三冊の江國香織の本2008/09/04

なんとなく8月から江國さんの本を読んでいます。
読んだ順番に紹介しますと、まず2007年に島清恋愛文学賞を取った『がらくた』。
島清(しませ)恋愛文学賞なんて知りませんでした。
この賞は石川県白山市が主催している恋愛小説を対象とした文学賞だそうです。
2006年度は石田衣良が『眠れぬ真珠』で受賞。
高樹のぶ子や坂東眞砂子、小池真理子なども受賞しているようです。
選考委員は現在高樹のぶ子と渡辺淳一、小池真理子の三人です。

『がらくた』はあるリゾート地で一組の母と娘が別の一組の父と娘に出会うところから始まります。
恋愛経験の豊富な45歳の女と15歳の少女との関係と女の夫と知り合うことにより、まだ初恋を知らない少女が大人になっていく過程を描いた、ちょっと不思議な物語です。
『がらくた』とは意味深な題名ですが、あまり好きではありません。

二番目に読んだのは、辻仁成との今で言うコラボで書かれ、映画にもなった『冷静と情熱のあいだ Rosso』です。
まだ辻さんの書いた、男の立場からの本は読んでいませんが、ひとつの恋愛を女の視点と男の視点の両方で書かれたということが新しかったのでしょうね。
イタリアを舞台にした恋愛小説です。
主人公はあおいというイタリアに育った女性。
あおいは順正(映画では竹野内豊だそうです。見てみたいわ)と別れ、日本からイタリアに戻り、新しい生活を営んでいます。
しかし新しい恋人と暮らしていても、順正のことを忘れられません。
二人の間にやり残したことがあるのです。
その心模様を淡々と描いた作品です。
何気ない日常生活の描き方が江國さんらしく、好きです。
読みながら、この前DVDで見た映画「恋人までの距離」とその続編「ビフォア・サンセット」を思い出しました。似てるぅ~。

最後の本が今日読み終わった『こうばしい日々』です。
この本は坪田譲治文学賞を取っています。
アメリカに暮らす11歳の男の子の日常を描いた「こうばしい日々」と思春期の女の子の初恋を描いた「綿菓子」の二編が入っています。
坪田譲治文学賞を取っているので、ジャンルとしては児童文学に入るのでしょうが、三冊の中ではこの本が一番気に入りました。

江國さんの本は読み始めは軽い本だと思っても、読んでいるうちに何故かはまりますね。
家にいるのが無性に好きな、紅茶を飲み(絶対に珈琲ではありません)、怠惰に暮らしている女主人公が結構私と合っているのかもしれません。
あ、私そのものかも。といっても主人公みたいにいい女ではありませんが、怠惰なところがね、笑。

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