内田洋子 『モンテレッジォ 小さな村の旅する本屋の物語』2018/09/30



著者の内田さんは住んでいるヴェネツィアで見つけた古書店に何度か通ううちに店主と話をするようになりました。
話の中で、彼の先祖がトスカーナの山奥の村、モンテレッジォ出身で、本を籠に入れて売り歩いていたというのを聞き、モンテレッジォに興味を持ちます。
古書で村のことを調べようとすると、店主が実際に行ってみるとよいと言います。
有志が立ち上げた村を紹介するサイトを見て問い合わせをすると、ミラノまで迎えに来てくれ、一緒に村に行くことになります。
未知の村への旅のはじまりです。

モンテレッジォは人口が32人という村で、イタリアの文学賞の一つ、「露天商(バンカレッラ)賞」の発祥の地です。
ちなみに第一回の受賞者はヘミングウェイで、村の入り口で彼が迎えてくれます。
特産物は石と栗。
<夏のない年>、生き残るために本を売り歩くことにしました。

次々と明らかになっていく事実に、ミステリーを読んでいるような感じになります。
何と言っても写真が美しいです。
夏には各地に散った行商人の子孫や親戚縁者が村に帰って来て、祭があるそうです。
一度、行ってみたいですね。

「モンテレッジォは、本の魂が生まれた村なのだ」

この言葉が全てを表しています。

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