北村 薫 『鷺と雪』2009/07/28

直木賞をとったからと言って読んだわけではなく、北村さんは好きな作家の一人です。
『街の灯』で登場した良家の令嬢、花村英子と彼女の運転手のベッキーこと別宮みつ子の話の三作目です。
二作目はまだ読んでいません。そのうちに読もうと思います。
昭和十一年というと、2・26事件のあった年です。
その頃起こった男爵の失踪やブッポウソウが東京の夜空を鳴き渡った話などを基にして作ったミステリーっぽい小説です。
三越のライオンに誰にも見られずに登ったら、受験に合格するなんて、初めて知りました。
英子さんにも彼氏が・・・と思ったのですが、悲しい幕切れでした。

まだ身分差のあった昭和初期の、古きよき香のするお話です。
学習院の令嬢って、なんとなくあこがれます、と前と同じ感想を書いていますねぇ、笑。