よしもとばなな 『デッドエンドの思い出』 ― 2014/03/02

せっかくつけてもらったバンダナはすぐに駄目になってしまいました。
これは貴重な写真です。

よしもとばなながあとがきで、この作品集についてこう述べています。
「つらくて切ないラブストーリーばかり」で「読み返すと、人生のいちばんつらかった時期のことがまざまざとよみがえってきます」
ここからはばななファンは読まなくていいです。
はっきり言って、私にはよしもとばななが流行った頃からずっと、彼女の作品の良さがさっぱりわかりませんでした。
親しい司書さんとも話したのですが、悲しみに深さがあるとしたら、彼女の作品の悲しみは表面の浅いところにあるのではないでしょうか。
人の悲しみは実際には他人にはわからないものです。
その悲しみをどう描くかが作家の力量で、ばななの描き方では深い悲しみは描けないんですね。
それがいいとか悪いとかではないですが。
私にとってこの作品集に出てくる、失恋とか家族の不幸とかはそんなに悲惨には思えないですね。
その反対にこの物語は人がいかに再生するかという話だと思いました。
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