あさのあつこ 『バッテリー 2』2006/03/17

巧と豪が中学校に入学し、野球部で活躍しようと思っていたのですが、部の指導教師は管理主義的な人でした。
練習は淀みなく進んでいくのですが、部員の熱意が感じられなく、先輩達は一生懸命やろうとする巧を面白くなく思い、嫌がらせを始めます。
巧はそんな彼らに反発します。
坊主にするように言われたのですが、坊主にしても野球は上手くならない、それならばする必要がない。
自分の力なら、教師の言うことをきかなくても、試合にでられる等等巧は言い放ち、周りに妥協しようとはしません。
巧がリンチされている時に、側にいながら止められず、そのことを苦に思った友だちが学校に来なくなります。
彼を捜し回っているうちに、友人へのリンチの場面に遭遇し、一緒に来た監督は跳び箱の下敷きになってしまいます。
この事件が元で、野球部は練習禁止になってしまいます。
練習ができないためになお、野球への思いは増すばかり。

一人の天才ピッチャーの素質を持った巧が、周りと摩擦を起こしながらも、自分の道を全うしようとします。
始めは自分のことしか考えなかった巧が、豪と出会うことで変わっていきます。
少年達の心理描写がうまいです。
13歳の頃、こんなことを考えていたのだろうか、とふと思ってしまいました。
野球を扱っていますが、野球が主ではなく、少年達の心の動きが主のお話です。