「関心領域」を観る ― 2024/06/02
散歩中に見つけた、変わった植物(私が知らないだけかも)。
調べると、ギリシャ神話に出てくる花、「アカンサス」だそうです。
アカンサスという美しい娘が太陽神アポロンのしつこいプロポーズを断る際、爪でアポロンの顔を傷つけてしまい、怒ったアポロンに植物に変えられてしまったのだとか。由緒ある花なんですね。
見て下さい。兄はちゃんと右足をついて歩いています。
パパがいると便利です。兄は5分ちょっとでママのスリングに入り、弟だけが歩いてお散歩します。
兄は意外とスリングが気にいっているようで、嫌がらずに入っています。
「関心領域」は、マーティン・エイミスというイギリスの作家の小説を原作とし、ジョナサン・グレイザーが脚本・監督を務めた映画です。
カンヌ国際映画祭でグランプリ、アカデミー賞で国際長編映画賞と音響賞というように様々な賞を受賞しています。
アウシュビッツ強制収容所と壁一つ隔てた家に、収容所所長のルドルフ・ヘスの家族が住んでいる。
妻のヘートヴィッヒはこの家を丹精込めて作り上げた。
広い草花が咲き誇る庭にはプールもある。
この庭に友人や子どもたちを招いて、パーティを開く。
子どもが無邪気に遊んでいるようだが、手許を見ると、囚人の入れ歯。
赤子は常に泣き叫んでいる。
川に遊びに行くと、流れてきたのはおぞましいものだった。
ヘスは子どもたちを川からあげて、急いで家に帰り、体中を洗わせる。
眠れない子どもにヘスは『ヘンデルとグレーテル』を読み聞かせる。
妻のヘートヴィッヒはためらいもなくアウシュビッツで殺された囚人の毛皮のコートを着て、コートに入っていた口紅をつける。
やって来た母親にいかにここが理想的な場所かを語り、運がよかったとまで言うが、母親は別れも告げずに帰っていく。
腹いせにポーランド人のメイドに、夫にお前を殺させ、灰を撒いてもらうとまで言う。
ヘスが昇進して転勤になると聞くと、子どもたちを育てるのにいい場所なので、ここを離れたくないから、単身赴任してくれと言う。
外から様々な音が聞えてくる。
しかし、ヘスの家族は何も聞えないかのように、暮らしている…。
ヘス家の日常生活が淡々と描かれた映画ですので、退屈に感じてしまうかもしれません。わたしは後半にちょっと眠気がしました(恥)。
アカデミー賞を取った映画だから観てみるかと単純に思う人は観ない方がいいかもしれないです。
色々と考えたい方は是非、観に行って下さい。
ヘスの妻役が、「落下の解剖学」に出ていたザンドラ・ヒュラーです。
うまい俳優さんですね。
わんこが我が物顔で、家中を駆けまわっていましたが、このわんこはザンドラさんの愛犬のラブラドールだそうです。
メッシ君は演技ができたけど、ザンドラさんの愛犬はできないそうです。
でも、いるだけでいいです。
私はアウシュビッツ強制収容所に行ったことがあります。
世界遺産に登録されている旧市街のあるクラコフという古い町からバスに乗り行きました。
今はツアーもあるみたいです。お金と時間と相談して、ツアーで行くか、個人で行くか決めるといいでしょう。
個人で行くと、無料で何時間いてもいいそうです。
ポーランドに行くことがあったら、是非行ってみて下さい。
<今週のおやつ>
久しぶりのお届け物は、可愛いキティちゃん。
包み紙を取ると…。
窓があり…。
窓からキティちゃんが覗いています。
ガトーフェスタハラダのハローキティ50周年を記念してハローキティのために作った特別なグーテ・デ・レーヌ(女王様のおやつ)です。
中にクリームチーズ風味のいちごクリームとフリーズドライのいちごが挟んであります。
サンリオとコラボしていたなんて、知りませんでした。
「北欧の神秘 ノルウェー・スウェーデン・フィンランドの絵画」@SOMPO美術館 ― 2024/06/04
前売り券を買っていたのに、なかなか行けなかった美術展にやっと行って来ました。
この美術展ではノルウェー国立美術館、スウェーデン国立美術館、フィンランド国立アテネウム美術館の3つの国立美術館のコレクションから選び抜かれた約70点が展覧されています。
北欧諸国では、「19世紀になると、ナショナリズムの高まりとともに、独自の芸術を探究する潮流が生まれ」、「北欧の画家たちは、故郷に特有の主題を求め、北欧の自然、古くから語り継がれる北欧神話や、芸術とは縁遠い庶民にもなじみ深い民話を題材として多くの作品を制作」したそうです。
「序章 神秘の源泉ーー北欧美術の形成」
アウグスト・マルムストゥルム ≪踊る妖精たち≫ 1866年
妖精と森。如何にも北欧という感じですね。
この絵は「北欧文化における自然と神話の強い結びつきを示唆している」そうです。
「1章 自然の力」
ニルス・クレーゲル ≪春の夜≫ 1896年
スウェーデンの画家、クレーゲルのこの作品が気に入りました。
木のエネルギーが感じられます。
エドヴァルド・ムンク ≪フィヨルドの冬≫ 1915年
ムンクはノルウェーの画家で、彼の作品は2点あります。
彼の風景画を観るのは初めてではないと思いますが、印象が薄いのか、覚えていません(恥)。
ヴァイノ・ブロムステット ≪冬の日≫ 1896年
ブロムステットはフィンランドの画家です。
静謐な海が広がっていますね。
アイリフ・ベッテシェン ≪夜景画≫ 1887年
湖というと北欧という感じですよね。
「2章 魔力の宿る森ーー北欧美術における英雄と妖精」
ガーラル・ムンテの『名誉を得し者オースムン』という物語をもとにした作品群。
ガーラル・ムンテ ≪山の中の神隠し≫ 1928年
テオドール・キッテルセン ≪トロルのシラミ取りをする姫≫ 1900年
トロルに捕まったお姫様を助けに行くと、お姫様がシラミ取りをしていたそうです。お姫様とシラミ取りというのが、合っていませんね。トロルにもシラミが湧くんですかww。
「3章 都市ーー現実世界を描く」
19世紀になると、産業化が進み、都市を題材にし絵を描き始める画家が増えてきたそうです。
アウグスト・ストリンドバリ ≪街≫ 1903年
嵐がやって来るのか、雲と海が荒れているような感じがします。
そんな中に工業地帯の明かりが見えます。
クリスティアン・クローグ ≪生存のための闘争(習作)≫
パンを求めて、取り合う人々。この習作から下の絵が描かれたようです。
クリスティアン・クローグ ≪生存のための闘争≫
描かれた年がわかりませんが、1900年前後かな?この頃は貧富の差が激しかったのでしょうか。
そういえば鳥の声とかBGMが聞こえていて、絵の展覧会にBGMなんてあったっけと思っていたら、この展覧会用のBGMでした。
四階の展示室とゴッホの≪ひまわり≫は写真撮影ができます。
今週までですので、行きたい方は急いで下さい。
空いているかと思っていたら、平日なのに混んでいました。
終わる前に見ようと思う人が多いんでしょうね。
午前中に用事があったので、少し遅いランチとなりました。
そうすると、楽しみにしていたフルーツサンドが売り切れでした。
仕方なくミックスサンドイッチを食べました。スープとサラダ、フルーツがついています。
量が多かったけど、頑張って食べましたww。
有馬美季子 『お葉の医心帖』&『お葉の医心帖 つぐないの桔梗』 ― 2024/06/05
「第一章 壊れた心」
長月(九月)。両親を流行り病で亡くし、奉公先で酷い虐めに遭い、絶望の果てに命を絶とうと、川に身を投げたお葉は、本道(内科)の医者である挙田堂庵に助けられる。
行くところのないお葉は堂庵の診療所に置いてもらい、少しずつ堂庵の仕事を手伝うようになる。
「第二章 繊細な肌」
神無月(十月)。日本橋瀬戸物町の飛脚問屋のお内儀、お久が娘のお澄を連れてやって来る。娘は顔と手が酷くかぶれていて、真っ赤になっていた。
堂庵から教えて貰い、お葉はお澄のために潤肌膏を作る。
お澄に悩み事があるように思うお葉。
お葉は堂庵から教えて貰った『医心方』にならい、≪いしんちょう≫を作り、学んだことを書いていくことにする。
「第三章 男たちの懐」
霜月(十一月)。短刀で刺された患者が運び込まれる。幸い命に障りはなかったが、養生部屋でしばらく様子をみることになる。
患者は北町奉行所定町廻り同心の野木謙之助で、財布を掏られたお爺さんをたすけようとして、掏摸に向かっていって刺されたという。
掏摸に遭った男は佐久間町の米問屋の大旦那で、掏摸に突き飛ばされて腰を打ち、動けなくなっていた。
堂庵は店まで行き、治療する。
「第四章 決意の時」
師走(十二月)。紺屋町で紺屋<井筒屋>を営んでいるお留という女が、嫁の産後の肥立ちが悪いと往診を頼みに来る。
井筒屋に行ってみると、嫁のお光と子の松太郎は床に臥しており、お光の顔色は思った以上に悪かった。
お葉はお光が姑にに意地悪をされているのではないかと思う。
「終章」
大晦日。同心の謙之助が手土産を持ってやって来る。
彼の両親は二人で箱根に湯治で行ってしまったというので、堂庵たちは彼と一緒に過ごすことになる。
「第一章 恋の痛み」
文政七年(1824年)睦月(一月)。
診療所に武家の娘と腰元がやって来る。娘は旗本の家柄で、十七歳。二日前に中条流の医者にかかって子を堕ろしたが、酷く傷ついてしまい、出血が止らないという。娘の患部は、前門(陰部)から後門(肛門)のあたりまで、裂けているかのように切り傷ができていた。
しばらく預かることにするが…。
「第二章 俺の弔い」
如月(二月)。謙之助が夜の見廻りをしていたところ、診療所の近くで男が急に倒れたといって、男を連れてくる。どうも卒中のようで、酒を飲んでいる時に、頭が痛いと言っていたらしい。
その男は今をときめく人気噺家の宵町亭円丞で、身振り手振りを交えての勢いのある芸で、絶大な人気を博していた。
卒中はもとのとおりに戻るのは難しいが、障りなく暮らせるが、前のような芸ができるかどうかわからなかった。
「第三章 日溜まりの庭」
弥生(三月)。向島の寺嶋村の寮に住む、もとは油問屋の大旦那だった角右衛門の下男、三五郎がやって来る。
角右衛門はこの頃、よく転び、昨日、階段から落ちて、動けなくなったという。
往診に行くと、広い庭のある家に大旦那と三五郎の二人で住んでいた。
少しボケているようで、十年以上も会っていない次男のことをよく口に出すという。
「第四章 命の重さ」
卯月(四月)。診療所にかつてお葉をいじめ抜いた、呉服問屋の内儀、多加江がお砂という下女と共にやって来た。
三月ほど前から腰の痛みが酷くなってきて、いろいろな先生に見てもらったが、治らないという。淋疾(膀胱炎)らしく、往診に行こうかと尋ねると、治るまで家人や使用人には隠し通したいという。
帰り際に多加江はお葉を強い口調で咎めた。そのためお葉はいじめられた時のことを思い出してしまう。
四日後にやって来た多加江は言いつけに背き、酒を呑んでいた。二年近く呑んでいると聞き、堂庵は腎ノ臓が痛んでいるのではないかと推測し、養生部屋で預かることにする。
お葉はかつて憎んだ多加江を看病することになる。
「終章」
皐月二十八日、お葉は堂庵と産婆のお繁、そして堂庵の元弟子の源信と一緒に両国の花火を見に行く。露店を見ていると、夜の見廻りをしている謙之助と出会う。
どうも源信は謙之助にライバル心を抱いているようだが、お葉は花火に心を奪われていた。
おばの裏切りにより、人を信用できなくなったお葉が、堂庵たちと出会い、また人を信じられるようになります。
そして、堂庵のような患者に寄り添う医者となるという夢を持ち、真摯に患者たちと接していくうちに、人として成長していきます。
虐められた過去を克服できたのはよかったです。
多加江はなんとも怖い人ですねぇ。虐めの場面を読んでいると、心臓が痛くなりました。それにしてもそう簡単に人は変れるものでしょうか。
源信と謙之助のどちらにお葉の心は動くのでしょうね。
武士の謙之助と結ばれるためには、一旦武士の家に養子に行かなければなりませんし、医者を続けることは難しいですよね。
源信となら、源信が許せば、二人で診療所をやっていけます。
でも、堂庵とお繁と一緒に診療所を続けるというのが、一番面倒がなくていいかもしれませんね。
一冊で四月分みたいなので、次の三作目で終わりなのかな。
次回はお葉を巡る恋模様でしょうか。
二作目が早く出たので、三作目もすぐに出そうです。
楽しみにしています。
<今週の美味しいもの>
ゴントラン・シェリエのクロワッサンやバゲットなど。
新宿のお店は狭く、品数はそれほど多くなかったです。
クロワッサンは5分ぐらいトースターで温めるといいと書いてあったので温めてみると、外側の皮がサクサクして美味しかったです。
西村健 『バスに集う人々』 ― 2024/06/07
出版されていた(2023年1月)ことに気づきませんでした。
今回は章ごとに話し手が変わります。
「第一章 芝浜不動産」
元不動産屋の吉住は息子の雄也とバスに乗り、落語の『芝浜』の舞台を訪れるついでに、ある土地を見に行く。
というのも、十日ばかり前、雄也は居酒屋で出会った男と意気投合して呑みすぎて寝てうしまい、帰ろうと鞄を持ち上げると、中に大型の封筒が突っ込まれており、その中に土地の権利証が入っていたのだ。その後、その男からの接触はなく、権利証の場所に行ったが、何もわからず、困った吉住は炭野(実は奥さん)に相談する。
「第二章 津軽を翔ぶ男」
彼女が口をきいてくれなくなり、落ち込んでいた球人は、友人の行弘に誘われ、もう一人の友人、翔太と三人で二泊三日の東北地方への旅に出かける。
旅の途中、行弘はある男のことが気にかかる。同じ公共交通機関を使っていないにもかかわらず、行弘たちの行き先に同じ男が三回も現れたのだ。どうやって彼は移動したのか?不思議に思った球人たちは炭野に電話をする。
「第三章 回り回って……」
マンションの二階と三階に住む長部と垣園は路線バスの旅をする仲だ。
花好きで大田市場に行きたいという長部の希望を叶えた、路線バスの旅のコーディネイター、須賀田のおかげでデートするようになった。
大田市場の近くに野鳥公園があるのに気づいた長部の希望で「東京湾野鳥公園」にも行くようになり、そこで佐原というバード・ウォッチングが趣味の男と知り合った。
ある日、神代植物公園の帰りに、二人は須賀田に偶然出会う。ちょうどいいところに会ったと、二人は須賀田に、佐原の飼犬が最近、ある場所に来るとグルグル時計回りに回るようになったということを話す。須賀田は炭野に訊いてみると約束する。
「第四章 聖と俗」
元警視庁刑事部捜査第一課刑事の郡司が、『鬼平』の墓に所縁の場所を巡るというバス旅をしていると、後輩の元警視庁生活安全部サイバー犯罪対策課の枝波土に出会う。一緒に回った後、四ッ谷で一杯飲んでいると、枝波土は『ヒタチ荘記念館』の顧客データが流出した事件のことを話す。どうやってデータを盗み出したのか、わからないというのだ。
炭野家の奥さんの手料理を堪能する会に出席した郡司は、奥さんにこの話をすると…。
「第五章 幻惑の女」
元警察官の炭野と郡司、元不動産屋の吉住、路線バスの旅のコーディネイターの須賀田、そして未亡人の小寺は旧千住宿の雰囲気を楽しむために集まった。
旅をしながら小寺は建設会社に勤めていた夫と出会うきっかけになった「大橋プロジェクト」にまつわる苦い出来事を思い出していた。
次の日、小寺はその疑問を解くために、思い切ってかつての夫の後輩に電話をする。
「第六章 お化けの正体」
乙川は川歩きが趣味の藤倉と、暗渠を巡りに出かける。公園で休んでいると、子どもたちが「ドロケイ」をしていた。「牢屋」のことを彼らは「お化けジム」と称している。子どもに訊いてみると、ある日、朝になったらジャングルジムの向きが変わっていたそうだ。誰が何のためにジムを動かしたのか。
歩いているうちに、両面から入る二世帯住宅のことで、二人は違う疑問を持つ。
飲み会にやって来た須賀田といっしょに、三人は二つの謎を解いてみる。
「第七章 追い掛けて、博多」
妻の故郷の福岡に移り住んだ飛先のところに砺波からメールが来る。須賀田のツアー仲間で、築地市場に勤めていた芦沢が福岡に遊びに行くので、市場を案内し、元寇に興味があるようなので、元寇、所縁の場所を案内してほしいとのことだ。
飛先が妻といっしょに案内する場所を歩いていると、行った先々で同じ男を見かける。尾行けられているのか?
気になった飛先は警視庁時代の友人、炭野に電話をする。
「第八章 ”バス・フィッシャー”を探して」
炭野の家で食事会が開かれる。出席者はいつものように郡司と吉住、須賀田、小寺で、郡司の後輩の枝波土が初めて参加する。その席で”バス・フィッシャー”にまつわる話が出る。
その数日後、枝波土は炭野と郡司を”バス・フィッシャー”が出没したフリーWi-Fiスポットに案内する。するとその夜、炭野から電話が来る。”バス・フィッシャー”の件だというが…。
一作目と二作目に出てきた人たちが総動員されています。
第六章以外は最後に安楽椅子探偵の炭野の奥さん、まふるさんの推理で終わります。ホント、彼女はすごいですわ。
第二章で東京都内のバス旅の話から、行きなり青森なんかに行ってしまい、驚きました。ネタが尽きてしまったのでしょうか。
第七章で博多のバスのことが出てきましたが、東京都のバスの特殊さがよくわかりました。
第八章の”バス・フィッシャー”の話は、他のちょっとした日常の謎のものとは違い、犯罪に関することで、重苦しい最後になりました。
なんか最後だけ毛色が違い、そうする必然性があったのか疑問です。
この本は、東京都に住んでいて、あるいは住んでいたことがあり、地理がある程度わかっている人(あるいは落語好きとか『鬼平犯科帳』好き、元寇好き)にとっては面白いでしょう。
しかし、東京都の地理がわからない方にはお勧めしません。
でも、今までとは違った東京の旅をしてみたいと思うなら、参考に読んでみてもいいかもですよ。
70歳以上の、日常生活にちょっとしたイベントが欲しい方、バス旅、やってみませんか。
内藤了 『COLD 警視庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』&『メデューサの首 微生物研究室特任教授・坂口信』 ― 2024/06/08
シリーズの四作目。民俗学的要素の入ったミステリで、今回は「雪女」伝説。
警視庁特捜地域潜入班の通信官である万羽福子は東京大学で行われた『死亡診断に係る講習会』に参加する。
旭川総合医療大学の法医学者の講義『偶発性低体温症による死亡の診断』で、福子は写真に写っている、昨年、凍死した六十代ぐらいの男性の遺体の耳の後ろに三つ赤い痣があるのに気づく。凍傷の痕かと質問すると、法医学者は死因とは関係ない生前にできた痣、例えばキスマークのようなものだと答える。
福子は別の勉強会でよく似た痣を見たことを思い出していた。
東大の研修会の後、福子は『遭難死』というテーマを扱う勉強会でもらった資料を探し出し、三年前、スキー場で死亡した四十代くらいの男性の遺体にあった三つの痣と東大の遺体の痣が酷似しているか確認する。
そこに潜入班の班長、土井火斗志がやって来る。
何が気になるのか訊かれ、富山出身の福子にとってキスと言ったら雪女で、痣が指の痕に見えないかと土井に尋ねる。
すると土井は痣の理由を調べてみようと言い出す。
次の日、潜入班のメンバーは本庁の資料検索室に呼び出され、福子から二つの遺体の写真を見せられる。双方の遺体には同じ部位に同様のマークがあり、痣を重ねると、ピッタリ合ったのだ。
潜入班は全国の警察署データを当たり、首に痣がある凍死体を探すことになる。
記録を調べているうちに、連絡係の丸山勇の様子がおかしくなる。
彼は一身上の都合で有給を取る。
一体彼に何があったのか?
やがて、三つの痣を持つ第三の凍死体が見つかる。
二年前の冬、四十八歳の女性が公園で凍死していたのだ。
北海道、福島、岩手と、三人全員が東北以北で死んでいて、雪女みたいな女が目撃されていた。
潜入班は現地に飛び、捜査を始める。
やっとまとまってきた潜入班も途中で勇が抜けてしまい、これまでかと思ったら、最後は家族のようにまとまりましたね。
四人が四人ともに、訳アリっぽいです。福子さんにも隠された過去があるのかな?
そうそう、福子さんが50歳ぐらいなんて、意外とお年だったんですね。
次回も同様に福子さんが活躍してくれるとよさそうです。
シリーズの順番を載せておきます。
④『COLD 警察庁特捜地域潜入班・鳴瀬清花』
帝国防衛医大の特任教授・坂口信は、八十三歳で亡くなった恩師の如月の妻から呼び出され、自宅にお邪魔する。
奥さんは遺品を整理していて、鍵のかかった研究データを見つけたので、役に立つかどうか調べて活用してもらいたいというのだ。
坂口が仕事の合間に恩師のデータを確認していると、ホルダーの裏側に隠すようにしてあるCDを見つける。
それは映像データで、如月が保管庫の奥にサンプルをしまう映像が写っていた。
助教の二階堂と保管庫責任者の黒岩准教授と三人で保管庫の棚列を探っていくと、如月のサンプルは映像のとおりに凍結保存されていた。
数日後、黒岩が興奮して現れ、如月のウイルスを感染させた実験用マウスが全滅したと言ってくる。
しかし、坂口が見に行くと、死んだはずのマウスが生き返り、共食いを始める。
ウイルスはインフルエンザの感染力と狂犬病の致死率を持つ、ゾンビ・ウイルスと呼ぶべきモノだった。
ワクチンはなく、感染すれば凶暴化した後に自らをも喰らって死ぬのだ。
坂口は処分することにする。
しかし、妻が倒れたという連絡があり、坂口は処分を二階堂と黒岩に頼む。
妻が亡くなり、やっと日常を取り戻しつつある時に、坂口の家に二階堂が来て、黒岩が急に亡くなったと告げる。
葬儀の後、坂口は神社の森の中で女に話しかけられる。
女は警視庁刑事部捜査支援分析センターの海谷と名乗り、黒岩のことを調べているという。
坂口は知らなかったのだが、黒岩は真夜中に散歩に行き、発見されたのが午前三時過ぎで、顔や手は指を噛みちぎろうとしたみたいに血だらけだったそうだ。
黒岩の葬式の翌日、坂口は二階堂からとんでもないことを知らされる。
廃棄したはずの、あのウイルスのクライオチューブが一本足りないというのだ。
保管庫をくまなく調べても見つからない。
黒岩はチューブを持ち出したのか?
そんな時に電波ジャックが起り、ビルの巨大モニターに大学で撮ったウイルスに感染したマウスのビデオが写る。
首相官邸にゲーム開始を宣言するメールが送られてくる。
解答者は内閣総理大臣。
解答を間違うと起爆するというが、送られてきた問題は正解のないものだった。
犯人の目的は何なのか?
ゾンビ・ウイルスは犯人の手に渡っているのか?
坂口は警察を当てにせず、ウイルスを探しに駆けまわるが…。
主人公がなんと六十五歳の大学教授。
妻が亡くなってからの生活がわびしいです
米とぎに洗剤を入れるなんて、ありそう。
某有名校の生徒が家庭科の料理実習で実際に洗剤を入れて研いでいたと聞いたことがありますものww。
私は黒岩よりも二階堂が怪しいと思っていましたが、全く予想が外れました。
いつウイルスがばらまかれるのか、ドキドキしながら読み進みましたが、最後はな~んだで終わってしまいました。
出てくる人たちのキャラがよくて、それがうまく活用できていないのが残念です。
はねっ返りでハブられているらしい警視庁刑事部捜査支援分析センターの海谷やら大学の守衛のジジイたち、俗名「ケルベロス」、そして、元生徒でライドシェアをしているというチャラなど、いいキャラしてます。
シリーズになるなら、この人たちを上手く使って欲しいですね。
内藤さんは他にもシリーズを書いているので、読んでみようかと思っていますが、何しろ本が溜まっているので、読めないかも。
ちょっと変わったミステリがお望みなら、読んでみて下さい。
<今日のおやつ>
夏みかんの大福を買ってきました。
酸っぱいかと思いながら食べてみると、甘かったです。
小路幸也 『キャント・バイ・ミー・ラブ 東京バンドワゴン』 ― 2024/06/09
まだ梅雨には入らない東京地方ですが、紫陽花は咲いています。
同じ木なのに、色の違いがあるのは何故でしょう?
立派なガクアジサイです。
これは何の実?調べてみると、ヒイラギナンテンの実だそうです。
実にはやや毒性があるということなので、食べないようにしましょう。
休日に二匹でお散歩すると、しばらく歩いてから兄はママのスリングの中に入ります。スリングが気にいったようで、嫌がらず入ります。
スリングに入れたまま紫陽花と写真を撮ろうとすると、いつものようにそっぽを向きます。おやつが必要なのね。
「東京バンドワゴン」シリーズの19冊目。作家さんが亡くなるまで(失礼)続きそうです。
今回はいつものパターンです。
「秋 とっちらかってアイドル」
<東京バンドワゴン>の隣の土地に建つ<クリエイターズ・ビレッジ>建設計画は順調に進んでいる。名前は<ステージバス>ということになり、再来年の春に出発する。
研人が人気アイドルグループ<Color No.7>の新曲を手がけることになる。
作曲は<TOKYO BANDWAGON>の三人が共同で行い、作詞が<Color No.7>のメンバーの一人、ハルカ。バンドを組むというが、わざわざ楽器初心者のメンバー三人が東京バンドワゴンに来るという。何か意図があるのか?
「冬 愛とは航海をする旅」
医大四年生の花陽の彼、麟太郎に浮気疑惑が起る。
このことをきっかけに花陽は将来のことを再考する。
「春 未来をあなたへ花束にして」
花陽が、Hホテルに勤めていた春野さんが辞めたということを聞いてくる。ホテルのパティシエ、さゆりさんから辞めた経緯を聞き、堀田家が動く。
「夏 キャント・バイ・ミー・ラブ」
買い取り依頼に行ってみると、そこに遺されていたテープに録音されていた会話から我南人の隠し子疑惑が起る。
しかし、ひょんなことから元区立図書館の館長、浜崎が依頼人の大伯父だったことがわかり…。
八月十五日、堀田家に新たな家族が加わる。
表紙を見ると、わかっちゃいますねぇ。
ここでは明らかにしないでおきましょう。
今年、かんなちゃんと鈴花ちゃんは小学校四年生、芽莉依は東大二年生、花陽は医大四年生、我南人は70歳、なんと勘一は89歳。
小路さんは63歳ということなので、後20年は続きそうです。
ということは勘一は100歳超えですね。
いつまで勘一が生きるのか、楽しみになってきましたww。
ずっと変わらない世界観でいって欲しいです。
それにしても話が段々大きくなって来ていますね。
<ステージバス>はどうなる?
では、順番を書いておきましょう。
①『東京バンドワゴン』
②『シー・ラブズ・ユー』
③『スタンド・バイ・ミー』
④『マイ・ブルー・ヘブン』
⑤『オール・マイ・ラビング』
⑦『レディ・マドンナ』
⑧『フロム・ミー・トゥ・ユー』
⑨『オール・ユー・ニード・イズ・ラブ』
⑩『ヒア・カムズ・ザ・サン』
⑫『ラブ・ミー・テンダー』
⑬『ヘイ・ジュード』
⑭『アンド・アイ・ラブ・ハー』
⑮『イエロー・サブマリン』
⑰『ハロー・グッドバイ』
⑱『ペニー・レイン』
⑲『キャント・バイ・ミー・ラブ』
四冊、読んだはずですが、ブログ内で探せませんでした。
「ハロルド・フライのまさかの旅立ち」@UPLINK吉祥寺 ― 2024/06/11
原作はレイチェル・ジョイスの作品で、2012年にナショナル・ブック・アワード(全米図書賞)新人賞を取り、日本では2014年に本屋大賞「翻訳小説部門」で第二位だった小説です。
ハロルド・フライはビール工場を退職し、妻のモーリーンと悠々自適の生活をしている。
そんなある日、元同僚のクイーニーからの手紙が届く。
クイーニーは末期癌でホスピスにいるという。
一応返事を書くが、ポストにどうしても投函できない。
ハロルドにはクイーニーに大きな恩があるのだ。
牛乳を買いに入った売店の若い女性店員にホスピスにいるクイーニーのことを話すと、彼女は伯母のことを話してくれる。
「信じる気持ちがあれば…」
ハロルドは決心する。
このまま歩いて、800㎞先のクイーニーが入院しているホスピスまで行こうと。
ホスピスに電話をかけ、「歩いて行くから、それまで生きていてくれ」とクイーニーに伝言を頼む。
急に思い立ったから、もちろん歩く用意はない。
普段履いている靴と服装で、歩くのは舗装道路。
足にはマメができ、治療もしないので、化膿していく。
道中に様々な人たちと出会う。
恋人にスニーカーを買ってやったらいいか相談を持ちかける紳士や故国では女医だったのに、イギリスでは掃除の仕事しかない、それでも捨てられた恋人を待っている女性、何があったかわからないが、薬と酒に溺れ、ハロルドと行動をいっしょにする青年…。
snsにハロルドのことが載り、彼は一躍時の人になる。
そうすると、ワサワサと人が集まってきて、いつの間にか大勢のお供を引き連れ歩く「巡礼」になってしまう。
一方、妻のモーリーンは自分に相談もせずに旅立った夫に対する怒りと苛立ちを隠そうともしない。
帰って来るように言っても聞かないので、医者にハロルドは認知症だとまでいうが、相手にされない。
実は彼女にはハロルドに隠していたことがあったのだ。
ハロルドは歩きながら、今まで向きあおうとはしなかった過去の過ちや後悔と向きあう。
息子とクイーニーにしてしまった取り返しのつかないこと。
そして、その後の25年間、いっしょに暮らしてきた妻とのこと。
途中でハロルドは歩くことを止めようとするが…。
最初はクイーニーとハロルドは男女の仲で、奥さんは焼いているのね、なんて思っていたら、だんだんとハロルドが歩こうと思った理由がわかってきます。
旅の最後にモーリーンが言った言葉は、ハロルドには嬉しい言葉だったでしょうね。
25年間、ずっとモーリーンが抱えていた思いが言えてよかったと思います。
遅くはなかった。間に合いました。
ロードムービーが好きなので観てみました。
イギリスのなんということのない片田舎の風景がいいですね。
一ヶ月ぐらいイギリスのどこかの家を借りて、住んでみたいですわ。
この映画にもわんこが出てきます。
ボーダーテリアでしょうか、日本ではみたことのない犬種ですね。
途中からハロルドと旅をするのですが、何故か目的地が近付いたというのに、俺の役割は終わったというように女の子に着いて行ってしまいます。
女の子に何か気になるところがあったのでしょうかね。
急に歩き出すところは不自然と言えば言えますが、ハロルドには必要なことだったのでしょうね。
最後に奥さんとお幸せにと言える映画でしたww。
ハロルドがクイーニーにお土産で持って行ったのは、クリスタルのサンキャッチャーで、幸せを呼ぶと言われています。
私も持っているのですが、日が入らないので、箪笥の肥やしになってますww。
<映画の後のランチ>
世界の朝ごはん、World Breakfast Allday に行ってきました。
今月からスウェーデンの朝ごはん(1980円)が食べられます。
海老のオープンサンド「レックマッカ」とゆで卵とたらこのベーストを添えた「クネッケブロード」というライ麦を使ったクラッカー、牛乳とリンゴンベリージャムといっしょに食べるオーツ麦のお粥「グロート」、ジャガイモなどの野菜を炒めた「ビッティバンナ」、そしてプラスしたのが、ミートボール2個。
これにスウェーデン・コーヒーを頼みました。
あっさりした味つけでした。もしかしたらスウェーデンの人は塩とかコショウをかけて食べるのでしょうかね。
オーツ麦のお粥が美味しかったです。
おもしろいコンセプトのお店ですが、ちょっとお値段が…。
ドリンクがついての値段だったら文句はないのですけどねww。
平日の昼なら予約しなくても大丈夫そうです。
次はエジプトの朝ごはんだそうです。
Happy Birthday! ― 2024/06/12
今日は兄犬の12歳の誕生日です。
保険会社の画像を使い、バースデー・カードを作ってみました。
ママは忙しかったので、昨年に引き続きケーキが作れませんでした。
明日も用事があるので、作れないかも。
サツマイモは買ってあるので、後はフルーツと生クリーム用のヨーグルトがあればいいのですが。
トリミングで2~3年前に撮ってくれた昔の写真です。
幼く見えますが、立派な中年です。
今日の兄です。トリミングが来週末なので、ボサボサです。
足の膝が緩い以外はどこも悪くない、健康体です。
長生きして欲しいです。
♡12歳のお誕生日、おめでどう♡
<今日のおやつ>
兄にはケーキをやらないのに、ママは自分用のおやつを買って来ました。
BELTZのバスクチーズケーキです。
小さい方を買ってきましたが、これが750円。
ケーキもこれぐらいの値段が当たり前になりましたね。
美味しいのですが、コロナ禍の頃、わたしが作ったバスクケーキとそんなに味が変わらないような気がします(自画自賛www)。
ケーキを作る♡ ― 2024/06/13
今日、余力があったので、兄のために一日遅れのケーキを作りました。
一応、証拠写真を載せておきますww。
よく見ないで下さい。
昨年8月にはカボチャで作りましたが、今年はサツマイモがあるので、サツマイモです。
レンジでチンしてから潰して形作り、ヨーグルトの水出しをする暇がないので、無糖のギリシャヨーグルトを塗り、フルーツ(メロン、バナナ、イチゴ)を小さく切って盛り付けました。
ヨーグルトを塗るのが難しくて、汚く見えますねぇ(;゚ロ゚)。
パティシエになれないママですww。
これを半分にして、兄と弟に食べさせました。
マテをする兄。ガン見してますwww。
写真を撮ってから半分にしました。(量が多かったかしら?)
弟には、ドッグフードを少しいれてやりました。
そうすると、ケーキだけを食べて、ドッグフードは残しています。
お腹がいっぱいになったのかな?
ちゃんと食べてくれると、ママは嬉しくて、また作ってやろうかと思いますが、今回作ったので、弟の誕生日にはケーキはないかも、笑。
伊吹有喜 『娘が巣立つ朝』 ― 2024/06/14
五十四歳の自動車メーカーの関連会社に勤める高梨健一と着付け教室の講師をしている智子には二十六歳になる娘、真奈がいる。
四年前から一人暮らしをしている真奈は、歯磨きなどのマウスケア用品や洗剤などを作っている会社の総務課で働いている。
その真奈が大学時代の同級生の渡部優吾にプロポーズをされたという。
優吾は旧財閥系の工作機械関連の会社の名古屋支社に勤めている。
一月に優吾が家にやって来た。
彼は潔癖症ぎみだが、悪くはないやつだと思う健一と智子。
優吾は六月の人事異動で東京の本社に戻る予定なので、六月に結婚したいらしい。
ついでに真奈はマンションが来月更新で、これからお金がかかるので、家に戻りたいという。
娘とまた暮らせると思うと嬉しくなる健一だったが…。
優吾の両親がとんでもなく個性的で現代風の人たちだった。
母親は料理研究家でカリスマブロガー、マルコ。「オトコノコの福」という本でかつて有名になり、その本の中の男の子が優吾だった。
父親はカンカンという名でブログやSNSをやっている。肩書きは『ハッピィ・リタイヤメント・ファシリテーター』。
結婚式をどうするか、はじめから話があわない。
結婚する二人は普通の式がいいというが、式の費用はマルコとカンカン、マルコの両親、そしてカンカンの父親が援助するので、結婚資金をいちばん多く出す人の意見が最優先だと言う。
価値観や金銭感覚、生活のスタイルが違いすぎる。
真奈は優吾と結婚してうまくやっていけるのか。
娘の結婚話がきっかけとなり、健一と智子の間に不穏な空気が漂うようになる。
健一は会社で役職定年が近づき、会社の居心地が悪くなっていることに苛立っていた。
週末に三島の介護施設にいる母親に会いに行くうちに、音楽ボランティアをしている大田真理子と知り合い、昔、弾いていたギターをまた弾き始め、それが息抜きになった。
一方、智子は家で不機嫌な健一に辟易していた。
娘には優しい物言いなのに、わたしには顔に雑巾を投げつけるような話し方をする。
施設のSNSに載っている写真を見ると、わたしには見せたことのない笑顔を真理子に見せている。
仲のいい夫婦だと思っていたのに…。
最終的に智子は健一に「離婚 別居 卒婚」のどれか、決めるように迫る。
はたして智子と健一はどういう道を選ぶのか…。
まだ結婚をしていない方は、結婚しようとすると、いろいろ大変なことがあるかもしれないのね、という軽い感じで読んで下さい。ひとによって違いますからね。
もし親からの援助が欲しければ、口を出されても仕方ないと思って援助を求めようね。
本の中に出てきた次の言葉を贈ります。
「慈眼施 和顔施 愛語施」
「慈しみある眼、穏やかな顔、愛ある言葉。学問や大きな収入で貢献できなくても、ただそれだけで人は宝に等しいものをまわりに差し上げている」
結婚している40~50代以上の方は身に染みるかも。
お互いに空気のような存在になってしまい、不機嫌さを丸出しにしていませんか?
「不機嫌は暴力」だそうです。気をつけましょう。
「言ったところで何も変わらないって思ったとき、人は言葉の代わりにため息が出るんだね」
特に男性は女性がため息をつく時に気をつけて下さいませ。
怖いですよぉ、笑。
題名に引かれて、ほんわかした幸せな家族のお話を読もうと思ったら、とんでもないお話だったという感じです。
わたしは将来、高梨家の親も子も幸せにはなれないような気がしますがね。
<今週の美味しいもの>
久しぶりにスコーンを頼みました。
ASAKO IWAYANAGI PLUSのスコーンナチョレとクランベリーダージリンスコーン、すもものコンフィチュール。
飲み物はデンマーク王国王室御用達、A.C.パークスのルイボスバニラスクエアと
DEAN&DELUCAブレンドの紅茶。
ルイボスバニラが美味しくて、この頃のお気にいりです。
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