みお 『極彩色の食卓 カルテットキッチン』2020/05/29



ちょっとボケていますが、弟犬がボールをくわえて走る写真です。
兄犬はポンポン弾むように走りますが、弟はもともとネズミを狩る犬なので、地面を流れるように走ります。
音に敏感で、暑くなり窓を開けていると色々な音が聞こえるので、吠えて五月蠅いことがあります。
特に二階の子供たちが走り回り、大声を出すのが気になるようです。(暗に迷惑と言ってますが)


カメラを向けるとポーズを取ってくれます。可愛く見えますが、困ったちゃんです。
獣医さんの薬のおかげで大腸炎も治ったようです。



『極彩色の食卓』の二作目。
親の期待の強さに潰され、自分の描く絵に絶望し、女から女へと渡り歩く生活を送っていた大島燕は、画家の律子に救われました。
彼女のアトリエに住み始めてから三年。
ふとした律子の言葉に触発され、音楽喫茶「カルテットキッチン」でアルバイトを始めます。

「カルテットキッチン」のバイト仲間は音楽高校に入学したばかりの桜。
彼女はピアニストを目指していましたが、ここ二週間ほど人前でピアノが弾けなくなっていました。
そんな桜に気づいた燕は律子に会う前の自分と桜の姿を重ね、そっと彼女を見守っていきます。
しかし、バイトも桜との出会いも偶然ではなかったのです。

前作では読むたびに色彩が溢れてくるような感じでしたが、今回は音です。
それにしても律子さんは不思議な魅力の人です。
彼女の過去を探ると色々とありそうです。

「私ね、空腹が一番嫌いなの。だってお腹が空くと寂しくて悲しいわ。
 だから、お腹が空いたらすぐご飯を食べることにしているの」

と言う律子さんの言葉は今一番必要なことを言い当てているように思います。
考えてもどうしようもないことは食べてから考えようってね。
希望はお腹がいっぱいの時に現れるものですものね。

「少年」から「青年」になった燕は次にいよいよ旅立つのでしょうか。