久坂部羊 『神の手』2017/08/24



医師の作家では、この頃、久坂部さんが気に入っています。
今回の本は安楽死について考えさせられました。

外科医の白川は21歳の末期癌患者の古林章太郎が鎮痛剤や鎮静剤では抑えられない激痛に苦しむのを見て暗澹とした気持ちに囚われていました。
章太郎を母親代わりに育てた義母の晶子も彼の苦しむ様子に耐えきれなくなり、白川に安楽死をさせて欲しいと訴えてきました。
白河は悩みます。
日本では安楽死は認められておらず、彼が手をくだせば殺人罪で告発されます。
しかし、追い詰められた晶子が点滴の弁を全開にしてしまったのを見て、白川は晶子の心をくみ、章太郎の死に手を貸してしまいます。
このことを知った章太郎の実母でジャーナリストの康代は白川を告発しましたが、白川は不起訴になります。
不起訴になった背景に政治的な配慮が・・・。

そんな頃、日本では安楽死法制化の動きがあり、推進派と反対派が激しく攻防を繰り返していました。
康代は安楽死法反対の立場からマスコミを使い法制化を阻止しようとします。
白河はいつしかその渦中に巻き込まれていきます。

読みながら思ったことは、マスコミなどで取り上げられていることの裏側を見るようにしなければ、いいように世論は操作されるということです。
たいていのことは知られても問題ないことしか知らされていないのだから、物事の本質を見る目を持つようにしていかなければならないようです。

「センセイ」が誰だったか。
意外な人で、そうくるかとちょっとびっくりでした。

安楽死に関して言えば、自分が末期癌で苦しむ立場になったらと想像してみると、色々と議論すべき問題点はあるとはいえ、安楽死という選択肢も欲しいです。




ひっくり返って寝ている写真を撮ろうとしたら、ちゃんと起きていました。
昨夜も私が寝ようと思っているとやってきたので、一緒に寝ました。
朝方、彼が動き回るので、よく眠れなかったので、今夜は別々に寝ることにします。
人間って勝手ですね(笑)。