池井戸潤 『空飛ぶタイヤ』2011/09/20

『空飛ぶタイヤ』ってなんだろう?ひょっとして、書いてある通りの、空を飛ぶタイヤのことを扱った御伽話かしら?
なんて能天気なことを思いながら本を読むと、全く違いました。
タイヤは車のタイヤです。車のタイヤは飛んではいけませんね。


池井戸さんの本を読むのは三冊目かしら?そうそう銀行の話は二冊だったので四冊目ですか。四冊目にしてちょっと飽きがきてしまいました。
話の展開としては『下町ロケット』風で、先が見えてしまうからです。

父親の後を継ぎ、運送会社を経営している赤松徳郎の会社のトラックが事故を起こしました。トラックのタイヤが飛び、歩道にいた母子に当たり、母親が亡くなってしまったのです。

事故原因は赤松の会社の整備不良とされてしまいました。ところが赤松が調べてみると、トラックはちゃんと整備されていたのです。
納得のいかない赤松は他にも同じような事故が起こっていることを知り、ホープ自動車のトラックの車両に欠陥があったのではないかと考え、独自に調査に乗り出します。
しかし、彼の調査は邪魔が入り遅々として進まず、取引銀行からは融資を断られ会社は倒産寸前。
その上、息子のクラスで盗難があり、息子が容疑者にされそうになったり、犯罪者にPTA会長をやってもらいたくないと、彼を弾劾する集会が開かれたりと踏んだり蹴ったりです。

一方、ホープ自動車ではリコール隠しをしょうとしています。
 
大企業の体質はなかなか変わらないのですね。一人の命より自分たちの利益を優先しようとするのですから。まあ、大企業に入社すると一生安泰という感じですから。
東電もこんな感じなのでしょうかね。

池井戸さんの本では銀行と大企業は悪役で、中小企業のおっちゃんは善人なのでしょうか?

日本の中小企業のみなさま、頑張って下さいといいたくなりました。