映画化された本、2冊を読む ― 2017/03/12
どの本を読んだらいいのか決まらない時に映画化された本を読んでみることがあります。
監督が映画化したいと思ったぐらいですから、どこかいい所があったということだと思うからです。
さて、この2冊のどこが監督をインスパイアしたのでしょうか。

34歳で書店でバイトをしている彩は20歳年上で給食調理補助員をしている伊藤さんと同棲しています。
ある日、兄から呼び出され、お父さんを子どもの受験が終わるまで預かってくれないかと言われます。
同棲している人がいると断ったのですが、帰宅するとお父さんが六畳と四畳半の部屋しかないアパートに来ていました。
74歳のお父さんと54歳の伊藤さん、そして彩の三人の不思議な同居生活が始まります。
お父さんは元教師。彩にとってお父さんと暮すことは絶対に避けたいことでした。
暮らし始めると伊藤さんが彩とお父さんの間でクッション役を果たしてくれます。
実は兄が彩に言っていなかったお父さんのあることがあったのです。
現実問題として、こういうことはあり得る世の中ですね。
語り口が淡々としているので、悲壮感が感じられなくてよかったです。

妻夫木君が出ている映画なので、原作を読んでみようと思って読んだら・・・。
二つの事件。
三歳の女の子の衰弱死と一家四人の惨殺事件。
この事件がどう繋がっていくのか。
一家惨殺事件の被害者夫婦の知り合いがインタビューに答えている。
インタビューごとにはさみこまれる兄と妹、二人の悲惨な家族の話。
人は他の人をどう見ているのか。
どうしても主観が入り込み、他を語っているようで自分を語ることになってしまいます。
そのおもしろさがありますね。
慶応大学の内部生と外部生のことが書かれていますが、本当なのといいたくなりますが、作者は友達から聞いたそうです。
私の知っている外部生の方々はそういうことは言っていませんでした。
ここに書かれているようなことをしている人も少ないけどいるということですか。
それにしてもなぜ殺したかがあまり説得力がないような気がしました。
殺人を犯した人間の底の浅さのせいですかね。
まあ、普通ではない人ですから。
読みやすい作品ですが、作者が言っているように後味が悪いだけのものって感じです。
映画になるとどうなるのでしょうね。
特に見たくは・・・ないです(笑)。
犬たちは今日もお散歩に行きご機嫌です。

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