畠中恵 『忍びの副業』2023/07/03

「しゃばけ」シリーズを書いている畠中さんの新刊です。


時は江戸幕府の第十代征夷大将軍の徳川家治の時代(在任1760ー1786年)。
戦国の世、甲賀者は伊賀者と並び活躍していたのに、今や傘張りの内職をしながら百人番所などの役目を務める存在に成り下がっていた。

甲賀忍びの末裔の滝川弥九郎は番所に一日座っているだけの暇をもてあます日々に鬱屈した思いを抱いていた。
忍びの技はひっそりと伝えられているが、それを使って何かをなす機会もない。
余力がある使わない忍びの技は廃れていくばかりで、忍びであり続けるには、忍びの仕事をしなくてはならないのだ。

ある日、上忍の弥九郎と十郎、蔵人の三人は江戸城の表右筆に屋根の上での失せ物探しを頼まれる。
このことがきっかけとなり甲賀の忍びたちは将軍家治のただ一人の和子、西之丸様(家基)の警護役として取り立てられる。
甲賀者たちは一族あげて西之丸様をお護りする決意を固める。
しかし忍びに対する信頼は薄く、やれ甲賀は毒使いだのなんなのと疑われたり、弥九郎たちが何者かに狙われたりと、次々と不穏な事件や事故が起り続ける。

はたして彼らは使命を果たすことができるのか…。

忍びたちが力を持て余し、副業として何かないかと考えるなんて、笑ってしまいました。
ちなみに弥九郎の得意技は打鉤で四本の打鉤を自在にあやつり、十郎は首飾曲玉秘伝占術、蔵人は火薬を使った技だそうです。どういう技か興味を持った方は本を読んでくださいませ。
今も忍びがいたら面白いのですけど、もう秘伝の技を扱う人はいないでしょうね。

意外なお話でそれなりに面白くはあったのですが、如何せん上下に分れていて長く、上巻が読みずらかったのですが下巻はスッと読めました。もっと凝縮してもよかったかも。
三人組の若者はいいキャラしていました。彼らの活躍をもっと読んでみたいと思いました。
シリーズになったら読むかも。


夫がカマキリがいるから写真に撮るようにと騒いでいたので、写真に撮りました。


とても小さなカマキリで1㎝あるかないかです。
赤ちゃんなのかしら?

コメント

_ ろき ― 2023/07/05 00時37分43秒

遅レスすみません。忍者修行ってやってみたかったです。もちろん書類選考で落ちていたでしょうがw
暇ってことは天下泰平で良いことかもしれませんが、せっかくの技術・スキルは継承したいですね。

ちびカマキリ、可愛いですね♪

_ coco ― 2023/07/05 12時21分16秒

ろきさんも忍者になってみたかったですか。
くノ一は美人が多く、江戸時代にはいいところにお嫁に行ったと本に書いてありました。古いですが、由美かおるみたいなくノ一が多かったのかしらね。

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