マイクル・コナリー 『警告』2022/03/08

『ザ・ポエット』、『スケアクロウ』に続く、ジャック・マカヴォイ・シリーズの三作目。
マカヴォイは58歳になっています。


ジャック・マカヴォイはLAタイムズを辞め、消費者保護を目的としたニュースサイト「フェアウォーニング」の記者になっていた。

ある日、ロス市警本部強盗殺人課の刑事の訪問を受ける。
最近起こった殺人事件の被害者が、マカヴォイが一年前に一夜だけ関係を持った女性、クリスティナ・ポルトレロで、彼女はデジタル・ストーキングされていたらしく、環椎後頭関節脱臼で亡くなったと言う。
殺害場所に犯人のDNAが残されていたというので、マカヴォイはみずからのDNA採取に応じる。

この事件に興味を持ったマカヴォイは、独自に調べ始める。
オンラインでクリスティナ・ポルトレロのことを検索し、SNSを調査し、世界中の検屍官がアクセスできるコーズオブデス・ドット・ネットに「環椎後頭関節脱臼(AOD)」に関する情報提供を要請した。
すると、同じような死因の事件が複数あることがわかった。
そしてどの被害者も自分のDNAをGT23社に送り、血縁者を探していたのだった。

マカヴォイは同僚のエミリー・アトウォーターと元FBI捜査官で、身元調査事務所を経営しているレイチェル・ウォリングの協力を得、事件を調べていくことに…。


コナリーは小説を書く時に相当調べているようで、いつも感心しています。
今回の本だけでも気になった言葉が、デジタル・ストーキング、ダークウェブ、依存症遺伝子、ミソジニスト、インセル、ポッドキャスト…等沢山あります。
なかなか着いていくには大変な世の中になっています。

とにかくSNSとかやる時は注意しなければなりません。
ようするに自分の個人情報がダダ漏れしているということですから。
遺伝子検査もどういう病気になる確立があるのかがわかるというので、やってみようかと思っていましたが、「遺伝子検査は、政府の目がほとんど届いていない、自己規制の業界だった」なんて書いてあるので、止めますわ。
遺伝子データでどこまでわかるのか、ホントのところはどうなんでしょうね。
この本に出ているように、性依存症などが本当にわかるのでしょうか。
日本ではそれほどではないですが、アメリカのように20ドルぐらいの安い値段で遺伝子検査が出来るとしたら、やる人も増えるかもしれませんね。
その時にどうなるのか、考えると怖くなります。
ひょっとしてこの小説のようなことはもはや行われているのかもしれませんね。

はっきり言って、マカヴォイのことはすっかり忘れていました。
前作は読んでいるような、いないような…(恥)。
それでもこの本は面白かったので、前作を読んでいない方でも楽しめると思います。

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