窪 美澄 『ふがいない僕は空を見た』2014/04/10



読み始めはポルノ小説かと思いました。
でも、我慢して読み続けていくと違う印象を持ちました。
どうしようもない人間の性(さが)を描いた作品なんですね。

コスプレ大好き主婦、あんずに声をかけられ、望まれるままにコスプレをし、その服装でセックスまでするようになった高校生の斉藤くんは主婦とのセックスにのめり込んでいきます。

しかし、そういう生活にも終わりがきます。
あんずが代理母の手続きをしにアメリカへ行くというのです。
ショックを受ける斉藤くんでしたが、あんずと別れた後、ネットに彼のコスプレ写真と人妻との動画が流れているという噂が出回ります。
その上、学校で写真がばらまかれ・・・。

斉藤くんと助産院を営んでいる母親、不倫相手のあんずと彼女の家族、友達で認知症の祖母と暮らす福田、斉藤くんが好きな松永、それぞれの人たちにはそれぞれの事情があります。
性と生。
生きて行くとはどういうことなのか・・・。

この本の一章「ミクマリ」って「R-18文学賞」を取っているんですね。
「R-18文学賞」の存在を今まで知りませんでしたが、新潮社の公募新人賞で、女性が書く、性をテーマにした小説に与えられるそうです。
この賞を受賞した作品はどれも読んでません。
おもしろいんでしょうか?