ABT 『クロージング・ガラ』2011/07/30

2011年7月29日(金) 6:30p.m~9:00p.m.   
クロージング・ガラ  

≪アレグロ・ブリランテ≫
  
振付:ジョージ・バランシン/舞台指導:ダーラ・フーヴァー
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー〔ピアノ協奏曲第3番〕  

シオマラ・レイエス   ダニール・シムキン  

今日の座席もバッチリ見えました。たぶん『オープニング・ガラ』はA席にしたのかもしれません。目の悪い私がちゃんと見るためには、S席にしないとダメですね。
バランシンのものは舞台全体が見えないと。八組の男女のカップルと一緒にレイエスとシムキンが踊ります。
オープニングでは前過ぎて(2列目)、全く踊りがどういうものかわかっていませんでした。
レイエスとシムキンはバランス的にぴったりで、踊りの相性もいいように見えました。『ロミオとジュリエット』の時よりもシムキンはのびのびと踊っていました。
レイエスは安定した踊りの人なので、安心して見られます。
ABTはバランシンものが合うんだなと思いました。

≪チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ≫ 
振付:ジョージ・バランシン
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー  

パロマ・ヘレーラ   マルセロ・ゴメス  

今回の公演では「ゴメス活躍す」という感じでした。ファンも増えたんじゃないでしょうか。
これを見ながらつくづくと思ったのは、ヨーロッパのバレエとアメリカのバレエは 別物だと思わないといけないなということです。
『チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ』は王子様とお姫様的に優雅に踊るものだと思っていました。今まで見たガラの踊りはそういうものでした。しかし、このコンビのは違いました。力のあるゴメスがリフトでブンブンとヘレーラを振り回すという感じです。もっとパートナーを大事に扱った方がいいのでは・・・と思ってしまいました。なんというのでしょう、元気のあるパ・ド・ドゥでした。
でも、バランシンが振付したのですから、ABTの解釈の方が正しいのかもしれません。

≪トロイカ≫  


振付:ベンジャミン・ミルピエ
音楽:ヨハン・セバスチャン・バッハ〔無伴奏チェロ組曲第2番・第3番より〕
チェロ: 辻本 玲 

トーマス・フォースター   ジャレッド・マシューズ   ブレイン・ホーヴェン  

オープニング・ガラではシムキンが出てましたが、今回は体型が同じ三人組だったので、見栄えがしました。
やっぱりこういうのは、体型をそろえた方がいいですね。
チェロは前回、とってもよく聞こえてよかったのですが、今回は座席が遠くなったため音が小さくて残念でした。チェロの音色が好きなんです。

≪眠れる森の美女≫ 第3幕のパ・ド・ドゥ 
振付:マリウス・プティパ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー

ジリアン・マーフィー   コリー・スターンズ  

アメリカのバレエとヨーロッパのバレエは違う、とここではっきりしました。
見せ方が下手なのね。きっちりと見せるべきところは見せなきゃ。歌舞伎の見栄を切るみたいにね。そう思ってしまいました。ロイヤルバレエはそういうメリハリができていますものね。
この2人、王子と王女の見かけだったのに・・・。

≪椿姫≫ 第2幕<白>のパ・ド・ドゥ   
振付:ジョン・ノイマイヤー
音楽:フレデリック・ショパン / ピアノ: ダニエル・ウェイト  

ジュリー・ケント   マルセロ・ゴメス  

ゴメスのリフトがすごいです。軽々と上げています。このリフトは力持ちではないと辛いだろうなとつくづく思いました。ノイマイヤーはリフトが好きなのね。
「白のパ・ド・ドゥ」は愛の歓びに満ちた踊りではあるのですが、音楽が暗く、物悲しい思いにさせられます。この後の悲劇を暗示しているのでしょうか。
そうそう、ピアノの音がきたなくて嫌でした。ピアニストの問題なのか、文化会館のピアノが良くないのか?

≪白鳥の湖≫
第2幕のパ・ド・ドゥ  
振付:レフ・イワノフ
音楽:ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー 

ヴェロニカ・パールト  アレクサンドル・ハムーディ  
  
う~ん、ガラにこれは・・・。私的に『白鳥』はやはりロシアバレエです。前のガラで白鳥を踊ったニーナを思い出しました。
席の隣の方は「2幕をガラで踊る?やっぱり三幕でしょ」と言っていました。

≪レ・ブルジョワ≫    
振付:ベン・ファン・コーウェンベルク
音楽:ジャック・ブレル  

ダニール・シムキン 

一番盛り上がっていました。シムキンの身軽さには舌を巻くほどです。すごい!
しかし、黒いズボンをはいたシムキンは高校生にしか見えません。煙草なんていけません!その上、シャンソンだなんて、お子様には早い!
(シムキンのファンの方、怒らないでね。私もシムキンは好きです)
これは渋い大人のダンサーに踊って欲しいです。

≪COMPANY B≫ 
歌唱:アンドリュース・シスターズ
  〔第二次世界大戦当時のアメリカ人の典型的な心情を表した歌〕  
振付:ポール・テイラー/再構成:パトリック・コービン

マリア・リチェット  ニコラ・カリー  ミスティ・コープランド  シモーン・メスマー  
エリザベス・マーツ  ニコール・グラニェロ  メリー・ミルズ・トーマス    
アロン・スコット  クレイグ・サルステイン  サッシャ・ラデツキー  
ロディー・ドーブル  グラント・デロング  アイザック・スタッパス  

素敵なあなた:出演者全員
ペンシルヴァニア・ポルカ:マリア・リチェット、ロディー・ドーブル
ティコ・ティコ:アロン・スコット
Ohジョニー、Ohジョニー、Oh! :クレイグ・サルステイン、女性出演者達
アイ・キャン・ドリーム,キャント・アイ?:ニコラ・カリー
ジョセフ!ジョセフ!:エリザベス・マーツ、ニコール・グラニェロ、メリー・ミルズ・トーマス、
 アイザック・スタッパス、ロディー・ドーブル、クレイグ・サルステイン
ブギウギ・ビューグル・ボーイ(カンパニー B): サッシャ・ラデツキー
ラム・アンド・コカコーラ :ミスティ・コープランド、男性出演者達
ゼア・ウィル・ネヴァー・ビー・アナザー・ユー :シモーン・メスマー、グラント・デロング
素敵なあなた :出演者全員

やっぱりABTはこういう演目が得意だったのね。
これから古典物はヨーロッパ(ソビエト含む)のバレエ団、コンテンポラリー系はアメリカのバレエ団と見るのを考えるようにしますわ。

フィナーレはどういうのかと興味があったのですが、上から花吹雪がドバーと2回落ちてきました。が、それだけ。
ゴメスは舞台に現れず、残念。疲れたのかしら?
ちょっと地味~なガラでした。

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