川西蘭 『セカンド・ウインド 1~3』 ― 2010/11/13
『サクリファイス』を紹介してくれた同僚に、「こういう話とっても好き」と言うと、貸してくれたのがこの本です。
「セカンドウインド」とは、「長距離走などで運動を始めてしばらく苦しい呼吸の時期が続き、デッド・ポイントを通過すると、突然呼吸が楽になる」こと。
『セカンドウインド 1』
「セカンドウインド」とは、「長距離走などで運動を始めてしばらく苦しい呼吸の時期が続き、デッド・ポイントを通過すると、突然呼吸が楽になる」こと。
『セカンドウインド 1』

主人公の溝口洋は鳴滝村で育ちました。父は死亡、母は行方不明なので、祖父と祖母に育てられました。
祖母が亡くなってから、山仕事をしている祖父と二人暮らしをしており、無口で偏屈な祖父と心を通わせることもかないません。
元郵便配達用自転車を自分の小遣いで買いましたが、何故か祖父は嫌な顔をします。
洋は自転車に乗ることが好きなのです。
雲見峠で自転車に乗っていると、自転車ロードレースの実業団チームと遭遇しました。その時、一緒にいたジュニアクラブの選手を目のあたりにします。
賞金がロードレーサーの大会を教えられ、洋はロードレーサー目当てに参加することにします。
その大会には雲見峠で出会ったジュニアクラブの面々も参加していました。
三位になった洋は、南雲デンキ自転車部コーチの黒岩から、ジュニアクラブの練習に誘われましう。
洋は祖父に内緒で練習に参加します。
南雲デンキ自転車部のジュニアクラブに参加するには祖父の同意が必要でした。
祖父に反対されるのがわかっている洋はジュニアクラブに入るのを諦めます。
夏休み、ヒルクライマーの聖地、清姫峠に行った洋は、天性のヒルクライマーである田村岳に出会い、一緒に清姫峠を攻略します。
仲良くなった岳から『金剛ヶ峰自転車ロードレース』のことを聞き、一緒に出場することにします。
このレースに参加するには、祖父の同意が必要でした。
洋は祖父に自転車をやりたい気持ちを告げることにします。
この大会で上位に入れば自転車の強豪、南雲学院へのスポーツ推薦の道が開けるのです。
『セカンドウインド 2』

南雲学院二年生の春、洋はスランプに陥っていました。
ある大会でキャプテンの南雲真一と競い、ゴール直前に油の跡を見つけ、転倒の危険を避けたのですが、この時、真一は転倒し、顔に怪我をしたのです。
それ以来、転倒の恐怖がついてまわることになります。
周りは洋が練習に集中していない、自転車に人生を賭けていないと言います。
洋はエースとしての身分を無くし、チームのアシストのような役割をするようになっていきます。
そういう時に、カナダから二人の留学生がやってきました。
彼らはMTB(マウンテンバイク)の乗り手で、この二人の相手をするうちに、洋に自転車に乗ることの楽しみがよみがえってきました。
そして、夏の大会に洋は出ることになりますが・・・。
『セカンドウインド 3』

高校三年になり、洋は自転車部のキャプテンになりました。
キャプテンとして自分は満足な働きをしていないのではないかと悩む毎日。
自転車部をとりまく環境も変わりつつあります。
というのも、自転車部の予算が相当削減されたのです。
生き残りをかけて、新しいコーチがやってくることになります。
新しく来たコーチのスパルタ指導のため、指導に対する反発や連覇へのプレッシャーで、自転車部の中もガタついてきます。
そんな中、洋も恋に将来に、悩むことになります。
洋はどういう道を選ぶことになるのでしょうか。
おもしろくて三巻まで続けて読んでしまいました。
洋君、青春スポーツ小説のお約束通り、ちょっとまじめ過ぎ。
どう高みまで行くのか、四巻まで待たなければならないようです。
両親のことが四巻でわかるのでしょうね。
大人でも楽しめる、青春スポーツ小説です。
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