善性寺の枝垂れ桜 ― 2011/04/01
日暮里駅からすぐにある善性寺の枝垂れ桜がほぼ満開になっています。



ミモザもあるので、枝垂れ桜とミモザの競演です。

ミモザの下にクリスマスローズが咲いています。

クリスマスローズを育てたことがないのでわからないのですが、この緑色から色が変わっていくのかしら?

心が折れそうになっても、春に桜が咲いているだけで何やら頑張れる気になります。


上野公園では一部の桜が咲いたとか。見に行きたいのは山々ですが、パンダが今日から見られるそうで、人が多そうですね。
谷中墓地の桜はまだのようです。
ジル・チャーチル 『眺めのいいヘマ』 ― 2011/04/02

この題名、何を言っているのか疑問に思うでしょう。原題は"A GROOM WITH A
VIEW"。そう、E.M.フォースターの"A ROOM WITH A VIEW"(『眺めのいい部屋』)の捩りです。ヘマって何?「hem」のことでしょうか?今回殺されるのがお針子さんですから。
翻訳家(編集者?)も大変ですね。原題を参考に捩らなければならないのですから。
翻訳家がお亡くなりになり、前の『カオスの商人』(もちろん『ベニスの商人』の捩りね)から新しい方が翻訳していますが、会話に違和感を感じてます。なんかジェーンもシェリイも蓮っ葉な感じで・・・。
前回は慣れないクリスマスの「クッキー交換パーティ」なんかをやって、とんでもない目に会ったジェーンですが、彼女も学ばない。今度は結婚式のプランニングをやるのです。
たまたま「クッキー交換パーティ」に来ていたリヴィから頼まれ、結構な謝礼がもらえることがわかり、やる気になっちゃったのです。
もちろん親友のシェリイにもお手伝いをお願いしています。
結婚式はリヴィのたっての頼みのとおり、田舎の狩猟小屋で行うことになります。
前もって狩猟小屋に行き、色々と手配をするのですが、花嫁付添人のドレスがまだできていなくて、あたふたしています。
お針子のミセス・クロスウェイトは扱いずらい人で、腕はいいのですが・・・。
やって来た結婚式関係者も一癖も二癖もありそう。
何もなければいいと思っていたら、大事な衣装を作るミセス・クロスウェイが階段から落ちて死んでしまいます。
さて、無事に結婚式は行えるのでしょうか。
アメリカの結婚式の大変さは色々な本に書いてあったので知っていたのですが、ホント、お金をかける人はかけるのですねぇ。
日本のように画一的なのは楽です。でも面白くないです。
今度結婚式をやるならガーデンパーティ風がやりたいです。(誰と?)
こういう軽いミステリーは謎解きの楽しさよりも社会環境や人間関係などを楽しみましょうね。
堂場瞬一 『チーム』 ― 2011/04/03
用事で秋葉原の方へいったので、ついでに神田明神へ行ってみました。私は神社やお寺、教会が好きなのです。


大安なのでしょうか。新郎新婦が写真を撮っていました。
写真撮っているので後ろで拝もうにも拝めず、仕方なく終わるのを待ちました。
このカップルの後にも次々と式が行われるようです。次のカップルが登場しました。

未来が不確実な現在。彼らの未来が幸せでありますように。
神田明神の駐車場の上に庭があり、桜や梅などの花が咲いています。名前をメモしてこなかったので、名前を知りたい方は訪れてみてください。




おみくじを引いてみました。末吉で、今は大変な時期だけど、我慢を続けて頑張っていけば大丈夫というようなことが書かれていました。

堂場さんは警察ミステリーしか書いていないと思っていたのですが、この『チーム』はスポーツ小説でした。まったくミステリーとは関係ありません。
写真からわかるように箱根駅伝を描いています。
箱根駅伝と言えば、私の中では三浦しをんの『風が強く吹いている』ですが、この本も駅伝を知るにはお勧めの本です。
所属する大学が箱根駅伝出場を逃し、がっかりしていた美浜大学4回生の浦は、「学連選抜」の一員として走ることになります。
「学連選抜」とは、大学チームは箱根駅の出場を逃したけれど、個人的に好タイムを出した選手が選ばれ作られた、寄せ集めの選抜チームのことです。
大学の監督が選抜チームの監督になった関係から、浦は「学連選抜」チームのキャプテンになることになります。
浦にとって最後の駅伝です。寄せ集めのチームではあるけれど、それぞれ色々な思いを抱いて走ることになります。
浦は一つのチームとして襷を繋いでいこうと、チームをまとめるために努力します。
浦が頑張るのにも理由がありました。浦にとって昨年の箱根駅伝は辛い思い出のあるものなのです。彼が今後も走り続けるために、今回の駅伝参加は必要なことなのです。
寄せ集めチームにとっての「爆弾」は、天才ランナーで怪我知らず、どんなコースでも走れる東体大の山城でした。
彼は自分はランナーだから、走るチャンスがあれば走る。今回の駅伝は自分のいいアピールになるし、次のマラソンのための単なる調整のようなものだと言い切るのです。
さて、寄せ集めのチームがどのように箱根で闘うのでしょうか。
何も障害とか挫折のない人は弱い。そう山城を見ながら思いました。
本当に強い人は逆境から這い上がってきた人ではないでしょうか。
浦のように「俺は優秀ではないけれどしつこい」。そういう人が真の意味において強い人なのだと思います。
最後にエ?と思うことが。
そうか、駅伝は往路と復路のタイムでそれぞれ優勝を決めるのですね。
読むと面白い駅伝ですが、どうしても見る気になれない駅伝です。
スポーツはやっぱやってみなきゃね。(といっても走るの嫌いです・・・)
「シュルレアリスム展」@国立新美術館 ― 2011/04/04

「シュルレアリスム展」に行ってきました。
この展覧会はパリのポンピドゥセンター所蔵作品からので、5つに分かれています。
Ⅰ・ダダからシュルレアリスムへ 1919-1924
Ⅱ・ある宣言からもうひとつの宣言へ 1924-1929
Ⅲ・不穏な時代 1929-1939
Ⅳ・亡命中のシュルレアリスム 1939-1946
Ⅴ・最後のきらめき 1946-1966
「ダダ」ってなんでしょう。広辞苑で調べてみました。
「第一次大戦中から戦後にかけて欧米に興った芸術運動。既存のあらゆる価値体系を否定し、一切の束縛から脱した自由自在な発想と表現をめざした。反理性・反道徳・反合理主義の姿勢を特色とする」
「ダダ」はフランス語ですが、意味のない語だそうです。
「シュルレアリスム」とは、
「第一次大戦後のフランスに起こった芸術思想の一つ。フロイトの深層心理学などの影響を受け、非合理なものや意識下の心象を表現する方法を主張した。超現実主義」
ようするに自分が表現したいようにする。他人に理解されようがされまいが関係ない。自分というものが肥大した自己満足の世界でしょうか?
好きな作品だけ載せてみます。
この展覧会はパリのポンピドゥセンター所蔵作品からので、5つに分かれています。
Ⅰ・ダダからシュルレアリスムへ 1919-1924
Ⅱ・ある宣言からもうひとつの宣言へ 1924-1929
Ⅲ・不穏な時代 1929-1939
Ⅳ・亡命中のシュルレアリスム 1939-1946
Ⅴ・最後のきらめき 1946-1966
「ダダ」ってなんでしょう。広辞苑で調べてみました。
「第一次大戦中から戦後にかけて欧米に興った芸術運動。既存のあらゆる価値体系を否定し、一切の束縛から脱した自由自在な発想と表現をめざした。反理性・反道徳・反合理主義の姿勢を特色とする」
「ダダ」はフランス語ですが、意味のない語だそうです。
「シュルレアリスム」とは、
「第一次大戦後のフランスに起こった芸術思想の一つ。フロイトの深層心理学などの影響を受け、非合理なものや意識下の心象を表現する方法を主張した。超現実主義」
ようするに自分が表現したいようにする。他人に理解されようがされまいが関係ない。自分というものが肥大した自己満足の世界でしょうか?
好きな作品だけ載せてみます。

「ある午後のメランコリー」 ジョルジョ・キリコ
前方にある2つの植物はアーチチョークでしょうか?こんな↓野菜です。
前方にある2つの植物はアーチチョークでしょうか?こんな↓野菜です。

アーチチョークをながめながら物思いに浸っているんでしょうかね。今日も食べ物がアーチチョークしかないわ・・・とか何とか言って。

「赤いモデル」 ルネ・マグリット
お馴染みのルネ・マグリットです。オーストリアかどこかに行った時にマグリットの作品をたくさん見ました。ポンピドゥーセンターにあるのはちょっと暗い感じの作品です。
どこに「赤」があるのでしょうか?何故足だけなの?足とブーツが一体になっているのは何故?一体画家の頭の中はどうなっているのでしょうか?
お馴染みのルネ・マグリットです。オーストリアかどこかに行った時にマグリットの作品をたくさん見ました。ポンピドゥーセンターにあるのはちょっと暗い感じの作品です。
どこに「赤」があるのでしょうか?何故足だけなの?足とブーツが一体になっているのは何故?一体画家の頭の中はどうなっているのでしょうか?

「沈黙」 ジョアン・ミロ
パッと見ても、ミロだ!とわかります。イラスト的な構図で色がきれいです。
笑っちゃったのが、画家が四人で寄せ描きした絵です。長方形の紙を四つに分けて、頭、胸、臀部、足をそれぞれが描くというもの。
例えば頭がイヴ・タンギー、胸がマン・レイ、臀部がマックス・モリー、足がアンドレ・ブルトン。「甘美な死骸」という題名がついていますが、全然「甘美」ではないと思います。それぞれが「甘美な死骸」という題名から受けたイメージを描いたという感じですか。
パッと見ても、ミロだ!とわかります。イラスト的な構図で色がきれいです。
笑っちゃったのが、画家が四人で寄せ描きした絵です。長方形の紙を四つに分けて、頭、胸、臀部、足をそれぞれが描くというもの。
例えば頭がイヴ・タンギー、胸がマン・レイ、臀部がマックス・モリー、足がアンドレ・ブルトン。「甘美な死骸」という題名がついていますが、全然「甘美」ではないと思います。それぞれが「甘美な死骸」という題名から受けたイメージを描いたという感じですか。

写真ではわかりませんが、実際に見ると紙が4つに折れているのがわかります。子どもがよくやりませんか?
いい年をしたおっさんたちが遊んだのね。
写真家マン・レイの描いた胸なんて立派なのに、何故手が小さいのでしょうね。マックス・モリーのお尻、何が出てるのかしら。深層心理を探ると面白そうです。
この展覧会はあまり人が入っていないので、ゆっくり見られます。
ランチは国立新美術館からすぐのデイジィーカフェで食べることにしました。
一応デンマーク料理のお店です。お昼はランチプレートがあり、スープとプレートで1600円。これに飲み物代をプラスします。使われている食器がロイヤルコペンハーゲンでした。

タイ春巻きなどがついていて、デンマーク風・・・というわけではなかったです。
一緒に「シュルレアリスム展」に行った人と話すことといったら、震災のことしかありません。
彼女はフランスに行く予定だったのですが、止めたそうです。エール・フランスはキャンセル料を取らなかったそうです。
テレビを見てると落ち込んで鬱気味になったと言っていました。反対に戦中派のお母様はシャンとしたそうです。災害時に強いのが戦中派なのですね。
彼女の妹さんの旦那は工業系の大学教授をしていて、東電の社長が自殺未遂で入院したと聞いたそうです。これ、本当かしら?彼はコストカットの業績で社長になったらしく、もしかして原発の安全のための費用もカットしたのかしら?自殺するぐらいなら、福島に行けといいたいですね。
野菜のことも風評被害だとか言っているけれど、そうじゃない。誰でも危ない野菜なんか食べたくない。自分の子供や孫に食べさせられるかどうかで考えて欲しい。危ない、もしくは危なさそうなものは廃棄し、政府が保証すればいいじゃない。なんでできないのよ。
昔原発ができる時に反対運動で署名を集めていた時協力したけれど、でも地元が受け入れると決めたら、それでも反対と言えなかった。利権(金)が絡むと、地元民じゃないと、なかなか反対とは言えなくなる。
しばらく静岡にでも暮らそうかと思って調べたけれど、旦那に仕事があるので、行けない。私だけ行こうかしら。
などと、久しぶりに会ったので2時間ぐらいしゃべりまくりました。
クリスティン・ゴフ 『違いのわかる渡り鳥」 ― 2011/04/05
愛鳥家シリーズの二作目。

『ワタリガラスはやかまし屋』ではレイチェルが活躍しましたが、今回はレイチェルの幼馴染でドラモンド・ホテルのオーナーでバード・ウォッチングが趣味のラーク・ドラモンドが主人公です。
ドラモンド・ホテルでは渡り鳥協会の大会が行われることになっているため、132部屋あるリゾート・ホテルのスイートルームはすべて予約で埋まっていました。もちろんラークも渡り鳥協会の一員です。
レイチェルとウォーブラー・カフェで落ち合うことになっていた日、ラークが出資しているチーパー・コーヒー・カンパニーのエスターから当分の間、コーヒー豆の納品をキャンセルすると言ってきました。
このコーヒー豆は特別なものです。メキシコの栽培者から直接買いつけた無農薬の有機栽培コーヒーで、”野鳥に優しい”というのが売り。
カフェでエスターと話そうとしますがどうも様子がおかしいのです。チーパー・コーヒー・カンパニーの契約農園の娘でカフェでウエイトレスをしているテレサと客の前で大喧嘩をする始末。テレサは頭に来てお店から飛び出していきました。
その後、レイチェルとラークは予定通りバードウォッチングに行きます。変った鳥を見つけ、望遠鏡で見ている時に、ラークはエスターがカフェの駐車場で黒い覆面をした人物にナイフで刺されるのを目撃します。
ラークがドラモンド・ホテルに戻ると、行くところのないテレサが歌手として雇って欲しいと言ってきます。しかし、彼女はグリーン・カードを持っていませんでした。グリーン・カードを持っていない人を雇うのは法律違反です。
テレサのことも気がかりですが、それ以上にウォーブラー・カフェをどうするのかが問題でした。
出資している4人はそれぞれ仕事と渡り鳥協会の大会の仕事があります。損失を最小限にするためにレイチェルにも手伝ってもらい、カフェを続けるしかありません。
なんとかうまくいきそうな時に、また殺人が起こります。
ラークがグループ・リーダーをしていたハイキングで遭難してしまうのです。その時、エスターが殺された理由を知っていると言っていた渡り鳥協会理事長のポール・オーウェンズが殺されたのです。
コーヒーとエスター殺害の間にはどんな関係があったのでしょうか。そして、ポールは何故殺されたのでしょうか。
この頃コーヒーの値段が上がっていますね。私はメキシコがコーヒーの栽培をしているのを知りませんでした。メキシコはサボテンの国という認識だけしかなかったのです。この本の中で書かれているように、革命とか内戦とか色々とあったのですね。現在もあまり政権が安定していないのでしょうかねぇ。
私たちが当たり前に飲んでいるコーヒーですが、どういう風に栽培されているのか考えてみるのもいいかもしれません。
カミラ・レックバリ 『悪童』 ― 2011/04/06

『説教師』では妊娠していたエリカですが、無事子供が生まれました。それなのに幸せでいっぱい・・・ではなく、育児ノイローゼ気味です。子どもがなかなか寝ないのです。パトリックも寝不足気味で仕事に行く始末。実は仕事で家を出られて、ホッとしていたりします。
そういう時に、子どもが生まれてから親しくなった近所のママ友、シャロットの娘で7歳のサーラが海で遺体となって見つかります。検死の結果、殺人事件とみなされます。
シャロットの家族はしばらく前に引越ししてきて、母親の家に居候していました。
シャロットは母親とはうまくいかないので別居したいと思っていたところでした。
母親は再婚相手が病気なので、献身的に面倒をみているなど優しいところもあるのですが、隣人カイとは犬猿の仲です。互いに相手の粗探しをして、些細なことで裁判を起こすは、警察を呼ぶは・・・。
カイの息子モルガンは人とは違っており、”変人”と思われていました。
シャロットの夫である医師のニクラスは娘が遺体で見つかったというのに、連絡しても職場にいませんでした。
ニクラスは偏狂的な父親のために10代の頃に家を飛び出しており、親が近くに住んでいるにも関わらず、会っていません。
怪しい人はたくさんいても、一体誰が何のためにサーラを殺したのかはわかりません。
途中に挟まれる昔の出来事がどう現在と繋がるのか。それがわかった時に謎が解けます。
前の2作よりも読みやすいと思ったら、訳者が変わっていたのですね。
このシリーズ、『ミレニアム』よりも人気があるらしいです。(あとがきによる)
まあ、それぞれの家庭の中の隠された暗部が書かれていて、怖いもの見たさで読まれているのかもしれませんね。
私って人間性善説の人なので、これほどの”悪”を秘めた人がいるなんて信じられないと思ってしまいました。こういう”悪”を想像できないとミステリーは書けないのでしょうね。
読みながら「不寛容」について考えさせられました。程度というものがあるのでしょうが、人はみなそれぞれ他人に対して「不寛容さ」を持っています。できれば、その割合が少ない人間でいたいと思います。
でも、難しい時が多いんですがね。
最後にエリカの妹が・・・。
早く次が読みたいわ。
谷中の桜 ― 2011/04/08
谷中墓地に桜を見に行きました。木にお花見を自粛するようにとの張り紙が(↓)貼ってありました。

大震災で東北地方の人は言うに及ばず、日本中の人々が心に傷を負い、いつ自分がどうなるのかわからないという気持ちが常にまといついています。そんな時に年に一回の桜を見るぐらいいいのではないでしょうか。
古人のように、桜に無常を感じ、酔ってしばし現実を忘れてもゆるされるのでは、なんてちょっと思ってしまいました。
いつも通る道ばたにスズランが咲いていました。

ピンクの名前がわからない花も咲いています。

桜が満開です。




お寺の庭に枝垂れ桜が咲いていました.



風で枝が揺れています。






上野公園も満開なのでしょうね。
坂木 司 『シンデレラ・ティース』 ― 2011/04/09

坂木さんのお仕事シリーズのひとつです。
彼(彼女)って仕事にまつわる謎が好きらしく、和菓子屋(『和菓子のアン』)やクリーニング屋(『切れない糸』)、宅配便業者(『ワーキングホリデー』)だったりと、仕事に関する調査が徹底してますね。
この本は「ティース」ですから「歯」、ようするに「歯医者」に関する話です。
歯医者って好きな人います?
私は嫌いです。虫歯でえらい目にあったことは2度で、口を開けていることが苦手なのです。
歯医者にも謎があるのかと思うかもしれませんが、あるんですねぇ。
大学二年生のサキは友達のヒロちゃんと一緒に夏休みのバイトを探していました。ヒロちゃんはサッサと沖縄のホテルのバイトを見つけたのですが、サキはおっとり(グズ?)なお嬢様で、なかなか決められません。
そんな娘を見ていて、親がしゃしゃり出てきました。(ここがお嬢様と言う感じです)
母親が選んだバイトは、なんとサキが大っ嫌いな歯医者の受付だったのです。
さて、無事にサキはバイトを終わらすことができるでしょうか?
最初は働くという事の意味を理解していなかったサキが、最後に変っていく様がいいですね。
私はサキのトロさが時には苛立たしく思ったりもしましたけど、笑。
他の坂木さん(一応覆面作家なので男か女かわからないらしい)の本よりも、軽い本です。
歯科衛生士など歯のお仕事につきたいと思っている人は是非読んでみてください。
彼(彼女)って仕事にまつわる謎が好きらしく、和菓子屋(『和菓子のアン』)やクリーニング屋(『切れない糸』)、宅配便業者(『ワーキングホリデー』)だったりと、仕事に関する調査が徹底してますね。
この本は「ティース」ですから「歯」、ようするに「歯医者」に関する話です。
歯医者って好きな人います?
私は嫌いです。虫歯でえらい目にあったことは2度で、口を開けていることが苦手なのです。
歯医者にも謎があるのかと思うかもしれませんが、あるんですねぇ。
大学二年生のサキは友達のヒロちゃんと一緒に夏休みのバイトを探していました。ヒロちゃんはサッサと沖縄のホテルのバイトを見つけたのですが、サキはおっとり(グズ?)なお嬢様で、なかなか決められません。
そんな娘を見ていて、親がしゃしゃり出てきました。(ここがお嬢様と言う感じです)
母親が選んだバイトは、なんとサキが大っ嫌いな歯医者の受付だったのです。
さて、無事にサキはバイトを終わらすことができるでしょうか?
最初は働くという事の意味を理解していなかったサキが、最後に変っていく様がいいですね。
私はサキのトロさが時には苛立たしく思ったりもしましたけど、笑。
他の坂木さん(一応覆面作家なので男か女かわからないらしい)の本よりも、軽い本です。
歯科衛生士など歯のお仕事につきたいと思っている人は是非読んでみてください。
映画 『toilet』を観る ― 2011/04/10

『めがね』と『かもめ食堂』を撮った荻上直子監督の作品です。
前の2作よりも色々とあるので、退屈しないでしょう。ただ一人、ばーちゃん役のもたいさんの周りだけ静かな気配が漂っています。
ママが死んだ。
残されたのは三人の兄弟と日本からママが引き取ったばーちゃん。
長男モーリーはコンテストで入賞するほどのピアニストだったのに、4年前にパニック障害を患い、家に引きこもっています。
二男レイはある企業の研究所に勤める、ロボットプラモデルが大好きなオタクです。
妹リサは大学で創作を学んでいる、人を小ばかにしている生意気な女。
ばーちゃんは英語が話せないので、三人とはコミュニケーションがとれません。毎朝トイレから出てくると、何故かため息をつきます。
家族のアイドル(?)はいつも気ままな猫のセンセイ。
レイは今日も明日も変わりのない日々を送っていたはずなのに、ママが死んでからアパートが火災を起こしたので、ママが残した家に住むことになります。
彼は毎日同じ服を着て仕事に行きます。同じシャツを7枚持っているのです。
仕事をしていると電話が来て、モーリーかリサの相手をしなければならなくなり、自分のペースを乱されます。同僚から彼女ができたのかと怪しまれる始末。
ばーちゃんは本当に自分たちのばーちゃんか疑い、遺伝子検査をしてもらうのだけど、間違って自分とリサの髪を検査に出してしまいます。
モーリーは部屋を片付けていて、ママの古いミシンを見つけます。
作りたいものがあるからと、ばーちゃんからお金を借り、4年ぶりに外に出かけ布を買いますが、バスの中で自分を知っている女の子に会い、発作を起こしてしまいます。
彼が作ったのは、何故か女の人が着るスカート。
このスカートをはいてから、彼はピアノが弾けるようになります。
リサは創作の授業で変わった詩を作る男の子に惚れ、付き合うようになったのだけれど・・・。
何も話さないばーちゃんと暮らすうちに、それぞれが変化していきます。
モーリーはまたピアノコンテストに出ようと思い始め、レイは自分のことしか考えないオタクだったのに、火災保険で手に入れた3000ドルをロボットを買うよりもばーちゃんのために使おうと思います。
リサはばーちゃんが見ていたエアギターコンテストに出ようと思います。
ばーちゃんはそんな三人を見ても、相変わらず・・・。
『めがね』でも美味しそうな料理が出てきたのですが、今回は餃子です。日本人が日常で食べている料理が本当に美味しそうに出てくるのです。
この映画を見た外国人は絶対に餃子を食べたくなるでしょう。
前の2作よりも色々とあるので、退屈しないでしょう。ただ一人、ばーちゃん役のもたいさんの周りだけ静かな気配が漂っています。
ママが死んだ。
残されたのは三人の兄弟と日本からママが引き取ったばーちゃん。
長男モーリーはコンテストで入賞するほどのピアニストだったのに、4年前にパニック障害を患い、家に引きこもっています。
二男レイはある企業の研究所に勤める、ロボットプラモデルが大好きなオタクです。
妹リサは大学で創作を学んでいる、人を小ばかにしている生意気な女。
ばーちゃんは英語が話せないので、三人とはコミュニケーションがとれません。毎朝トイレから出てくると、何故かため息をつきます。
家族のアイドル(?)はいつも気ままな猫のセンセイ。
レイは今日も明日も変わりのない日々を送っていたはずなのに、ママが死んでからアパートが火災を起こしたので、ママが残した家に住むことになります。
彼は毎日同じ服を着て仕事に行きます。同じシャツを7枚持っているのです。
仕事をしていると電話が来て、モーリーかリサの相手をしなければならなくなり、自分のペースを乱されます。同僚から彼女ができたのかと怪しまれる始末。
ばーちゃんは本当に自分たちのばーちゃんか疑い、遺伝子検査をしてもらうのだけど、間違って自分とリサの髪を検査に出してしまいます。
モーリーは部屋を片付けていて、ママの古いミシンを見つけます。
作りたいものがあるからと、ばーちゃんからお金を借り、4年ぶりに外に出かけ布を買いますが、バスの中で自分を知っている女の子に会い、発作を起こしてしまいます。
彼が作ったのは、何故か女の人が着るスカート。
このスカートをはいてから、彼はピアノが弾けるようになります。
リサは創作の授業で変わった詩を作る男の子に惚れ、付き合うようになったのだけれど・・・。
何も話さないばーちゃんと暮らすうちに、それぞれが変化していきます。
モーリーはまたピアノコンテストに出ようと思い始め、レイは自分のことしか考えないオタクだったのに、火災保険で手に入れた3000ドルをロボットを買うよりもばーちゃんのために使おうと思います。
リサはばーちゃんが見ていたエアギターコンテストに出ようと思います。
ばーちゃんはそんな三人を見ても、相変わらず・・・。
『めがね』でも美味しそうな料理が出てきたのですが、今回は餃子です。日本人が日常で食べている料理が本当に美味しそうに出てくるのです。
この映画を見た外国人は絶対に餃子を食べたくなるでしょう。

モーリーのスカート姿、見たいでしょう。ありました。上は普通の服なのに、何故かスカートをはいているのです。
コンテストの時も上は黒いジャケットなのに下はスカートでした。意外と似合っちゃうところがすごいです。
コンテストの時も上は黒いジャケットなのに下はスカートでした。意外と似合っちゃうところがすごいです。

こんな変った子供たちのママってどんなんだったんでしょうね。
何も言わずに黙って座っているもたいさんの存在感でもっている映画です。
彼女は菩薩?
日本のトイレのウォシュレットは偉大だと思いますが、どうしても必要なものかというと、どちらかというと無くてもいいものですよね。
これから少しずつ、何が本当に必要かと考えながら暮らしていかなくてはなりませんね。
坂本 司 『ホテルジューシー』 ― 2011/04/11
昨日は谷中墓地から上野公園まで歩きました。
自粛しているから花見客が少ないということを聞いたのですが、そんなことなかったですよ。
やっぱりみんな、桜を見たくなって出かけたのですね。
少なくなったという外国人の方もいました。少しずつ少しずつ日常生活が戻っているという感じです。
自粛しているから花見客が少ないということを聞いたのですが、そんなことなかったですよ。
やっぱりみんな、桜を見たくなって出かけたのですね。
少なくなったという外国人の方もいました。少しずつ少しずつ日常生活が戻っているという感じです。


桜もいいのですが、上野公園の若葉がきれいでした。

『シンデレラ・ティース』の主人公サキの友達、ヒロちゃんのバイトの話です。

ヒロちゃんは大家族の長女ということもあり、サキとは違いしっかりもんです。
サキがのんびりしているので、ついつい手伝おうと思ったりもしますが、そこは抑えて、サッサと沖縄でバイトをすることにしました。
ヒロちゃんが『プチリゾート・南風』という石垣島のホテルで働いていると、オーナー夫人に、お世話になった人がいる那覇のホテルが困っているので、那覇のホテルに行って働いてもらえないかと頼まれます。
サキがのんびりしているので、ついつい手伝おうと思ったりもしますが、そこは抑えて、サッサと沖縄でバイトをすることにしました。
ヒロちゃんが『プチリゾート・南風』という石垣島のホテルで働いていると、オーナー夫人に、お世話になった人がいる那覇のホテルが困っているので、那覇のホテルに行って働いてもらえないかと頼まれます。
人に頼まれると嫌と言えないのがヒロちゃんです。
那覇のホテルは『ホテルジューシー』というなんか変な名前。
嫌~な予感がします。
このホテルは二階から四階までは普通のマンションなのに、五階から七階がホテルという不思議な作りです。リピーターや口コミ客が多いそうです。
安城というオーナー代理は昼間はへたれなのに、夜に人格が変わってしまう人。
通いの調理担当が比嘉照子さんで、お掃除は二人のおばあさん、センばあとクメばあがやります。
従業員も変わっているだけでなく、お客も変わっています。
いつもいい子でしっかりしていると言われていたヒロちゃんは、自分の価値観と合わないものは拒否ってばかりいました。
那覇のホテルは『ホテルジューシー』というなんか変な名前。
嫌~な予感がします。
このホテルは二階から四階までは普通のマンションなのに、五階から七階がホテルという不思議な作りです。リピーターや口コミ客が多いそうです。
安城というオーナー代理は昼間はへたれなのに、夜に人格が変わってしまう人。
通いの調理担当が比嘉照子さんで、お掃除は二人のおばあさん、センばあとクメばあがやります。
従業員も変わっているだけでなく、お客も変わっています。
いつもいい子でしっかりしていると言われていたヒロちゃんは、自分の価値観と合わないものは拒否ってばかりいました。
しかし沖縄の空気に触れて、だんだんと変わっていきます。
「世界は柿生(ヒロちゃん)がいなくても回るし、このホテルもいなけりゃいないでなんとかなる」
「いなくてもなんとかなるけど、いたらもっと楽しい。そうでしょう?」
なるほど。
人生はたまに、他人の手でかき混ぜられた方が面白い、かな、笑。
『シンデレラ・ティース』のサキはどこまで行ってもお嬢さんという感じですが、ヒロちゃんはしっかりものの仮面を捨てたら怖いものなしですね。
いい大人になりそうです。
沖縄の島に行って「たそがれ」てみたいと、また思いました。
「世界は柿生(ヒロちゃん)がいなくても回るし、このホテルもいなけりゃいないでなんとかなる」
「いなくてもなんとかなるけど、いたらもっと楽しい。そうでしょう?」
なるほど。
人生はたまに、他人の手でかき混ぜられた方が面白い、かな、笑。
『シンデレラ・ティース』のサキはどこまで行ってもお嬢さんという感じですが、ヒロちゃんはしっかりものの仮面を捨てたら怖いものなしですね。
いい大人になりそうです。
沖縄の島に行って「たそがれ」てみたいと、また思いました。
いつ行けるかな・・・?
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