ローラ・チャイルズ 『レモン・ティーと危ない秘密の話』2024/12/06

「お茶と探偵」シリーズの25作目。


チャールストンにあるインディゴ・ティーショップのオーナーのセオドシア・ブラウニングは「レモンのお茶会」を主催していた。
会場は本物のレモン畑で、採りたてのレモンが積み上げられ、レモン風味のお茶の香りがただよい、レモンのスコーンが一品目に出された。
そして、今回のお茶会の目玉、<レモン・スクイーズ・クチュール>という新しいファッションブランドのファッションショーが始まろうとしていた。
ところが、有名ブティック<コットン・ダック>のオーナーであるデレインと<レモン・スクイーズ・クチュール>のクリエイティブ・ディレクターになった彼女の姉のナディーンは、ショーで見せる衣装の順番を巡って大喧嘩をしていた。
セオドシアはなんとか二人をなだめ、喧嘩を止めさせた。
しかし、その後、とんでもないことが起る。
レモンカードを補給しようと、セオドシアがウォークイン冷蔵庫の扉を開けると、レモンカードのボウルに頭をつっこんでいる遺体が現われたのだ。
その遺体はナディーンで、後頭部を銃で撃たれていた。

セオドシアはナディーンの娘のベッティーナから犯人を突きとめて欲しいと頼まれ、ドレイトンといっしょに犯人捜しに乗り出す。

セオドシアはチャールストンのミス・マープルとか少女探偵ナンシー・ドルーとかトリクシー・ベルデン(1948年から1986年に書かれた「探偵」ミステリ・シリーズの主人公だそうです)とか言われて、その気になっていますねww。
今回はチャールストン・ファッション・ウィークという一大イベントが開催されていたり、クラッシックカーのイベントなども行われていて、いつも以上に華やいだ雰囲気です。
チャールストンって楽しそうな町ですね。

さて、いつも楽しみにしているお茶会ですが、セオドシアたちは「レモンのお茶会」の他に「スターリングシルバーのお茶会」や「アイルランド風クリーム・ティー」、ティー・トロリー・ツアーでのランチのお茶会などを催します。

では、「アイルランド風クリーム・ティー」を紹介しましょう。
緑色のシャムロック柄がついた白いリネンとドニゴール・パリアンのアイリッシュローズ柄の食器を使い、貝殻サルビア(別名アイルランドの鐘)をベリークの花瓶にいけ、各テーブルに白いピラーキャンドルと焼き物の羊、アイリッシュハープとシャムロックを置きます。
ランチの一品目はベーキングソーダを使ったアイルランド風スコーンにアイルランド産のクリーマリーバターとイチゴジャムかオレンジマーマレード。
二品目はジャガイモとリーキのスープ。
三品目のメインディッシュはブラウンシュガーをまぶして焼いたサーモンのグリルに付け合わせのアスパラガスのキャラメリゼと在来種のトマトを使ったサラダ。
デザートはアイリッシュ・アップルケーキ。
お茶は<シンプソン&ヴェイル>のアイリッシュ・ブレックファーストです。
書かれていませんが、アイリッシュ・ミュージックが流れているんでしょうね。

あとがきにも書いてありますが、このシリーズは29作目が来年の三月に出版されるようです。
26作目の『Honey Drop Dead』では、セオドシアが「ハニー・ビー・ティー」を催している時に偽りの養蜂家が現われ、パーティは混乱し、州議会候補が殺されるという事件が起ります。
だんだんと事件が大きくなってないですか。
チャールストンの警察は何をしているんでしょうねぇ。


「お茶と探偵」シリーズの順番。
①『ダージリンは死を招く』
⑬『ローズ・ティーは昔の恋人に』
㉕『レモン・ティーと危ない秘密の話』