天野節子 『氷の華』2008/08/28

テレビ朝日でドラマ化されるという『氷の華』を読んでみました。
といっても、ドラマ化されるから読んだわけではなくて、週間文春のお勧めミステリーだかの1位になっていたので、買ってみたのです。
ドラマでは悪女役で開花した米倉凉子がヒロインの瀬野恭子を演じ、刑事役に館ひろし、弁護士に渡哲也だそうで、石原軍団の2大俳優が出ます。
本の印象から刑事役に渡さんかと思いました。
本ではヒロインは専業主婦なのに、ドラマではピアニストで、同じように夫は会社の営業部長なのに、病院院長になってます。
まあ色々と演出上のこととかがあり、変えざる得ないんでしょうね。

作者の天野節子さんは変わった経歴の方です。
幼稚園教諭として20年勤め、その後幼児教育に20年関わっていたのに、60歳を前に推理小説を書こうと決心したそうです。
私もできるかもと思わせてくれる方ですね。
さて、ストーリーは・・・。

孤児ではあるけれど、定収入があり、子供のいないおじから会社の株を相続することが決まっている裕福な専業主婦、恭子が同窓会のある日に思いがけない電話をうけます。
夫、隆之の子供を妊娠したから隆之と別れてくれというものでした。
その上女は恭子が不妊症であるということも知っていました。
郵便受けには、女が言ったように、その女の住所と名前の入った母子手帳が入っていました。
夫の欄には隆之の字による名前が書かれています。
その母子手帳を見たとき、恭子は殺害を決心します。
家にあった農薬と夫のキーリングから女のアパートの鍵を取り、女のアパートに行き、オレンジジュースの中に農薬を入れました。
計画は上手く行ったはずでしたが、恭子がアパートに行った時にあったはずの物がなかったりと何かが変です。
夫は本当にこの女と関係を持っていたのか?
私は違う女を殺してしまったのではないか?
恭子の中に疑惑がわき上がってきます。

どうしても私にはわからないのが、恭子が不妊症であるということを隠そうとする気持ちです。
それがそんなに屈辱的なのでしょうか。

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