大山淳子 『猫弁と鉄の女』 ― 2021/08/19
「猫弁」シリーズの新刊です。

婚約して同じアパートの隣同士に住んでいるのに、全く進まない百瀬と大福亜子の関係。
一緒に刑務所にいる百瀬の母に会いに行こうとすると、いつも百瀬は高熱を出してしまい、行けなくなる。
そんな頃、百瀬はカフェでホットドッグを囓っている時にリードなしの犬を見かける。
ほっとけないのが百瀬。その犬の後を着いていき、交番前で立ち止まった犬と一緒にいた婦人に声をかける。
婦人によると買い物の途中でこの迷子の犬に出逢ったとのこと。
交番の年若い巡査は迷惑そう。とりあえず遺失届を出し、犬は婦人がしばらく預かることになる。
婦人の名は小高トモエといい、一軒屋に一人暮らしをしているとのこと。
ところが犬のことにかまけていて、二人とも忘れ物をしてしまった、笑。
トモエさんはシルバーカーを、そして百瀬はなんとカメレオンをカフェに忘れたのだ。
引き取りに行かされた七恵は激怒し、百瀬はカフェには出入り禁止になってしまう。
犬はサモエドという種類で、性格がよく、トモエさんの家にすぐに馴染んだのはいいが、庭に埋まっていた物を掘り出してしまう。
二世議員の宇野勝子は選挙の公約に周りの反対にもかかわらず、東京の花粉一掃を掲げる。
まずは小規模の自治体と手を組んで、実証実験をしようと、もえぎ村と連絡を取り、森林所有者から伐採承諾書のサインをもらったのだが、但し書きがあった。「森林蔵氏の許可を得ることを条件とする」。
森林蔵氏とは、もえぎ村の杉林の守り神と崇められている神出鬼没の木こりのこと。
勝子は森林蔵氏と会おうと山に行きますが、会えず、そのため勝子が考えたのが、自宅兼事務所の土地建物を担保にもえぎ村の森林を購入し、伐採をやっちゃおうという計画だ。
この計画、上手く行くのでしょうか。そして選挙はどうなるのでしょうね。
カメレオンから意外な縁があり、百瀬は勝子の顧問弁護士となるが…。
百瀬の周りは色々なことが起こりますが、すべてが丸く収まり、みんなハッピー。
亜子さんとのことも一歩前進。よかったねという終わり方です。
そうそうサモエドってこういう大きな犬です。(「mofmo」から写真をおかりしました)

「サモエドスマイル」といわれる、いつも笑っているような表情が有名みたいです。
笑顔と言えば…。

「もちろん僕で~す」と弟犬が現れました。笑顔だけが自慢のヨーキーです、笑。
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