海堂尊 『医学のひよこ』2021/07/23



懐かしい桜宮市のみんなが登場します。
読みながら、アレ、知らないよと思ったら、この本の前に『医学のたまご』という本があったんですねぇ。
途中から読んだので、中学校3年生になった主人公の曾根崎薫君に何があったのか、そしてどんな目に遭ったのかが詳しくわかりません。
読む場合は順序よく、『医学のたまご』→『医学のひよこ』→『医学のつばさ』と読みましょうね。

中1の時の「全国統一潜在能力試験」で全国1位をとったばかりに、飛び級で東城大学医学部に入学した曾根崎薫。
たまたま父親が問題作成者で、息子を実験台にして問題を作ったため、1位になれたのです。ようするにいかさまみたいなもんです。
前回、薫は正規の大発見をしたと脚光を浴びた後でその発見が間違いだったとわかり、トンデモ中学生になってしまいました。
その原因の一端が指導教官の藤田教授にあるため、薫は東城大学医学部に不信感があるようです。

ある日、中学校の仲間たちで秘密基地の側にできた洞穴を探検することにします。
メンバーはしっかり者で、面倒見のいい学級委員の美智子とガリ勉で医学部志望の三田村、「平沼製作所」の孫で「平沼深海科学技術研究所」の所長の息子のヘラ沼、そして薫です。
洞穴の中には白くて大きい「たまご」がありました。
4人はそのたまごを毎日放課後順番で観察することにします。

たまごは新種の生物ではないかと思った4人は東城大学医学部に研究協力をお願いすることにし、薫は『神経制御解剖学教室』で一緒に学んでいる佐々木アツシ(『モルフェウスの領域』参照)に相談します。

やがてたまごの孵化が始まり、赤ちゃんが生まれました。
<いのち>と名づけられた赤ちゃんは医学部付属病院の看護師たちの協力も得、オレンジ3階に運ばれ、無事に育って行くのですが…。

新種の生物を手に入れ、動物実験をし、研究発表を目論む研究者たちと、動物実験に反対し、<いのち>を守り、育てていこうとする子どもたちとの戦いです。
東城大学側では藤田教授が登場し、文科省スカーレット小原紅と組み、日本政府まで巻き込んでいきます。
中学生側に付き戦うのが、懐かしの田口先生(いつのまにか教授になってます)と高階学長、ロジカルモンスター白鳥。
さて、この戦いはどうなるのか。

子どもたちののどかな冒険小説かと思いながら読んでいくと、醜い大人たちの争いが紛れ込んできて、嫌ですねぇ~。
『医学のつばさ』では大逆転と行きたいものです。

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