしようと決心する。

もう一つ問題が発生した。
なんと、アメリカ大統領の愛娘が、アビー・レインという芸名でジャスクラブでピアノを弾いていたのだ。
彼女の演奏はすばらしく、才能があるのがはっきりしているが、両親、特に母親は彼女の才能を認めず、ピアノを止めさせて結婚させようとしていた。
クレアはアビーの力になろうとするが、世間にアビーのことがばれてしまい、店は大混乱に。

殺人は起こらないかと思っていたら、クレア、大ピンチ。
なんと最重要容疑者として指名手配され、マイクと一緒に逃亡する羽目に。
このピンチをどう乗り越えるのか。

このシリーズでは美味しそうな珈琲がいつも出てきますが、今回はジャズクラブで出すお料理がすばらしいです。
こんなジャズクラブがあったら、行きたいですわ。

アメリカの詩人のラングストン・ヒューズ(1902-1967)の詩が出てきました。
「わたしは夢見る…あらゆる人が自由な世界を…あらゆる人が欲することに一粒の真珠のようによろこびが伴うことを…」
「I Dream A World」という詩の一節のようです。

I dream a world where man
No other man will scorn,
Where love will bless the earth
And peace its paths adorn
I dream a world where all
Will know sweet freedom's way,
Where greed no longer saps the soul
Nor avarice blights our day.
A world I dream where black or white,
Whatever race you be,
Will share the bounties of the earth
And every man is free,
Where wretchedness will hang its head
And joy, like a pearl,
Attends the needs of all mankind-
Of such I dream, my world!

ヒューズはアフリカ系アメリカ人で「ハーレムの桂冠詩人」とも呼ばれており、自由の国アメリカを愛した詩人です。

今までのシリーズとはちょっと違い、今回はマンネリから抜け出したようです。

久しぶりの殿ヶ谷戸庭園2017/10/31

ずっと雨が続いていたので、どこかに出かけるということをしなくなっていました。
身体の調子もよくないこともあったけど・・・。
今日は久しぶりの晴れということで、外出ついでに殿ヶ谷戸庭園へ行ってみました。
国分寺駅の北口はマンションを建てるために工事をしていたのですが、やっと通れるようになっていました。


入り口は雨の影響はあまりないようです。


紅葉にはまだまだはやいようです。


少し色が変わってます。


萩のトンネルは萩の花は終わり、はっぱだけになっていました。


チャノキですが、下を向いて咲いているので、写真に写すのが大変でした。


たぶんノコンギク。


ツワブキ。黄色い花が咲きます。


赤い実がなっています。何の花でしょうか?



ここの水は東京都名湧水57選に選ばれているようですが、飲めるのかしら?


もう少しすると紅葉が見事になるのでしょうね。
二週間後にまた用事があるので、晴れたら来てみようと思います。


マルイにパン屋さんがいくつかありますが、一番新しいパン屋のOZでパンを買って帰りました。
カロリーが高そうです・・・。