中山七里 『能面検事の奮迅』 ― 2021/08/29
「能面検事」シリーズの二作目です。

総領美晴は大阪地方検察庁に勤める検察官付きの事務官です。
彼女が付いているのは「能面検事」と揶揄されている不破俊太郎。
新年早々事務局総務課の仁科睦美から鬱陶しい話が出そうだと耳打ちされます。
岸和田の国有地払い下げに関する近畿財務局職員の収賄疑惑が世間を騒がしており、大阪地検が捜査に乗り出すのは時間の問題だと言われていました。
不破は次席から呼び出され、美晴も付いていくと、やはり岸和田の国有地払い下げに関する事案のことで、不破に特捜部に入りこの事案を担当しないかという話でした。不破は命令ではないことを確かめ、躊躇せず断ります。
その後、特捜部の担当検事が証拠物件を一部改竄していたたことが発覚します。
最高検からチームが派遣され、不破は正式に調査チームに加わるように命令されます。
不破の捜査は独特なもので、常に彼に付いていく美晴には彼の行動や思考、推理などが全くわかりません。
不破は一切忖度せず、揺るぎない信念に基づき職務を遂行していきます。
不破検事とは絶対に一緒に仕事はしたくないですね。
そうそう、岬検事が出てきますが、そうです、彼は岬洋介(『さよならドビュッシー』などに出てくるピアニスト)の父です。
50代はいっていると思うのですが、若々しい感じです。なんで息子と反目し合っているのか、不思議です。
美晴ちゃんはもう少し成長した方がいいみたい。不破に質問しても答えてくれないのがわかっているのに、質問しちゃって自滅してます、笑。
例の事件を元にしたんだなと思って読んでいくと、意外な展開になっていきます。
そうよね、そうじゃなければね。
今回は思ってもみなかったどんでん返しがあります。
そういえば不破が「能面」になるきっかけって明かされていたかしら?
明かされていなかったら、次回にでも書いて欲しいですね。
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