川瀬七緒 『紅のアンデッド』 ― 2018/06/03

法医昆虫学者の赤堀は希望通り警視庁の正規雇用になり、科捜研を再編成した「捜査分析支援センター」に配属されました。
「捜査分析支援センター」とは、法医昆虫学と心理学(プロファイル)、技術開発部が統合された新組織ですが、それぞれに濃いキャラクターが集まったようです。
特に今回は心理学者の方が赤堀に絡んできます。
そんな頃、荻窪(だったかな?)に住んでいる高齢夫婦が何者かによって連れ去られ、まだ見つかっていません。
室内には大量の血痕と切断された三つの小指が残っていました。
不思議なことに、庭に普通では発生しないやけど虫が大量発生しています。
赤堀は蛆虫から小指の切断された日時を推察するのですが・・・。
今回の主役は蛆ちゃんたちではなくて、やけど虫。
正式名称は「アオバアリガタハネカクシ」という蟻のような形をしたオレンジ色の虫です。
日本全土に分布し、畑や水田などの湿った場所を好むそうです。
体液に有害物質を持っているので、皮膚にとまったら吹かずにそっとはらいのけるといいそうです。
赤堀先生みたいになったら嫌ですものね(笑)。
前作みたいに気持ちの悪さはそれほどではないですが、お菓子に使われている成分の話がでてきて、スーパーなんかで売っているお菓子は買えなくなります。
やっぱりちゃんとした和菓子屋とか洋菓子屋で買わないと、何を食べさせられているのかわかりませんよね。
岩楯刑事と上手くいくのかと思っていたら、進展なし。
赤堀さんの家族のことがわかっただけでもいいとして、次回作に期待しましょう。
「捜査分析支援センター」もどう事件と関わってくるのかしらね。
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