知念実希人 『ムゲンのi』2022/02/24



だんだんと春が近付いて来ています。
ピンクの花が満開です。


お散歩ではカメラは無視されます。
トリミング前なので、ボサボサの犬たちです。


2020年度の本屋大賞ノミネート作品。文庫本になったので、読んでみました。

識名愛衣は神経精神研究所付属病院に勤める神経内科医です。
特発性嗜眠症候群、通称『イレス』という病の三人の患者の主治医をしています。
『イレス』は延々と昏睡に陥る奇病で、世界でも四百例ほどしか報告されていない、治療法も確立していない疾患です。日本ではここ数年以上、発症例がありませんでした。

実家に帰り、カレーを食べながら父にイレス患者のことを愚痴っていた時、父が急に祖母に相談してみたらと言い出します。
愛衣の祖母はすごく優秀なユタだったらしく、不思議な力を持っていたそうです。
愛衣が会いに行くと、言わないうちにイレス患者のことを話し出します。
彼らはサーダカンマリな人にマブイを吸い込まれてしまったので、起こすためにはマブイグミをしなければならない、愛衣にはその力があるというのです。

翌日、祖母から教えてもらった呪文を唱え、愛衣は患者の夢幻の世界に入って行きます。
そこにはウサギの耳を持った猫がいて、自分は愛衣のククルだと言います。
愛衣はククルの助けを借りてマブイグミをしていきます。

イレス患者のマブイグミは成功しますが、患者たちの心の傷が最近頻発している猟奇殺人と関係があることがだんだんとわかってきます。
しかも、この事件は愛衣のトラウマのもとである23年前の通り魔殺人事件とも繋がっているようです…。

知念さんの作品とファンタジーは、実は苦手な方なのですが、今回はスルッと読めました。(私の中では『仮面病棟』の印象が強いんですよ)
違和感がところどころにありましたが、・・・だからかと納得しました。
アニメにするといいかも。
自分のククルはどんな形をしているのか、考えるのも楽しいですよね。
愛に溢れる最後で、思っていたよりもいい後味のお話でした。
YAの方にお勧めします。

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