古内一絵 『女王さまの夜食カフェ マカン・マランふたたび』2017/02/01



弟が兄に話しかけても、いつも兄は顔をそむけます。
一人っ子の期間が長かったのからか、いつまでたっても弟を受け入れません。
それでもご飯は先に食べてもいいと言われても食べず、一緒に食べます。



マカン・マラン』の二作目。
ちょっときつい内容の本を読みすぎたからか(まだ全部紹介してません)、この本の中のドラッククィーン、シャールの優しさが身に染みました。

病院に入院し手術を受けたシャールが退院してきました。
マカン・マランでは常連客たちが彼を待っていました。

ふとしたきっかけでマカン・マランに来るようになった人の一人に「生きてくのって、寂しいのよ」とシャールがつぶやきます。
「どんなに思い合ってても、わからないことはたくさんあるし。親子だって、夫婦だって、恋人だってそうでしょう?」
「幸福の裏には、いつも寂寥が潜んでいるの。でも、人生ってきっとそんなものなのよ。だから、私たちは一生懸命になれるのかもしれないし」

まだ予断を許さない病状のシャールですが、彼が今のような暮らしをするようになったきっかけは病気でした。
そのために家族とは疎遠になっていたのですが・・・。

職場の人間関係や親子関係、子育てなどなかなか生きにくい世の中ですが、どこかにマカン・マランのようなホッとできるところがあるといいですね。

体にいい美味しい物を食べて、元気を養いましょう!

伊岡瞬 『代償』2017/02/02



両親と一軒家に平和に暮らしていた圭輔の生活は、遠縁の家族が近くに引越ししてきてから変わりました。
同じ小学校に通う達也が家にやってきて一緒に遊ばせられるのが嫌でしょうがなかったのです。
達也の態度が圭輔には不可解で不気味だったのです。
そんなある日、しばらく達也をあずかることになり、達也はわが物顔に振る舞うようになっていました。
そんな時に火事が起こり両親は亡くなり、圭輔は孤児となってしまいます。
達也の親たちは圭輔に一緒に暮らすようにと迫り、誰一人として頼りになる人がいなかった圭輔は同意したのですが、それは地獄の始まりでした。

過酷な生活を送っていた圭輔は同級生の寿人と彼のおじさんに救われ、長じて弁護士になっていました。
彼のところに逮捕された達也から弁護をしてほしいという依頼がきます。
迷う圭輔でしたが、弁護を引き受けてしまいます。
それが達也の狙いでした・・・。

第一部の小学生だった圭輔が達也に翻弄される様が読むに堪えられませんでした。
でも、第二部で圭輔が弁護士になり、寿人の助けを借り、事件の真相に迫っていくところでほっとしました。
世の中に絶対的な悪ってあるんですねぇ。
どういう風に圭輔たちが悪と戦っていくか、最後まで読むのを止められませんでした。

下田治美 『愛を乞うひと』2017/02/03



大田黒公園に行ってきました。
冬でも人が来ていますが、静かでのんびりできます。
紅梅と白梅が咲いていました。



この本はずっと前から評判になっていましたが、読んでみようという気になれずにいました。
たぶん、母親の子に対する暴力が強調されて紹介されているのが嫌だったのだと思います。
救いのない話だとばかり思っていましたが、今回読んでみて驚きました。
予期しない話だったからです。

台湾出身の父が亡くなってから施設に入っていた照恵は、10歳の時に別れて住んでいた母・豊子に引き取られます。
母は他の男と住んでいて、その男との間に弟がいました。
母との生活はいつ始まるかわからない暴力を恐れる毎日でした。
一旦暴力をふるい始めると母は体力が続く限り止めません。
そんな生活も高校を卒業し、会社に入ってから終わりを告げます。

母と別れ、結婚し、娘もでき、これからという時に夫が亡くなります。
しばらく娘を育てることに専念していましたが、弟が逮捕され差し入れを持ってきてほしいという警察からの電話がきっかけとなり、隠していた過去を娘に話すことになります。
話を聞いた娘は祖母への復讐として祖父の骨をさがそうと言いだします。
骨を探しを続けるうちに照恵は父の祖国、台湾まで行くことになります・・・。

家庭で虐待された子は、親になった時に親にされたのと同じように子に虐待をしがちだと言われています。
照恵が娘に暴力を振るわないのは、父や施設の方々、夫のおかげでしょうか。
書かれていませんが、母親の豊子は幼い時に虐待を受けていた可能性がありますね。
豊子の側からの話を書いたらどうなったでしょうか。
読んでみたかったです。

テレビ化や映画化をする時は、どうしても人の目を引く宣伝をしがちですが、虐待の話ではなかったんですねぇ。
照恵が自分の過去を辿る話だったんです。

『代償』と共に心に痛いけれど、救いのある本でした。

大崎梢 『本バスめぐりん。』2017/02/04



元書店員の大崎さんの書いた移動図書館にまつわる謎のお話。

会社を退職してから友人に紹介されて移動図書館の運転手になったばかりのテルさんとバスに同乗する図書館司書のウメちゃん。二人は年の差は40歳。
温厚で思慮深いテルさんと思い立つと行動の方が先になるウメちゃんはいいコンビです。
二人は団地や住宅地、ビジネス街など16か所を二週間かけて巡回し本を貸出しています。

この移動図書館にやってくる人たちのもたらす色々な謎を二人は互いに助け合い解いていきます。

バスにのせる本は三千冊。
場所柄や年代、季節などを考えて本を選んでいきます。
うまく貸し出されると、司書さんも嬉しいでしょうね。

私の住んでいる所は近くに図書館があるので移動図書餡を見たことがありません。
あるのかしら?
そういえば児童館で区の本が借りられると聞いたことがあります。
結構児童館が多いので、移動図書館の代わりなのかもしれませんね。

心が温かくなる、安心して(笑)読める本です。

高橋克彦 『ゴッホ殺人事件』2017/02/05



兄の散歩は先にして、弟と相棒と私で散歩をしました。
兄がいないのでいつもよりテンションが高い弟。
私が図書館から本を借りてきたら、弟犬は嬉しそうにリードをグイグイ引っ張ってやってきました。
こういう時はかわいいのですが・・・。



パリ在住の美術品修復家の加納由梨子は日本にいる母が自殺をし、遺品を整理している時に貸金庫の鍵を見つけます。
貸金庫には絵画のリストが1枚入っており、その中にヴィンセントという文字が書かれていました。
オルセー美術館のゴッホ専門家のキュレーター、マーゴにリストを見てもらうと、それはナチスが押収したゴッホの作品50点のリストだというのです。
彼女はゴッホは自殺ではなく意外な人物に殺されたという仮説を立てており、このリストの中の一点は彼女の仮説を裏付けるものでした。
絵画の行方を探すうちに、ナチスが押収した美術作品を探しているモサドがコンタクトをとってきたり、マーゴが殺されたりと由梨子の周りはきな臭くなっていきます。
そこに現れたのが、元恋人の塔馬双太郎。
心配した由梨子の兄が塔馬に相談したようです。

リストの絵は存在するのか。
ゴッホは自殺ではなく他殺なのか。
名探偵・塔馬双太郎がその謎を解き明かしていきます。

本は上下巻に分かれています。
上巻は由梨子がオルセー美術館のキュレーターたちと共にゴッホの謎に迫っていく様子が描かれており、下巻は塔馬が登場して謎を解いていきます。
ゴッホのことが描かれているところが一番おもしろかったです。
謎解きは今一。
犯人がしばらくしてこの人ではと予想されてしまいますし、犯人だとわかるきっかけもな~んだという感じですから。
由梨子さんの活躍も後半なくて、ちょっと残念でした。

ゴッホって稀有な魅力のある画家だという思いを強くした作品でした。

二宮敦人 『最後の医者は桜を見上げて君を想う』2017/02/07



伏せをしてから食事をするようにしたら、兄犬はお座りをして食べていました。
いつもはこんなことないのに、がっつきすぎて後ろ足を上げるのを忘れたみたい。
行儀のいい犬です(笑)。

人間の方は一度職場で差し入れがあった酒まんじゅうを買ってきました。
午後1時過ぎに、たまたま前を通った時はお店は閉まっていました。
11時過ぎに行くと開いていました。
午前中に売り切れることが多いとか。
皮が薄く、漉し餡のお酒の匂いがほのかに香る美味しいおまんじゅうです。


荻窪に行くことがあったら買ってみてください。
1個108円。1個から買えます。


表紙が漫画なので内容はどうかと思ったのですが、結構考えさせられるものでした。

死を敗北とし、治療法があるのなら、最後の最後まであきらめずに奇跡を信じてチャレンジしていくという天才外科医、福原。
もう治らないのなら死を受け入れ、最期の日々をどう暮らしていきたいのかを考え、治療をしなくてもいいという選択肢もあるという桐子。
全く相いれない二人の医師。
彼らの友で、患者と共に悩み、患者の心に寄り添い、そばにいてくれる音山。
三人の患者に対し、どう彼らが関わっていくのか。

福原医師は自信があるから、患者の意見を聞かずにどんどんと治療を進めていき、患者はわけもわからず、苦しんで死んでいくような気がします。
私なら、病状の説明を桐子医師に頼み、最期は音山医師に看取ってもらいたいです。

生よりも死を身近に感じる年齢になり、どう生きるかよりもどう死ぬかを考え始めました。
死に方は思うように選べないものね。その時にならないとわからないわよねぇ。
後悔だけはしたくないですね。

サイレント・ブレス』と共に、死について考えさせられる本です。

杜野亜希 『屍活師 女王の法医学』1~142017/02/08



『屍活師』とは「屍は活ける師なり」ということ。

兄弟が多く、学費や生活費を稼ぐためにバイトにあけくれている犬飼は、H医大の4年生。
臨床系の研究室を希望していたのですが成績が振るわなかったため法医学研究室に追いやられ、女王こと準教授の桐山ユキにワンコと呼ばれ、こき使われる毎日。
桐山は優秀な外科医でしたが、何か事情があったため法医学へと転向したようですが、彼女は遺体から思いもかけない事実を読み解いていきます。
彼女と仕事をするうちに臨床を希望していたワンコはだんだんと法医学の世界へ興味を持つようになっていきます。

ワンコの思い込みの強さと味音痴の桐山の食べる物がとんでもなく、笑えます。
何故か解剖している時に、桐山と犬飼に「見える」のが不思議です。

読み進めるうちに桐山の過去がだんだんと明らかになっていきますが、彼女の重い過去をワンコが支えられるのか・・・?

法医学といいながら、深刻でもないし、暗くもないし、サラッと読める内容です。

西原理恵子 『ダーリンは70歳』&『ダーリンは71歳』2017/02/09

犬って利口です。
今日は雨なので外で遊べないと感じるらしく、いつもは五月蠅いのに、今日は静かに寝ています。
チャイムの音がしても吠えません。
静かでなんか変です。
いつも雨だったらいいのにと思ったりします。


兄犬はかまってもらえないと、座布団をハウスから引出して暴れた後に、クッションの上に寝ています。
生意気にも座布団を折って枕にしています(笑)。



女性も男性もいくつを過ぎたら年の差を言わなくなるんでしょう?
西原さんは51歳、ダーリンこと高須医師は71歳。
年の差20歳ですよ。
まんがの説明を読むと、彼らは年の差ではなく合計122歳と強調されてます。
女性は50歳過ぎたあたりから、年の差があっても、うらやましがられなくなるのからかしら?
西原さんが40歳だったら年の差20歳と書かれるのかな?
もし女性が71歳で男性が51歳だったら・・・。

なんてことは置いておいて、微笑ましいカップルです。
もう結婚なんかはしなくても、残り少ない年月を一緒にいるだけでいいんでしょうね。
西原さんの貧乏臭さ(失礼)と高須さんのお金に対する無頓着さが笑えます。
金ではなく体に惹かれているなどと臆面もなく書かれていますが、西原さんはまんがでそれなりに稼いでいるからこそ言えることでしょうね。

高須医師の短気さと時間感覚が付き合うと大変そうです。
せっかく行ったのに買い物や観光を楽しまないなんて。
買い物も迷うことが楽しみだったりするのに、彼は迷うことは時間の無駄という考えの人なんです。

とにかく末永くお幸せに、私たちを笑わせて下さいといいたくなりました。

犬たちの仁義なき戦い(?)2017/02/10

犬たちは、今日は晴れているのがわかるらしく、そわそわとしています。

昨日は家の中で大暴れをしました。

まずは兄にテニスボールを渡して、しばらく遊び、おしめをした(どこにでもおしっこしそうなので)弟を参加させると・・・。


いつものように弟がボールを取ってしまいます。
「おい、おれにもくれよ」と兄。無視する弟。
「取れるものなら取ってみろ」とわざと口からボールを離します。


そうすると、めずらしく兄がボールを取り返しました。


「取れるなら取ってみろよ」と兄も弟を刺激します。


「ほーら」


「取れないだろう」


弟が近づくと唸ります。
弟は兄の迫力に怖がっています。
しかし、そこはちゃっかりした弟。
兄からボールを奪ってしまいました。


「返せよ」とタックルする兄。
「これ、僕のだよ」と兄のハウスに入り込む弟。


満足した弟がポーズをとってくれました。
兄の負けです。

最後は仲良く(?)一緒に。


柴犬などは喧嘩をすると流血さわぎになるそうですが、家の犬たちはそこまで喧嘩をしません。
一応弟が兄をたてているからです。


おやつのボーロをあげるから2分待とうね。
(トリミング前なので、ボッサボッサの兄です)
兄は5分以上待てますが、弟はボーロを見るとすぐに食べようとします。

おっとり兄にちゃっかり弟です。

(iPhoneのカメラなのでちょっとボケてます)

トリミングに行きました♪2017/02/11

兄の毛がボサボサになってきたので、トリミングに行きました。
彼の毛は伸びるとクルクル巻き毛になるので、みすぼらしくなるのです。

カット前の顔は毛がモジャモジャで目が小さく見えます。


カット後はさっぱりしました。


目の下の毛が伸びると目に入るので、今回はすっきりするようにとお願いしました。
 

兄は体の毛は6ミリで足を丸くカットしてもらっています。

弟は直毛なので、伸びてもそれほどではないのですが、やはり目の下の毛が目に入るようになったので、嫌がりましたがトリミングに行く前に私が切りました。
よくよく見るとカクカクした切り口です。


専門家にカットしてもらうとこうなります。


やっぱり弟の方が伸びても、それほどではないです。
彼のシッポを丸くカットしてもらっています。(写真に撮れませんでしたが)


顔は茶色なのですが体の毛がシルバーになっています。


二匹一緒に写真を撮りましたが、何度撮っても近くに寄らない二匹です。