メグ・ガーディナー 『嘘つきのララバイ』 ― 2013/05/02
読むたびに「心理検死官って何?」という疑問を持つシリーズです。

妹とテイジャ・マクファーランドのライブ・コンサートに行ったジョーが、テイジャの死と遭遇することになります。
他殺か、自殺か?
テイジャの死の時の精神状態を明らかにし、彼女の死の謎を明らかにするために、ジョーはサンフランシスコ市警察に雇われます。
しかし、テイジャの元夫が現在のアメリカ大統領だったばかりに、ジョーの私生活までマスコミの餌食になり、その上、恋人の空軍州兵の投下救難隊員のゲイブはアフガニスタンへ行くことになります。
いつしかジョーはある陰謀に巻き込まれていきます・・・。
前作の『メモリー・コレクター』よりもジョーは駆けずり回っていません。
その代わりに、彼女と恋人の関係がしっかりと描かれており、より現実味が増してきています。
ただの精神科医がこんなに事件と関わりを持つなどということはあり得ないですよね。
次はどんな奇想天外な事件に巻き込まれるのか、ちょっと楽しみになってきました。
国立駅に売っていた、かわいい動物のドーナツです。

東京では自然派ドーナツというと「はらドーナッツ」ですが、このドーナツは奈良県に本店のある「フロレスタ」のものです。
どっちが美味しいかしら?
味的にはあまり変わりはないような気がします。
動物ドーナツは20種類以上あり、日によって売っているものが変わるそうで、パンダとブタを買ってみました。
近藤史恵 『キアズマ』 ― 2013/05/03
自転車競技のすばらしさを教えてくれるシリーズの最新作です。

柔道をやってきて、日本的な部活に嫌気を指していた岸田正樹は、特に何かをやりたいという目標もなく大学へ入学しました。
一週間たった頃、トモス(排気量50㏄の原動機付き自転車)に乗っていた時にロードバイクとぶつかってしまいます。
関西弁の男にからまれ、逃げ出したところ、トラックに轢かれそうになり、正樹は打撲程度の怪我だったのですが、ロードバイクに乗っていた男が膝蓋骨骨折をしてしまします。
骨折した男は四年の村上といい、昨年自転車部を設立したばかりでした。
自転車部の部員はたった三人。
村上の見舞いに行った時に、「なにか俺にできることがあればなんでも言ってください」などと言ったばかりに、正樹は自転車部に一年間という約束で入部することになってしまいます。
自分の言った言葉を最初は悔やんでいましたが、自転車に乗ってみると、意外と自分に合っていて、それから自転車のことしか考えられなくなります。
いつしか正樹は自転車に魅せられていきます。
私が気に入っている、もうひとつの自転車物語は『セカンドウィンド』といいます。
これは主人公の溝口洋が自転車を通じて小学生から大学生へと成長する過程を描いた話です。
スポ根物がお好きな人は読んでみてください。
9月に四巻が出る予定ですが、出版が伸びないことを祈っています。
北海道から帰りました。 ― 2013/05/05
用事があったので北海道の実家へ行って、すぐ帰ってきました。
羽田で気になっていたのはバームクーヘンで有名な「ねんりん家カフェ」。
いつも搭乗間近に行くので入れませんでしたが、今回はちょっと早く搭乗口から入り、カフェで遅い朝食を食べました。
ホットバームクーヘンサンドイッチなどというものは、なんなんでしょうねぇ。
バームクーヘンの中にハンバーグや卵が挟まっています。
羽田で気になっていたのはバームクーヘンで有名な「ねんりん家カフェ」。
いつも搭乗間近に行くので入れませんでしたが、今回はちょっと早く搭乗口から入り、カフェで遅い朝食を食べました。
ホットバームクーヘンサンドイッチなどというものは、なんなんでしょうねぇ。
バームクーヘンの中にハンバーグや卵が挟まっています。

まずくはないけれど・・・。
他にはホットバームクーヘンが食べられます。こちらの方はバームクーヘンがフワフワで軽い食感。いつもと違った味わいなのでおやつに食べてもいいですわ。
兄が飼っている猫ちゃんは元気でした。
毛が伸びたのでバリカンで兄が毛を刈ったところ、皮膚まで刈ってしまったとのこと。かわいそうに。

二度目で慣れたのか、見ていると床の上をゴロゴロしてくれました。

毛の長い猫はおっとりしています。
戸をガリガリと爪とぎをするので、我が家では猫は飼えそうもないなと思いました。
体重が4キロだとか。家の犬より大きいです。
帰りに札幌に寄りました。
本当は恵庭にある銀河庭園に寄りたかったのですが、曇りで骨折した右足も心配だったので、行かないことにしたのです。
ホテルのビュッフェでランチをしようとすると、予約でいっぱいだとか。
大丸のレストラン街に行くと、長蛇の列が。
何かと思って見てみると、これまたビュッフェ。
札幌でビュッフェが流行っているのでしょうか?
札幌で気に入ったのが、駅前の紀伊国屋書店。
大きなフロアに本が並んでいて、こんな本屋が近くに欲しいと思いました。
観光はできなかったけれど、北海道は空気がおいしいです。
大気が汚れていないせいか、曇りなのにまぶしくて困りました。
雪の日は雪でまぶしく、曇りでもまぶしく。
北海道に行く時はサングラスが手放せないようです。
北海道で兄がおみやげにくれたのは、「神内ファーム」のマンゴーゼリーです。

マンゴーは暖かい地方でしか育たないと思っていたのですが、温室を使っているのでしょうね。
ここではあか毛牛肉も販売しています。
北海道経済活性化のために、気になった方は買ってみてください。
私はSOMĒSのバッグを買ってしまいました。
我が家のわんこはトリミングのお店にあずかってもらいました。
外面がいいようで、いい子にしていたようです。
お散歩ができないようです。やっぱり毎日しないとダメなのでしょうねぇ。
同僚の飼っているチワワも毎日はしていないそうですが、お散歩はちゃんとできるそうです。

泊っている間にトリミングをしてもらいました。
しっぽがフサフサしています。いつもより長く切ってくれたようです。

久しぶりにボーンをあげると、よろこんで舐めています。
古本屋探偵の出てくる二冊 ― 2013/05/06

そのものズバリの『古本屋探偵登場』。
軽い日常の謎を解くものだと思って読んだら、全然違いました。
もっと本格的なもので、東京神田にある「書肆・蔵書一代」の店主須藤康平が「本の探偵☆あなたは本を探していませんか?思い出の本、研究に必要な本、コレクション、何でも探します」と銘打って、本の探偵をしているのです。
出てくる人たちは、愛書家というよりも愛書狂。
「愛憎あやなす古書の世界」にどろどろとした血なまぐさい事件が起こります。

『蒼林堂古書店へようこそ』は全く違った、すがすがしい(?)ものです。
ミステリー専門古書店で、店長が出すコーヒーを目当てに毎週通ってくる常連さんたち三人(一人は月一回です)と店長が日常の謎を解くというものです。
謎解きが終わった後はお勧めミステリーが載っているので、興味がある本があったら本屋で探して読んでみるのもよさそうです。
蒼林堂のようなお店があったら、一度でいいから行ってみたいですわ。
店長さんと合いそうだったら常連になってもいいかも。
100円の取引があればコーヒー一杯飲めるなんて。儲かるのでしょうかね。
古いタイプの謎解きが好きな人には『古本屋探偵登場』がいいでしょう。
私のようなへたれミステリーファンには『蒼林堂…』の方がお勧めです。

今日のわんこはボーンで遊んでいます。
散歩に行ってハーフ犬を連れた女性とお話しました。
こういう時に行っている動物病院とトリミングのお店の情報を仕入れています。
公園にいた小学校三年生の女の子二人が犬を触りたいと言ったので、触らせてやりました。
わんこは最初は喜んでいたのですが、しばらくたつと嫌がっていました。
親バカですが、犬や人間に吠えたりかじったりしないので、いい仔です。
カミラ・レッグバリ『踊る骸』 ― 2013/05/08

子供が生まれ、しばらくエリカが子供の面倒を見ていたのですが、今度はパトリックが育児休暇を取ることになりました。
しかし、思ったほど執筆に集中できないエリカです。
というのも、屋根裏部屋で戦時中に母親が書いた日記と血のついた子供のセーター、そして、ナチスの勲章を見つけたからです。
母は何故エリカたち子供に愛情を注いでくれなかったのか。
その理由が知りたいと、エリカはずっと思っていました。
これらの物から母のことが少しはわかるでしょうか。
ちょうど、その頃、勲章の鑑定を依頼していた歴史家が殺されます。
彼は戦中、母が仲がよかった三人の友人のうちの一人で、彼らは何故か戦後は付き合いを絶っていました。
彼が殺されたのは戦時中の出来事と関係があるのではないか。
そう感じたエリカは彼らの過去を調べ始めます。
育児休暇を取ったはずのパトリックが子どもの散歩中にエリカに内緒で警察署に遊びにいき、捜査に加わっています。
そんなパトリックですから、エリカが彼の育児に対して憤慨しているのもわかります。
こういうことに進んでいそうなスエーデンなのに、どこの国でも男性が育児休暇を取るということが難しいということがわかりました(笑)。
このシリーズはどの本も七百ページ以上あり厚いのですが、おもしろく読めます。
北欧というと、家具やテキスタイルなどの印象から明るい国と思っていたのですが、このシリーズを読んでからは、色々な歴史のある、奥深い国であると思うようになりました。
母の過去を知った後、エリカたちにどんな人生が待っているのでしょうね。
アンネのバラ ― 2013/05/09
駅まで歩く途中に「アンネのバラ」が咲いています。

オレンジにピンクが混ざった不思議な色の薔薇です。
利発だったアンネの面影がある花ですね。
我が家の犬はケージから出してもいいように、今訓練中です。
いつも一人で遊ばず、足にじゃれついたり、フェンスからジーと私たちを見ています。
できるだけ無視し続け、私たちがいてもハウスに入って寝るようになるといいのですが。

はしゃいでいます。

静かだと思うと何かを齧っています。
退職後の仕事は、探偵 ― 2013/05/10
ミステリーファンの男性が定年退職したら、何をやるのでしょうか。
そう、探偵になるのです。
そう、探偵になるのです。

警視庁の経理課で37年働き、無事に退職を迎えた木野塚氏は、フィリップ・マーロウのような私立探偵になろうと決心します。
新宿の『栄光ビル』といううらびれた雑居ビルの四階に部屋を借り、電話をひき、求人誌に秘書募集広告を載せますが、木野塚氏の望むような美人秘書は現れません。(一体何を考えているのでしょうね。この男)
やっと現れたのが、ツィッギー(痩せたモデル)のような女性。
彼女はたまたまパチンコ屋で隣に座っていた看板屋から、大当たりが出たので手が離せられないので、プレートを持って行ってくれと頼まれ、プレートを持って来たのです。
彼女は暇なので、秘書を募集しているのなら雇ってくれと言います。
木野塚氏は不満ながらも、他に誰も来ないので、彼女を雇います。
しかし、世の中はそううまくいかない。仕事がないのです。
やっと仕事が来たかと思ったら、なんと金魚の誘拐事件・・・。

大企業のサラリーマンの仁木順平は、会社を辞めて新たな事業を始めたい人が退職前の一年間、休職扱いで自分の好きなように時間を使えるという『転身退職者支援制度』を使い、私立探偵になることにします。
しかし、依頼人はやってきません。
事務所を開いてから三日経って、安梨沙という少女のような女性が猫を連れてやってきて、仁木にパートの助手になってあげると言い出します。
彼らの最初の仕事は貸金庫の鍵探しです。
この二冊の本の主人公は探偵になりたいということは同じなのですが、全く違うタイプの男性です。
木野塚氏はさえない、推理もできないくせに自分はできると勘違いしているただのスケベおやじです。
一方、仁木は大企業にいても仕事ができたんだろうなと思わせられる、いい人です。
この主人公のタイプの違いは、作者が男か女かという違いでしょうかね。
どちらも殺人事件などは扱っていませんが、『螺旋階段のアリス』の方がファンタジーじみていて私の好みです。
『不思議の国のアリス』が好きな人はより楽しめるでしょう。
佐伯泰英 『よっ、十一代目』 ― 2013/05/11

鎌倉川岸捕物控も二十二巻目になりました。
十代目を継いだ政次も親分らしくなってきており、しほとの間に子供が産まれようとしています。
男か女かと楽しみにしていたのに、題名を見て、ガッカリ。これでは子供が男だとわかっちゃうじゃないですか。
政次としほが結婚して幸せなので、「幼馴染の亮吉、お前はどうなんだ」とみんなにからかわれてばかりで、ちょっとふてくされているのが亮吉です。
でも、豊島屋のお菊が亮吉のことを憎からず思っているような感じです。
そんな折、なんと先頭をしている彦四郎が、子持ちの女性と結婚することになりました。気持ちの優しい彦四郎なので、連れ子のおかなをわが子以上に可愛がっています。
これで亮吉が嫁をもらえれば、一件落着ということで終われますが、どうなんでしょう。こういう時代物って、どこまで続くんでしょうね。

なかなか正面を向いた写真を撮らせてくれないわんこです。
たまたまワンショットとかいうアプリを使い撮れたのですが、しばらく経つと音に慣れてしまったのか、こっちを向いてくれません。
犬をだませるのも一度だけです。

相変わらず、固いものを齧っています。
この頃、フェンスの隙間から出るということを覚えてしまい、リビングでくつろいでいると、急に走り出てきてびっくりすることが多くなりました。
自分の部屋だけではつまんなくなったのか、いつもフェンスのどこから出られるか試しています。
意外と頭がいいのかもしれません。
松尾由美 『バルーン・タウンの殺人』&『バルーン・タウンの手品師』 ― 2013/05/12

「バルーン・タウン」とは何か?
表紙を見てお分かりになりましたでしょうか。
そう、別名東京都第七特別区、ようするに妊婦のための町です。
時は・・・?
もはや女性は自然分娩をしないで、人工子宮で子供を産むようになっています。
それでも自分の身体から産みたいという女性がいて、彼女たちを保護する目的で作られたのが「バルーン・タウン」なのです。
この「バルーン・タウン」の堀のすぐ外で殺人事件が起こります。
目撃者は犯人が第七区の通用門をくぐって姿を消したと言っています。
東京都警の江田茉莉奈は女性であるという理由から「バルーン・タウン」で潜入捜査をすることになってしまいます。
ちょうどその頃、大学のミステリー研究会の先輩で翻訳の仕事をしている暮林美央が「バルーン・タウン」にました。
本物の妊婦の知恵を借りようと茉莉奈は彼女に会いにいきます。
ところが、なんと美央の方が上手で、次々と事件を解き明かしていくのです。
「妊婦はみんな同じに見える」なんて、考えたこともありませんでした。
でも、パッとみたなら、お腹にばかりに目がいって、顔なんか覚えていない確立の方が高いですね。背の高さぐらいは覚えているとは思いますが。
お腹に「亀腹」と「とがり腹」の二種類があるなんて、全く知りませんでした。
ふむふむ度が結構高い作品です。
あ、妊婦経験のある方にとってはふむふむ度は低いのでしょうがね。
妊婦とミステリー。
不思議なコラボですが、結構おもしろいです。
三作目のあるようなので、読んでみようと思っています。
加納朋子 『ななつのこ』 ― 2013/05/14
題名を聞いて、どうしてかわかりませんが変な連想をしてしまい、読まない本ってありませんか?
私にとって、この『ななつのこ』がそれでした。
童謡からの連想でしょうか。この本がホラー小説だと思い込んでいました。
読んでみると、ホラーどころではなく、私の好きな日常の謎を解くという、ちょっとファンタジックなお話でした。
何で勘違いしてしまったのでしょうね。
私にとって、この『ななつのこ』がそれでした。
童謡からの連想でしょうか。この本がホラー小説だと思い込んでいました。
読んでみると、ホラーどころではなく、私の好きな日常の謎を解くという、ちょっとファンタジックなお話でした。
何で勘違いしてしまったのでしょうね。

短大生の入江駒子は『ななつのこ』という本に出逢い、作家にファンレターを出しす。
駒子はそのファンレターに自分が出会った日常の謎を書いていた。
予期しなかったことに作家から返事が来て、手紙の中に謎の答えが書かれていた。
それから、作家と駒子との日常の謎に関する手紙のやり取りが続く。
この本では作中作として小説『ななつのこ』のことに触れてあります。
どういう本なのかと思っていたら、『ななつのこものがたり』というのもあるそうですが、内容はこの本に書かれているのとは、少し違うそうです。
『ななつのこ』の作家は誰なのかという謎がありますが、意外な人で、最後は心がホカホカすることでしょう。
加納さんの他の作品も読んでみたくなりました。
この本では作中作として小説『ななつのこ』のことに触れてあります。
どういう本なのかと思っていたら、『ななつのこものがたり』というのもあるそうですが、内容はこの本に書かれているのとは、少し違うそうです。
『ななつのこ』の作家は誰なのかという謎がありますが、意外な人で、最後は心がホカホカすることでしょう。
加納さんの他の作品も読んでみたくなりました。
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