ジェイン・ハーパー 『渇きと偽り』 ― 2021/10/08

「ぼく、びっくりして、ちびりそうになっちゃった」by ヨーキー

「みなさん、昨夜は大丈夫でしたか?僕はびっくりして飛び起きちゃった。チキン野郎の弟は震えていたよ。僕は全然怖くなかったけどね。エヘン」by 兄犬
地震、結構大きかったですね。
私は兄犬が寝床から飛び起き、走り出てきたので、そっちの方にびっくりしましたけど、笑。
おさまると兄はすぐに寝てしまいましたが、弟は震えていたので、撫でてやると安心して寝床に入っていきました。
怖いもの知らずの兄とビビりんの弟です。

初めて読んだオーストラリア・ミステリーです。
オーストラリアというと、カンガルーやコアラ、グレートバリアリーフやウルル(エアーズロック)、オペラハウス、オージーボールなどが有名ですよね。
日本とは季節が逆で、日本が夏でもオーストラリアは冬。(海流の関係なのかメルボルンが寒くてもシドニーはそれほど寒くないですが)
日本語教育が盛ん、日本人女性と結婚したがっている男性が結構いる、人よりも牛の数の方が多い、砂漠を縦断するとき、日本と同じ感覚で車に乗るとガソリンスタンドがなく、ガス欠で立ち往生することがある etc.。
まあ、こんなもんですね、私のオーストラリアに関する知識は。
そういえば昨年森林火災が続き、コアラが犠牲になったというニュースがありましたね。異常気象で起った干魃が原因と言われています。
奇しくも今年のノーベル物理学賞は地球温暖化の予測モデルを開発した方が取りましたね。これから益々地球温暖化は進んでいくのでしょうか。
干魃が二年目に入った頃、メルボルンから車で五時間という小さな故郷の町、キエワラに、二十年ぶりにアーロン・フォークは帰ってきました。
友人のルーク・ハドラーの父・ゲリーから、ルークが妻と息子を殺して自殺し、赤ちゃんが一人残されたことと意味深な言葉が書かれた手紙が来て、フォークは葬式に呼び出されたのです。
二十年前、十六歳だったフォークとルーク、グレッチェンの三人と仲のよかったエリーが遺体で見つかります。
彼女のジーンズのポケットに本人の筆跡で失踪した日付と「フォーク」と書かれた紙が入っていました。
その日、フォークは一人で釣りをしていたためアリバイはなく、ルークが嘘をついてアリバイを提供してくれました。
しかしフォークがエリーを殺したのではないかという疑惑はなくならず、フォーク親子に対する嫌がらせが続き、フォークと父は町を出たのでした。
今や連邦警察官であるフォークはルークの親たちにエリーとルークの事件の真相を突きとめて欲しいと頼まれ、地元のレイコー巡査部長と協力しながら調べていくことにします。
キエワラは田舎町特有の確執やしがらみ、偏見に満ちた町で、何年経とうが住民たちはフォークを疑い、冷たく当たります。
環境の過酷さ故に心までも蝕まれているのか…。
現在と過去が様々な視点から語られていき、最後にすべてが明かされ、意外な真実にやるせなくなりました。
お勧めのミステリーです。
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