吉永南央 『まひるまの星』2017/03/13




近所で工事をしているようです。
犬たちは音が嫌らしく、ワンワンとうるさいです。



和食器とコーヒー豆のお店、「小蔵屋」を営む杉浦草のところに、思いもかけないことが持ちかけられます。
自分が引退してからと思い約束していた山車蔵の移転話が持ち上がったのです。
まだ店をたたむのは早いと思い、移転先を探しますが、ちょうどいい場所は草の母と仲たがいをした女将のいる鰻屋の前の古い工場の跡地でした。

鰻屋の女将は清子と言い、一時、草の母と密接な付き合いをしていたのに、理由がわからないまま付き合いが途絶え、母は草にその鰻屋には絶対に行くなと言ったまま亡くなってしまったのです。
母が亡くなった後に、「清子さんへ」と書いた紙と着物が残されていました。

工場跡地の持ち主がわかり、山車蔵に使ってもいいという許しが出たのですが、何故か鰻屋の清子は反対します。
一体、草の母と清子の間に何があったのでしょうか。
草は母との因縁を解くために避けていた清子と立ち向かうことにします。

人と人の間は本当に難しいものですね。
特にこじれてしまった場合は。
草さんのいい所は、こんがらがってしまった間を何とかして解こうとするところです。
特に今回のような生活がかかっている場合はなかなかいい落としどころってないですもの。
草さんの知恵に感心します。
私は年をとってもそうはなれないでしょうね。
彼女のような暮らしを参考にして、老いていきたいですけどね。

この本で心に残った言葉。

「過去にならないものなんて、この世に一つもないわ」

だからこそ未来に向かって生きていきたいですね。

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