大崎梢 『めぐりんと私。』2021/06/10

『本バスめぐりん。』に続くシリーズ第二弾。


移動図書館、愛称「本バスめぐりん」に乗り込んでいるのは、65歳の運転手のテルさんと、二十代の図書館司書のウメちゃん。
テルさんは前回は新人運転手でしたが、今回はもう新人ではなく、ベテランの域に達しています(たぶん)。
今回のお話は移動図書館にまつわる思い出の中の謎解きです。
テルさんとウメちゃんは脇役で、めぐりんの利用者が主役のお話、5編です。

「本は峠を超えて」…何故亡夫はヒバの見える一軒屋に住みたかったのか。
「昼下がりの見つけもの」…小学校の時に無くしたはずの図書館の本が家の天袋に隠してあった理由は。
「リボン、レース、ときどきミステリ」…ミステリ好きの営業部の男子は何故話しかけてきたのか。
「団地ラプンツェル」…引越していった友人の残した暗号の表すメッセージとは。「未来に向かって」…故郷の移動図書館が廃止されるのは何故か。
簡単に紹介してみました、笑。

移動図書館について調べてみました。
19世紀中頃、イギリスで馬車による巡回図書館が誕生し、アメリカでは1905年にメリーランド州の図書館で始められ、自動車輸送が発達した第二次世界大戦後に盛んになったそうです。
英語ではbookmobile(BM)とかmobile libraryと呼ばれており、アメリカで普及したスタイルが日本に導入されたので、直訳して自動車図書館、自動車文庫と呼ばれていました。
日本での移動図書館は1948年の高知県立図書館が最初で、そのすぐ後に鹿児島県立図書館、1949年には千葉県立図書館が導入したそうです。
昔は「建物の役割を車が担っていました」が、今は「図書館の遠い地域に便宜を図るため」という意味合いになっています。
現在は342の移動図書館が稼業しているようで、思っていたより多いですね。
(「日本大百科全書」、「Wikipedia」より)

そうそう最後の章「未来に向かって」が、図書館司書になりたいと思っている人に役立つと思います。
司書の資格は大学の取得コースや通信で取れます。しかし司書として就職しようとすると、大変なのです。
全国規模でも、公共図書館や大学図書館、企業図書館では、年に数カ所、ほんの数人しか正規職員の求人がありません。
たいていの人は非正規の司書になり、下手をすると時給が最低賃金(今なら1013円)より少し多いぐらいです。
なかなか現実は厳しいですね。

これから移動図書館は廃止に向かうのでしょうか?
「未来のために、多くの市民が図書館に親しめる機会を守るために」、移動図書館の形が変っても、その理念は存在し続けていくのでしょうね。


さて、我家の犬たち。


お兄ちゃんは利口です。
犬部屋からの脱走を企てること2回。
柵の端を押せば出られるとわかっているらしく、ママが気づかないうちに部屋から出ていました。
その時、弟は何をしていたかというと…。


「ヘヘ~、僕はお兄ちゃんを売りました。ママちゃん、お兄ちゃんが抜け出そうとしていますよ、ワンワンワンワン」

そうです、彼はいつもと違う声で吼え、ママにお兄ちゃんの脱走を報せたのです。

コメント

_ ろき ― 2021/06/10 17時48分37秒

移動式図書館は助かりますよね。これから電子書籍版図書館が発達するかもしれないけど、そういうのが利用できない人も置き去りにしないでほしいものです。
司書って頭も体も使うし人にも接するし、大変な仕事なのに、時給上げて~。

脱走する兄に、裏切って通報する弟、あはは。どちらも頭いいということですね。

_ coco ― 2021/06/10 19時24分40秒

ろきさん、電子書籍は本当に便利だと思います。今のような時こそ必要ですよね。
でも、日本では当分導入されないでしょう。大学図書館でもまだのようですから。
司書って頭よりも身体を使うそうです。コミュニケーション力は必要ですね。
公共図書館では住民クレーマーが怖いそうです。

さっきも兄が脱走し、テーブルの下で落ちた食べものを探していました。
もちろん、弟は教えてくれましたよ、笑。

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