リース・ボウエン 『貧乏お嬢さまと毒入りタルト』 ― 2024/11/04
「英国王妃の事件ファイル」シリーズの十七作目。

アイルランド貴族の息子、ダーシー・オマーラと結婚したラノク公爵令嬢のジョージアナ(ジョージー)は妊娠し、八月に出産する予定で、赤ちゃんの誕生を心待ちにしている。
そんな彼女のもっぱらの不安は新しい料理人ピエールのことだ。
今は以前メイドとして働いていたクイーニーが料理をしているが、ピエールが来たらどうなるのか。
ピエールのことを聞いたクイーニーは憤慨し、料理人はやめるが、レディメイドに戻るという。
レディメイドはメイジーがしていて、ジョージーはメイジーを気にいっていたし、クイーニーがメイドになるとまた大惨事が起りそうなのだ。
案ずるより産むが易しとは良く言ったもので、ピエールが来ると、クイーニーはハンサムな彼にぞっこんになり、キッチンで彼の手伝いをするという。
幸いなことに、ピエールの料理は絶品だった。
ジョージーが住んでいるアインスレーの主、サー・ヒューバートが屋敷に戻ってきたので、近隣の人たちを招待してディナー・パーティをしたところ、ピエールの料理が絶賛される。
隣人で作家のサー・モーティマーがピエールを借りたいと言い出す。
彼は自分の館ブラックハート邸を一般公開して、毒草園のある庭も見せる予定があり、その日の特別な締めくくりとして晩餐会を開くことを思いついたというのだ。
オープンハウスの日は快晴で、サー・モーティマーの晩餐会でピエールは素晴らしい料理を提供する。
しかし、その翌日、サー・モーティマーと数人の客がひどい食あたりになり、やがてその中の一人が死亡する。
警察は殺人容疑でピエールを逮捕する。
ピエールの無実を確信しているジョージーは関係者に話を聞きに行く。
だが、動機も容疑者も殺人方法も何もかもがわからない。
このシリーズにシャネルが出ていましたが、今回は特別な人が晩餐会に現れます。
なんと、アガサ・クリスティで、彼女は事件解決の助けとなります。
あのジョージーが結婚し、親になるなんて、信じられませんわ。
このシリーズは出版とほぼ同時に翻訳されているらしく、十八巻目『We Three
Queens』はアメリカで今月発売されるようです。
ジョージーの屋敷にシンプソン夫人がやって来た時に、屋敷では映画撮影が行われていて、映画スターの一人が殺され…というお話です。
ジョージーのママぶりが見られるのを楽しみにしています。
シリーズの順番。
③『貧乏お嬢さま、空を舞う』
⑥『貧乏お嬢さまのクリスマス』
⑦『貧乏お嬢さま、恐怖の館へ』
⑪『貧乏お嬢さま、イタリアへ』
⑫『貧乏お嬢さまの結婚前夜』
⑭『貧乏お嬢さま、追憶の館へ』
⑯『貧乏お嬢さま、花の都へ』
⑰『貧乏お嬢さまと毒入りタルト』
<今日のわんこ>

この後に何が待っているのかわからず、黙々と歩くわんこたち。
兄の耳毛が乱れているのは何故?

やっと仲良く並びました。

と思ったら、弟がこちらを見ます。
今日は思いのほか暖かかったです。20℃を越したかな?
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