「シッコ」を観る2007/08/30

マイケル・ムーアの映画はいつか観てみたいと思いつつ、機会がなく観ていませんでしたが、やっと新作「シッコ」を観てきました。
彼の持ち味は、アポなしインタビューだそうですが、今回はなし。
あ、アポなし突撃!海軍米基地がありました。
あの体型が印象的ですが、映画にこれでもかってぐらいに映っています。(ちょっと目障り・・・、ダイエット映画でも出来そう)

治療費や入院費がとんでもなく高いから、アメリカ旅行するときに保険に入っていった方がいいと、よく言われています。
ところが、アメリカでは保険に入っていたって、安心できないのですよ。
なんと保険会社は自らの儲けのために、治療に必要な検査も必要ないと拒否、移植をすれば助かる可能性があったのに、それは実験的だからといって拒否、なんでも拒否、拒否・・・。
びっくりしたのは、中指と薬指を機械で切断した人に向かって、中指をつけると6万ドル、薬指だと1万2千ドル、どうしますかと聞くそうです。
保険会社の調査員は保険料を払わなくていいようにと、加入者の”隠していた”病歴を探し回ります。
ヒラリー・クリントンが国民皆保険制度を提唱したときは、保険会社があらゆる手を使い邪魔をしたそうです。
これでもかってほどに、ひどい扱いが次々と出てきます。

映画の中で一番印象に残ったのが、イギリスの政治家、トニー・ベンが言った言葉です。
正確ではないのですが、「健康」・「教育」・「自信」があれば国民は強い。
しかし「恐怖」に支配されると、扱い安くなる。
このようなことを言ったのです。
アメリカ国民が、「銃規制」や「国民皆保険制度」などに反対するのは、政府によって作られた「恐怖」に支配されているからなのでは?

映画を観終わった後に、日本に住んでて良かったとつくづくと思ったのですが、流産しそうで救急車に乗った女性が、10以上もの病院から拒否され、結局赤ちゃんは駄目だったというニュースを聞き、考えてしまいました。
こんなんで、いいんだろうか、日本の医療。

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_ 富久亭日乗 - 2007/09/03 20時17分49秒

        ★★★★☆         「華氏911」(2004年、米)の監督マイケル・ムーアが、 アメリカの医療保険制度に切り込んだドキュメンタリー。  原題「sicko」は病気、病人を意味するスラングだ。  日本でも、消えた5000万人分の年金記録など、 社会保険制度の不備が明らかになっているが、 医療保険制度は(今のところ)しっかりしている。  これに対し、アメリカでは、 無保険の人が5000万人もいるほか、 民間の保険(アメリカには一部を除き公的保険がない!) に加入していても、保険会社があの手この手で 医療を受けさせない実例が これでもか、というほど出てくる。  夫と妻の2人とも病気になり、自己破産して家を失った老夫婦、 病院をたらいまわしにされた揚句亡くなった幼児、 指の縫合手術を受けられなかった男、 薬代を得るために老骨に鞭を打って働く男、 医療申請を却下するほど昇進する医師、 治療費を払えない患者を貧民街に捨てる病院・・・  圧巻は「9・11」事件の際、 ボランティアで救出作業をしたため病に冒された市民らだ。  ムーアは、医療が受けられない彼らを テロリストたちが収監されている グアンタモナ海軍基地に船で連れ行く。 基地内の刑務所で、囚人は無料の 手厚い看護が受けられるという矛盾。  ムーアの突撃取材にも、 プライベートをさらけ出して取材に応じた患者にも、 膨大な素材を見事につないだ編集陣にも、 惜しみない拍手を送りたい。 素晴らしいドキュメンタリーだ。  ただ、アメリカの暗部を際立たせたいためか、 カナダ、イギリス、フランス、キューバなどを、 あたかもこの世の楽園であるかのように描いたのは やりすぎだろう。それらの国にも(例えば 高い税金など)問題点はあるはずだ。  また、アメリカに公的保険が根付かなかった 理由として、「公的保険が共産主義につがる こ