M・C・ビートン 『アガサ・レーズンの不運な原稿』2018/07/21

アガサ・レーズン・シリーズの10作目。


かわいそうに、アガサは隣に住むジェームズのことが忘れられず、未練を断ち切るために、やけくそで適当に引越し先を決めてしまう。
ノーフォークのフライファムへと。
猫二匹と一緒に行ってみると、「男に捨てられた女」というレッテルをつけられてしまう。
頭にきたアガサは探偵小説を書くために来たんだと嘘をつく。
しかし、その嘘がとんでもないことに。
村のお屋敷の夫婦をモデルにして小説を書き始めたのだが、なんと、彼女の書いた手口でお屋敷の主人が殺されてしまう。
たまたまアガサに話を聞きに来た警部に原稿を読まれてしまい、アガサは第一容疑者になってしまう。
そのため、たまたま遊びに来ていた準男爵のチャールズとアガサは一緒に犯人捜しを始める。

この本を読むと、イギリスの地方の村に住むのは躊躇します。
詮索好きの女性たちと閉鎖的な村が嫌ですもの。
クリスティの時代から変わっていない感じがしますが、実際はどうなのかしら?

巻末に若きアガサを描いた「アガサ・レーズンの初めての事件」が収録されています。
初々しいアガサも時が経つにつれ、たくましくなっていったのですね。
彼女のタカピーなところは、弱さを隠すためだったようです。

予測できないラストでした。
29冊もアガサ・シリーズは出版されているとのことですが、10冊目でこれですから、この後、どうなるのかしら…。