Clementine 「ANIMENTINE-plus~BOSSA DU ANIMĒ」2011/05/12



この頃の私のお気に入りは、フランスの歌手、クレモンティーヌ(Clēmentine)さんのアルバムです。
クレモンティーヌさんは、あのサントリーのノンアルコールビールテイスト飲料オールフリーのCMで聞こえてきた、「ボンボンバカボン、バカボンボン」を歌っている人です。
CMには独特のゆるさがあります。クレモンティーヌさんの和む歌声にのり、「たそがれる」というのがぴったりのCMです。
フランス語でボサノバ風バカボンの歌を聞くと、「ボン」が「bon」に変わり、バカボン・メドレーもしゃれた歌になります。

このアルバムに収められている曲はすべて日本のアニメの主題歌で、フランス語と英語で歌われています。例えば、「崖の上のポニョ」や「おどるポンポコリン」、「ゲゲゲの鬼太郎」、「タッチ」、「キャツアイ」など。
聞きながら、日本語って擬音語と擬態語に富んでいて、これがいい味を出しているなぁと思いました。「ボンボン」とか「ポーニョポニョポニョ」、「ゲ、ゲ、ゲゲゲノゲー」、「チュウ」など他の言語の中に入っているのに、違和感なく、聞いていてとっても心地いいのです。

私の一番のお気に入りの歌は「はじめてのチュウ」と「ロマンティックあげるよ」です。ライナーノーツを読むと、クレモンティーヌさんも「はじめてのチュウ」がお気に入りだそうです。この2曲、実は英語です。

いろいろとストレスの多い日常ですが、彼女の歌を聞いてボーとしています。

「国際バラとガーデニングショウ」@西武ドーム2011/05/13



ダイソン株式会社さんよりチケットをプレゼントされたので、西武ドームまで行ってきました。
西武ドームには大学生の時に一度野球を見に行ったことがあります。
うっそうと木が生い茂っているという印象があったのですが、あれから何年もたっているので、住宅がたくさん建っています。ドームは古びた感じになりました。
日が出てきたので、日焼け止めもサングラスも忘れたのでまずいなと思っていたら、ドームは閉まっていました(↓)。
いつもは野球をやるグラウンドが会場になっています。入り口の左側にショップ、右側にガーデンがあります。


平日なのに結構人が入っています。40歳以上の女性が圧倒的に多くて、たいてい友達と連れ立ってきています。男性は奥様に着いてきたか写真を撮りに来たという感じです。

11日から始まり時間が経ったからか、急に暑くなったためか、どちらかわかりませんが、バラの花の元気がないのが気にかかります。水が足りないのかしら?



バラの花も花びらが何枚もあるのもあれば、一重のもあり、普通では見られないバラが咲いています。色も様々で、真っ赤よりもちょっとくすんだ紫っぽいバラが気に入りました。


切り花やガーデン、ハンギングバスケットなどのコンテストが開かれています。
適当に写真を撮ったので、コンテスト応募者かプロが作ったのか、ちょっとわかりません。

これ(↓)はガラクタの中に花があります。(アマチュアだね)天井の広告が入っちゃった・・・。


イングリッシュガーデンでしょうか。家を建てたら、こんな玄関を作ってみたいですね。


庭にこんなベンチはどうでしょうか。


裏庭はこんなかな。





モデルさんではありません。外国のお客さんが写真を撮っていたので、ついでに撮ってみました。合いますねぇ。


変った花が咲いていました。




枝垂れバラですか。


庭を作った人が作品に手を入れていました。気さくそうな人です。小山内健さんという方のようです。若い女性たちと楽しそうにお話ししながら手を動かしていました。


印象が特に強かったのが、イギリスのジム・キーリングさんがデザインしたガーデンです。


この真ん中にあるのはゴールデンサイプレスツリー(黄金の糸杉)で、ゴッホの絵からインプレッションをもらいました。「周囲の色を反映する23.5金の金箔で覆われ」ているそうです。この彫刻はこのガーデンのために特別に作られたものです。う~ん、めだつ。
左右に様々な鉢植え(↓)が置いてあります。前面にはジベルニーのモネの池に敬意を示した池があります。



ダイソンの羽が無い扇風機「air multiplier (エアマルチプライアー)」が置いてあるのが、吉谷桂子さんの「インプレッショニストのモダンガーデン~光と風と色彩の庭」です。




この扇風機、モダン過ぎて花には合わないかも。一台ではなくて、見えないところに何台か置いて微風を送った方がよかったのでは・・・。







このガーデンには人が多いなと思っていると、ご本人が現れ、庭について語ってくれました。(でも人が多過ぎて、とてもじゃないけれど聞いていられませんでした。それに全体の写真を撮るどころではありませんでした。すみません)
様々な花が咲いていて、その色の組み合わせが素敵でした。ベンチに寝転がってみたかったです・・・。

ガーデニングって面白そう。

切り花や花束を撮ってみました。写真って難しいですね。上手くいきません。人が多いので、じっくり構図を決めて撮れませんし、急いだためにピントが合わず、ボケボケになっています。







私はイングリッシュローズが一番好きです。

そうそう、帰りの電車、かしましいこと。びっくりしました。

上手く撮れなかったのですが、これは何でしょう?(写真のサイズ変換すると、もっと見ずらいですが・・・)


答え:「トトロの森」です。

堂場 瞬一 『水を打つ』2011/05/14



彼の書いたスポーツ小説の『チーム』がおもしろかったので、『水を打つ』も読んでみました。
題名を見れば、何のスポーツがすぐにわかりますね。そう、水泳です。
堂場さんはどうもチーム競技が好きなようで、『チーム』では駅伝、そして『水を打つ』では水泳の団体戦、競泳メドレーリレーを扱っています。

2009年ごろに高速水着を着て世界記録がバンバン出たのを受け、結局国際水泳連盟が高速水着の着用を禁止したということがありましたね。この小説ではそのことを髣髴させると共に、若い選手に追い越される先輩選手の苦悩や、個人競技に思われがちな水泳で、如何にチームとしてメドレーで闘うかということを書いています。

今や記録競技は練習が科学的に解明されたおかげでより体に負担をかけずに効率のいい練習ができるようになり、その上、ウエアや道具などが飛躍的によくなり、記録も伸びるようになっています。
もし、昔と同じウエアと道具を使ったらどうなんでしょうね。それでも記録は今と同じように伸びるのでしょうか?

残念ながら、水泳って読んでいても夢中にはなれません。

北海道人はみんなスキーがうまいというのと同様に、みんな泳げないという都市伝説(かしら?)があります。
私に関しては、スキーがうまいは間違っていますが、泳げないは正しいです。
スキーができないには理由があります。私の育った町には山がなかったのです。両親は道産子ではなく本州出身でしたからスキーなんてできませんから、スキー場に連れて行ってもらったことがありません。学校ではスキー授業が2、3回できればいい方でした。
プールは私のいた頃には学校になかったです。温水プールなんて、近くにありませんでした。
今から思うと、水泳ぐらいできればよかったと思います。おぼれることがあったら、役に立ちますからね。(いつ役に立つんでしょうね?)
こういう私ですから、水泳にロマンは感じませんわ。

ビッグマウスの若手、小泉の描き方がちょっと残念でした。わかるとあっけなくてね。

水泳が好きな方用の本のようです。たぶん・・・。

旧古河庭園に行く2011/05/15

薔薇というと・・・旧古河庭園があると思い立ち、行ってきました。
京浜線に乗り、降りたのが上中里。上中里には色々と思い出があります。本当に久しぶりに来たのですが、駅付近はあまり変わっていないようです。というのも、駅のすぐ前に平塚神社があるので、変わりようがないのでしょうね。

大きな通りを7分程度歩くと旧古河庭園に着きます。

ここも圧倒的に団塊世代以上が夫婦か女友達と一緒に来ています。たまに若いカップル、そして一人で来ているカメラ小僧(おやじか)。




旧古河庭園には大分前に、バラの咲いていない頃に来ました。その時は誰も人がいなくて、のんびりしたものでした。
バラが咲くと、人で西洋庭園もいっぱいです。






日本庭園の方へ行ってみました。


心字池には雪見灯籠があります。
鴨(かしら?)がいました。人に慣れているらしく、カメラを向けても全然気にしていません。



今使っているカメラは色合いがあまり好きではありません。カメラによって写した時の色の違いがあるのでしょうね。
まあ、色がどうこう言う前に技術を磨けと怒られそうですが・・・。

暑くなると谷根千の方も人が減るので、カメラを持ってブラブラして、カメラに慣れるようにしますわ。

北折 一 『死なないぞ ダイエット』2011/05/16



すごい題名でしょう。
表紙の写真は著者のものです。左が現在、右が一番太っていた時の彼です。
42歳の誕生日の時、69キロ。それから七カ月で55キロまで、14キロ減らしたのです。

NHKためしてガッテンで取り上げられたダイエット方法だそうです。
たいしたことはしません。
することはたった2つです。
朝、起きてトイレに行った後と夜、ご飯を食べた後に体重を計るだけ。
食べすぎると朝の体重が減っていないのです。
朝の体重を少しでも減らすために、人間って努力するようになるらしいのです。

私が一週間やってみましたが、う~ん、あまり変化ないような。
自分ではそんなに食べていないつもりでも、食べているんでしょうね。
女性は痩せる時期と痩せない時期があるので、それも加味して考えた方がよさそうです。生理後の2週間が痩せるのに最適だそうです。

食べないダイエットは私には合いそうもないので、このダイエットをしばらくやってみようと思います。
朝晩の体重を計るのを忘れないように頑張りますわ。

そうそう、体重計は100gではなくて、50g単位で計れるデジタルにした方がいいそうです。家には100g単位のしかないので、買います。

さて、痩せれるでしょうか?

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 「ダフニスとクロエ」&「真夏の世の夢」2011/05/18

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団の5月17日の追加公演に行ってきました。吉田都さんはとっても人気があって、吉田さんの出演する公演ではいい席のチケットが取れなかったのですが、追加公演のはとれました。
ゆうぽうとホールは職場から遠いのですが、席は見やすいので好きです。
サイン入り生写真が売っていました。後でいいやなんて思って買わないでいたら、帰りには人がいっぱいいて買えませんでした。

舞台の前と後でビントレーさんのあいさつがありました。
彼は新国立劇場バレエ団とかけもちなのですね。
震災後、キャンセルをする芸術家たちがいるという時に来てくれてありがたいです。

来週もう一度、この公演を見るので、詳しい内容はその時に。

「真夏の夜の夢」は衣装や舞台が素敵でした。
吉田さんははつらつとした踊りで、まだまだ踊れるのにと思いました。
ロバがコミカルで気に入りました。
パックはどんな踊りをするのかと期待していました。というのも、漫画「アラベスク」でノンナがパックを踊るという設定があったからです。彼女はどこの場面を踊ったのか、わかりませんでした。

公演の幕間にはツァオ・チーさんと佐久間奈緒さんたちが募金を受け付けていました。
公演の後に出演者たちが出てきて、写真を撮らせてくれました。


急いで撮ったので、ちょっとボケています。妖精たちの一人ひとり衣装のデザインが違うのですね。

今週末の「眠れる森の美女」が楽しみです。

村上 春樹 『遠い太鼓』2011/05/19


村上春樹が1986年秋から1989年秋まで、37歳から40歳までイタリアに暮らしたことを書いたエッセイ集です。
彼の書いた各国比較がとっても面白かったです。

例えば、
ドイツ人・・・世界一旅行好き。特殊能力を持っていて、ひとつは何でも美味しそうに食べるという 能力。もうひとつはどんな季節にも日光浴ができること。
カナダ人・・・世界一暇。
オーストラリア人・・・カナダ人に次いで世界で二番目に暇。
イギリス人・・・だいたい顔色が悪い。
北欧人・・・ドイツ人からタフさを抜き取ってこころもち空想的にしたような顔つき。
フランス人・・・すばしっこそうで何となく皮肉っぽい顔つき。
オランダ・ベルギー人・・・ちょっと人懐っこい。

ふ~ん、どうなんでしょう。
私が旅行に行った時は西洋人の違いなんてわかんなかったです。
カナダ人とオーストラリア人が暇だなんて、こんなこと書いて怒んないでしょうか。そういえばアメリカ人についての記述がなかったですね。アメリカ人ってどこにでもいるという感じですが、どうしてでしょう。

もっとすごいのがイタリアについてです。

「もしギリシャで困ったらとにかくGNTO(ギリシャ政府観光局)に行く。もしイタリアで困った目にあったら、あっさり諦めるのが利口である」(ギリシャは村上さんのお気に入りです)
「首相が毎年替り、人々が大声でしゃべりながら食事をし、郵便制度が極端に遅れた国」
イタリア車は表情があり、「ちゃんと動けば、とても楽しい」(イタリア車でオーストリアを走ると「オーストリア自動車修理工場巡り」になったそうです)
「ムッソリーニの唯一の失敗はイタリア人の戦争能力を過大評価したことだな。イタリア人に戦争なんかさせたらおしまいだよ」(イタリア人が言ってます)
「自慢じゃないけれどイタリア人は税金なんてほとんど納めないんだよ」(これもイタリア人)

郵便が届かないのはイタリアだけではないです。インドもひどかった。郵便局で消印を押されたものは届きませんでした。ちゃんと自分で切手を貼ったのは届いていましたけれど。郵便局員がお金を着服しているらしかったけれど、今もそうかしら?

眼科の前の主治医がイタリアには緑内障患者が少ないと言っていました。本当に村上さんが書いたような国だったら、何事も気にせずに生きていかなきゃ精神的に駄目になりそうですね。
幸運(かな?)なことにイタリア人の知り合いはいません。
旅行するにはローマは色々と大変らしので、トスカーナなどの田舎に行くのがよいのでしょうか?

村上さんには阪神淡路大震災のことを書いた『神の子供たちはみな踊る』があります。この前読み返しましたが、前に読んだ時ほどいいと思いませんでした。時が経つと指向性も変わるのですね。
今回の東日本大震災について彼が何を書くのか、楽しみにしています。

最後に村上さんが語る旅行についての文を載せておきましょう。

「旅行というのはだいたいにおいて疲れるものです。でも疲れることによって初めて身につく知識もあるのです。くたびれることによって初めて得ることのできる喜びもあるのです。これが僕が旅行を続けることによって得た真実です」

この頃くたびれる旅行ってものをしてませんわ。

そうそう、ギリシャには「死に犬現象」なんてものがあるんですって。
ギリシャの犬は暑いと「石のごとく」眠り、ぴくりとも動かない。町の人は生きてるのか確かめるらしいです。
一度見てみたいです。いいえ、寝ている犬の上に石でも落としてみたいですわ。
もちろん冗談です(笑)。

女刑事 音道貴子『未練』&『嗤う闇』2011/05/20



『未練』では『』のその後が書かれています。
音道は『鎖』その前、その後で変わっているように思います。
人は生きるか死ぬかの究極の状態から帰還すると変わるといいます。
音道は精神的により強く、より人に対する優しさが出てきたように思います。
だんだんと人間として成長してきたという感じです。
でも彼女の母親は、「なんだって、こんなに強い子になっちゃったのかしら。これじゃあ、息子と歩いてるみたいじゃない」なんて嘆いてますが。
いいじゃない。人間として極上なんだから。

このシリーズで気になる人がいます。
それは元警官で、今はおかまバーをやっている安雲です。
彼女(彼?)のような友達がいたら楽しそう。

安雲の紹介で知り合った男に迫られ、音道が断り、それでもしつこくされ、音道がつぶやく言葉で彼女のことがよくわかります。
「馬鹿野郎。こどもじゃないから、やすやすと男と寝たり出来ないのではないか。後で引きずるのが嫌だから、臆病にもなっている。子どもじゃないから、軽い気持ちで遊んだりして、余計な周り道はしたくないと思っているのだ」
安曇は「おぼこ娘みたいね」と言いますが、音道はこうでなくっちゃ。

相棒はこのシリーズ、あまり好きじゃないと言って読みません。男にとって音道みたいな女は苦手なのかもね。
音道シリーズは(たぶん)女にかわいげを求めない男性限定です。

英国バーミンガム・ロイヤル・バレエ団 『眠れる森の美女』2011/05/22

YouTubeでNHKが放映した『ネットワークで作る放射能汚染地図』を見ました。
「原発さえなかったら・・・」というつぶやきが心に響きます。

『ダフニスとクロエ』に引き続きバーミンガム・ロイヤル・バレエ団を見てきました。そういえば8月にやる予定だったニコラ・ル・リッシュとオペラ座のエトワールたちの公演はキャンセルだとのこと。
原発推進派のフランスでも放射能は怖い?




今日はエコノミー席です。
4階なので、ちょっと怖いです。私って高いところが苦手かもしれません。
座っていても落ちそうです。乗り出して下を見ないようにしました。

5月21日(土)13時半開演
振付:マリウス・プティパ、ピーター・ライト
演出:ピーター・ライト

<キャスト>
オーロラ姫:タマラ・ロホ
フロリムンド王子:イアン・マッケイ
カラボス:マリオン・テイト
リラの精:アンドレア・トレディニック


『眠り…』は何回か見たのですが、見たことのない場面があったような。
プティパのにピーター・ライトが改良を加えたようです。
パンフレットによると、第2幕の終わりに王女が王子のキスで目覚めたあとに二人で踊るパ・ド・ドゥが挿入されていたり、マイムが多かったり、細かい振付が変わっていたりしているようです。

有名なローズ・アダージオでは、いつもちゃんと踊れるのかしらとドキドキしながら見るのですが、タマラ・ロホの場合はバランスがいいので、落ち着いて見ていられます。ザハロワのような女王オーラはないけれど、キチキチときめてくれます。新国立で彼女の『コッペリア』を見たことがあります。『コッペリア』の彼女はかわいいチャキチャキの女の子でしたが、今回はお姫様してました。キャラ的には『コッペリア』の方が似合ってました。

今回の演出では、カラボスがきれいな女性でした。リラの精との女同士の嫉妬とか?
カーテンコールでは二人で現れ、引っ込むときに、カラボスの人は黒い衣装のそでをフンと言うように翻していました。格好いい。踊らないのは残念だけれど。

王子様のイアン・マッケイは初めてみました。容姿は申し分ありません。踊りは本人もインタビューで言っていますが、ジャンプなどそれほどではないような。上から見たのでそう思っただけかしら?もっと近くで見たかったです・・・。

結婚式の場面では出席者が少なく、ちょっと豪華さや盛大さに欠けていたのが残念でした。

最後にキラキラしていて、『眠りの森の美女』は幸せな気分になれるので好きです。思えばいつも上から見ているような。今度はちゃんと落ち着いて見られるように1階の席を買いますわ。
そうそう、空いている席がチラホラありました。隣に座ったオバサン2名が他の見やすい空いてる席をめざし移動していました。


バレエとは関係ないですが、また日光蕁麻疹でてしまいました。
今年は紫外線が強いのでしょうか?

ケイト・キングズバリー 『首なし騎士と五月祭』2011/05/24

ペニーフット・ホテル・シリーズの四作目。


バジャーズ・エンドに隠れ家的ホテル、ペニーフット・ホテルがありました。
季節は5月。メイデーの祭りがホテルで開かれることになっていました。

そんなある日、ホテルの常連客でいつも飲んだくれているフォーテスキュー大佐が、パブの帰りに首なし騎士に会い、必死に逃げる途中でメイポールに縛り付けられた女性の死体を発見します。
次の日、宿泊客の女性が行方不明になっていました。
メイポールに縛り付けられていたのは、その行方不明の女性でした。

ホテルの女主人セシリーはメイデーの祭りが行われないとホテルの危機だとばかりに、捜査に乗り出します。
支配人のバクスターはセシリーが無謀なことをしないかと心配しています。

セシリーはバクスターのことを異性として意識しており、彼がなかなか打ち解けてくれないのがおもしろくありません。
バクスターは亡くなったセシリーの夫から彼女のことを頼まれたからと、セシリーを助けていますが、どうもセシリーのことが好きらしいのです。
二十世紀初頭の話ですから、主人と雇い人の上下関係はきっちりと決まっています。バクスターの踏み切れない気持ちもわかります。
それなのに、セシリーはわざとバクスターを戸惑わせることを言います。

セシリーは20世紀初頭の時代の先端を行っている女性です。
夫が亡くなってからホテル経営をやっていますから、世間の女性はこうであるべきだという考えに同調できないのです。
「どんなことでも男性と同じようにうまくやれるの」とは彼女の心からの言葉でしょう。
そんな彼女にバクスターは「ふつうの女性には、マダムのような気丈さや常識はないのですから」と言います。

この本の楽しみのひとつはセシリーとバクスターの関係がどう変わっていくかです。

捜査の方はこれと言って進展がなく、警察があてにならないからと、セシリーは宿泊客を捕まえて質問ばかりしています。殺人事件でホテル存続の危機というより、彼女のしつこさの方が宿泊客に嫌われそうな気がしますが・・・。

そうそう、五月祭とは何でしょう。日本でメイデーというと、労働者の日という感じになっていますが、実は古代ローマの祭りで、夏の豊穣を祝する祭りなのだそうです。
五月祭の日にはクイーンとキングを選んだり、メイポールという柱に付けられたリボンを持って若い女性たちが踊ったりします。どんな音楽で踊っているのでしょうね。
日本でも学校によってはこのメイポールダンスをやっているところもあるようです。私の通った大学でもやっていたようですが、私は参加しませんでした。

人よりも植物とお友達の庭師ジョンに言ったセシリーの言葉はなるほどと思いました。

「ときどき、あなたのようなやりかたがいちばんいいような気もするわ。でも痛みがなければ、喜びも味わえないと思うのよ」

それでもこの頃、痛みはもういいやと思う私がいます。
人づき合いも疲れますから。