近藤史恵 『おはようおかえり』 ― 2022/01/03

二匹とママパパのお散歩です。
ちょっと寒いですが、4人一緒で犬たちも満足のようです。

「おはようおかえり」を私は最初に「おはよう」と「おかえり」と読んでしまい、変だなと思って調べてみると、漢字で書くと「お早うお帰り」なんですね。
意味は「いってらっしゃい」。全国大阪弁普及協会によると、「ただ見送るだけではなく、早く仕事を終えて無事に帰ってきてほしいという願いが込められた」言い方だそうです。
小梅は曾祖母、祖母、母と三代続く和菓子屋「凍滝」の娘です。
大学で学びたいこともなかったし、成績もよくなかったので高校を卒業した後、店で働いています。
妹のつぐみは頭もよく、活発な性格で、大学ではアラビア語を学んでいて、劇団活動もしています。エジプトに留学したいと言って母とよく喧嘩をしています。
ある日の朝、地震が起り、小梅と母は店が心配になり行ってみると、つぐみがきんつばを焼いていました。
つぐみは今まできんつばなんか焼いたことはありません。
この日から四十三年前に亡くなった曾祖母がつぐみの身体に乗り移ることが続きます。
曾祖母は曾祖父に渡した手紙を、彼の浮気相手から取り戻してほしいと小梅に頼みます。
小梅は言ってしまえば根暗。色々なことを考え過ぎてしまうようです。
例えば、中学校の数学の教師に「今は、女の子の方が成績がよくても、そのうち男子の方が伸びるから」と言われたことをずっと覚えていて、成績が下がるたびにやっぱりと思ったりします。
私なんかは母親が言ってましたが、「そんなもんかな」ぐらいで気にしていませんでした。
自分のことを臆病だといい、「この世の中で、なにか特別できらきらしたものを見つける人なんて、少ししかいないのではないだろうか」と若いのに思ってしまい、何もやろうとしません。
妹のつぐみは悩んでいないように見えますが、そうではないのです。彼女だって怖いんです。それでも頑張っているんです。
小梅は曾祖父の浮気相手を探すうちに、自分を見つめ直すことになり、最後は自分の殻を破り、一歩踏み出せるようになります。
「もしかすると、ちょっとダメな方が人生は楽しいのかもしれない」
こう思えたら、小梅も生きやすくなるかもね。
ファンタジーと思えるようなお話ですが、災害、差別や偏見、LGBTQ問題などが盛り込まれていて、一筋縄ではいかないお話です。でも深みがなかったのが残念。
読んでいてカレーが食べたくなりましたwww。
コメント
トラックバック
このエントリのトラックバックURL: http://coco.asablo.jp/blog/2022/01/03/9453209/tb
※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。
コメントをどうぞ
※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。
※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。