鳴海響一 『湘南機動鑑識隊 朝比奈小雪』 ― 2025/05/17
鳴海さんの新しいシリーズです。

朝比奈小雪は鑑識体制の強化を目的に新設された機動鑑識隊江の島分駐所の新米鑑識員。
機動鑑識隊は湘南地域で発生した事件に二十四時間対応する遊軍部隊だ。
小雪は江ノ島生まれで、今も江ノ島に住んでいる。
美術大学を出てから二年間は県警総務部広報県民課の事務職員をやっていたが、途中から警察官になりたくなり、警察官試験を受け採用された。
警察学校を卒業し、麻生署の交番勤務を経て、今年の四月に希望の刑事部機動鑑識隊に異動できた。
小雪の属する機動鑑識隊、縮めて機鑑隊のメンバーは池田班長と平井、戸川、磯辺、そして小雪の五名だ。
小雪は初めての出動でヘマをしてしまう。
マンションの5階の自室から転落したらしいマルガイ(被害者)を見て気を失ってしまったのだ。
その上、被害者の部屋にシャム猫の首が置かれているのを見て、意識を失った際に嘔吐してしまう。現場を汚してしまったのだ。
一ヶ月半が過ぎた頃、小雪の努力が実り、「手先が器用な新人鑑識」として認められるようになる。
異動してから三カ月経ち、少しだけ仕事に慣れてきた頃、変死している一人暮らしの老人の家で小雪は奇妙な足跡を見つける。
侵入者のうちの一人の足跡に迷いがないのだ。
小雪はこの『迷いなき男』が気になる。
それから半月も経たないうちに、小雪はまた『迷いなき男』と出会う。
現場に現れた捜査一課特命係の向井警部補は小雪の推理に関心を持つが・・・。
小雪は鑑識をするよりも刑事になった方がよさそうに思えますが、これからどうなって行くのか、一作目ですから様子見しましょう。
彼女のお父さんが有名な画家で、絵筆の扱いになれているので、娘にメイクをする場面が出てきて、笑ってしまいました。
これからもお父さんが登場してくれるといいですね。
同僚にはいけ好かない先輩がいますが、上司には恵まれているようなので、小雪もそのうちに戦力になるでしょう。
小雪の好きな絵はオランダのエレイン・デ・クーニングの≪無題(闘牛)≫でアーディゾン美術館にあるそうです。

なんとも言えない絵です。私には苦手な抽象画だわww。
美術館で見たかどうか、記憶にありません。
今のところヒロインの小雪にあまり魅力は感じていませんが、鑑識の仕事に興味があるので、続けて読んでみるつもりです。
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