幸田真音 『Hello, CEO』2011/10/14

久しぶりの経済小説です。といっても、大分前に読んでいた本ですが。


外資系クレジット・カード会社のマーケティング部に所属している27歳の藤崎翔は、休暇明けの日に、とんでもないことを聞きます。
会社が大規模なリストラをやるというのです。
信頼していた上司の早坂や仕事ができると翔が認めていた神宮司までがリストラの対象になっていました。
リストラのメンバーには入っていませんでしたが、翔は会社のやり方に反発を感じました。

会社では早期退職プログラムが発表されました。
偶然出会った早坂の話を聞いてから、「会社で働くというのは、いったいどういうことなのだろう」と翔は考え始めます。

この本は新しい会社を立ち上げるという話で、なんと翔がCEOになっちゃうというのですから。ちょっと現実離れしているようですが、ベンチャー企業で若い社長がたくさんいますから、あながちない話ではないですよね。

どんな本を読んでも、その時に心に触れた文が必ず(1つは・・・?)あります。
この本でもいくつかありました。

「やり手の人間だからこそ、会社を有利な条件で辞めたがる」
「会社なんていうものは、ある種の弾みというか、勢いみたいなものがないと、自分からなかなか辞めたりなんかできない」

弾みがありすぎて、やり手じゃなくても辞める人がいますよね(誰だ?)。やり手は次のようなことを考えて、時期を見て辞めるんでしょうね。

「過去の認識と、現在の把握、それがあってこその未来」

う~ん、これができれば・・・。

「基本的に自分が今やっている仕事に、心から満足していないと、なにをやっても心からは楽しめないって、そんなふうに感じたことない?飲みに行っても、遊んでいても、心のどこかからなんか空気が漏れているみたいって」
「弱に言えば、どんなに仕事が大変で、なかなかうまくいかずにずっと辛い毎日の連続でもね、プロジェクトが完成した打ち上げなんかで、クライアントからありがとうって言われた瞬間。もう、なにもかも吹っ飛んで、幸せだなあって、思っちゃう」

これってわかります。仕事の励みになるような言葉をかけられると、一日元気になれますよね。私も先週からいくつか嬉しいお言葉を頂きました。

今目指しているのは、仕事と私生活をキッチリ分けることです。以前は仕事で嫌なことがあった日から2,3日(長すぎ?)ブルーになっちゃていましたから。
今は仕事の責任が軽くなったこともあるのですが、仕事は仕事と割り切れるようになってきました。

前に読んだイギリスについてのに書いてあったように、三役の自分を考えると言う生き方が目標です。
仕事人、生活人、そして女性として。