リース・ボウエン 『貧乏お嬢さまと消えた女王』 ― 2025/05/20
『貧乏お嬢さまと毒入りタルト』に続く「英国王妃の事件ファイル」シリーズの
18巻目。
ジョージーは結婚して王位継承権を放棄したはずですから、もはや「英国王妃」ではないですし、それに既婚者ですから、「お嬢さま」も変ですね。
原語では「A Royal Spyness Mystery」シリーズとなっています。

アイルランド貴族ダーシー・オマーラと結婚し、息子を授かったジョージーは、愛する夫と息子の世話をしながら自分の家で静かな日々を送っていた。
それなのにダーシーがエドワード国王に呼び出され、とんでもないことを押し付けられる。
エドワードはシンプソン夫人と結婚することを決断し、議会に貴賎結婚を提案するという。
このことが公になると、シンプソン夫人はマスコミに追い回されるので、彼女を世間の目から隠しておくために、彼女を預かって欲しいと頼まれたのだ。
何しろシンプソン夫人の満足するようなものを出せるようなお金はないし、しかもジョージーはシンプソン夫人が嫌いだ。
なんとも迷惑な話だ。
それだけでもウンザリするのに、義理の姉のラノク公爵夫人のフィグが手紙をよこし、息子が入学する候補の学校を見学しにやって来るというのだ。
それだけではない、屋敷の主のサー・ヒューバートがハリウッドの撮影隊を引き連れて帰って来た。
彼が撮影を許可したばかりに、屋敷は厚かましい撮影隊にどんどん占拠されていく。
そんな最中に、シンプソン夫人と映画の子役がいなくなる。
シンプソン夫人はともかくとして、少女は誘拐されたのか・・・。
エドワード8世が二度の離婚歴のあるシンプソン夫人と結婚するために退位したのが、1936年12月11日だというので、ジョージーが大変な思いをしたのが、この年ですね。
退位後、ウィンザー公爵夫妻となった二人はナチス政権から目をつけられます。
ドイツ人の実業家と付き合っているジョージーの母がどうなるのか、ジョージーたちは心配していますが、おいおい書かれるでしょう。
それにしても人の都合も聞かずにやって来て、えらそうにする兄の嫁が嫌です。
貴族の方々はいつもそんな感じで親戚の屋敷に押しかけるもんなんですかね。
映画の方々も相当ずうずうしいですけど。
ダーシーもジョージーも人がよさ過ぎです。
19巻目の『From Cradle to Grave』が今年の11月に出版されます。
ロンドンで起きている連続殺人事件を解決するように、ジョージーはゾゾに頼まれるようです。
日本語の題名がどうなるのか、楽しみです。
<今週のおやつ>

エシレの「パルミエ・エシレ」。
一度は食べてみたいと思っていたのですが、いつもすぐに売り切れてしまい、買えませんでした。
近頃、買えるようになっていたので、早速に頼んでみました。
けっして美味しくないという訳ではないですが、どちらかというと私はガレットやサブレの方が好きです。
佐藤正午 『熟柿』 ― 2025/05/10

伯母の葬儀の後、大雨の中、帰途についた身重のかおりは、泥酔状態で眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねた。
車から下りて確かめずに運転を続けたため、轢き逃げの罪に問われ、栃木の刑務所で息子を産む。
警察官だっった夫は仕事を辞める。
二年半の矯正生活の後、再開した夫に離婚届を突きつけられた。
息子には会わせてもらえなかった。
しばらくしてかおりは友人にそそのかされ、息子会いたさのあまり、息子の幼稚園に行く。
もう少しで会えるという時に取り返しのつかない間違いを犯してしまう。
それからも息子に会いたいという思いがつのり、小学校の入学式に行くが、阻止されてしまう。
かおりは決心する。
息子のために自分は死んだ母となる。
そして、息子のために一億円の生命保険に入ると。
それからのかおりは、千葉県のスーパー銭湯から山梨県の石和温泉の旅館、岐阜県のパン工場、大阪府のパチンコ店、そして福岡県のホテルで働く。
息子への思いを胸に・・・。
久しぶりの佐藤正午さんです。
これといった展開はないけれど、罪を犯した女が息子への思いを捨て切れず、彷徨う様子が切なかったです。
人生は思いがけないことをきっかけに、よくも悪くもなるのです。
夫の狡さが嫌でした。
彼がかおりと一緒に人生をやり直そうとすれば、彼女はこれほど悩み苦しまなくてすんだのに。
それでも、未熟で不器用ながら一生懸命仕事をする彼女の姿を見てくれる人はいます。
それが救いです。
最後に光が見えましたが、どうなるのか。
ちゃんとチャンスを握って離さないで欲しいものです。
本のカバーが好みです。
「熟柿」とは「よく熟した柿」のことですが、「時機到来をじっと待つ」ことでもあります。
じっくりと小説を読みたい方向けの本です。
<今週のおやつ>

シズカ洋菓子店のNo.34 Spring Biscuits。
いつもよりも甘いような気がしましたが、私の味覚のせいかも。
麻見和史 『最後の告発』 ― 2025/05/07
旅行から帰ってからもわんこたちは元気です。
心配だった兄は朝ごはんを食べた後に大量のブツを排出しました。
よかった、よかったwww。
ママにはフルーツアレルギー疑惑がありましたが、たまにしか症状がでないので、気にしないでいました。
今回ホテルの朝食でフルーツを食べている時に、喉にブツブツができました。
食べたのは、イチゴ、パイナップル、メロン、ぶどうを2個または2切れずつです。ぶどうが一番あやしいかな。
バラ科(りんご、いちご、さくらんぼ、ももなど)の果物に反応を引き起こす可能性がありそうですが、今朝いちごを食べても大丈夫でした。
少量を食べるように気をつけますわ。
警視庁文書捜査官シリーズの11作目。

二月二十四日に警視庁捜査一課の科学捜査係文書解読班に一通の手紙が届いた。
それは再捜査の依頼と犯行の予告とも取れる手紙だった。
二枚目の便箋に七年前、東京都昭島市にすむ男性が行方不明になり、知人の男性の行動に不審な点があるので、調べてみるべきだと書かれており、二枚の写真が同封されていた。
文書解読班の班長・鳴海理沙は財津係長に許可を求め、捜査を始める。
三月六日に、また手紙が届く。
今度は二年前、足立区西新井で起きた殺人事件のことが書かれていた。
容疑者と見られる男はサラ金から借金をしており、強盗をするだけの動機があり、逃走して現在も行方不明だが、建設工事に関わっているらしいと書かれており、その男の写真が同封されていた。
文章や筆跡から、前回と同じ通報者だと考えられた。
鳴海は自分たちを指名しているのだから、その人物の期待に応えたいと、続けての捜査を申し出る。
そして、三月十三日に三通目の手紙が届く。
そこには四年前、北区王子在住のフリーアルバイターの女性が行方不明になっており、趣味の写真サークルで知り合った男性が彼女を殺害した疑いがあり、男性が額装していた風景写真が手がかりになるだろうと書かれていた。
鳴海たちは再々度捜査を始める。
「善良な市民」を名乗る差出人はいったい何者なのか。
何故、文書解読班に手紙をよこしたのか。
そして、真の目的はなんなのか。
疑惑を持ちながらも、文書解読班は捜査に取り組むが、捜査は意外な展開を見せる。
今回は文書解読に関係ない事件でした。
足でかせぐタイプの矢代と夏目がせっせと動き回り、情報を集め、最後に鳴海が閃いて事件を解決するという感じです。
そんなに事件現場に謎の文書は残されていませんから、仕方ないですね。
主人公が鳴海から矢代に変わったのかな?
四月の組織の改編や異動関係で何かありそうなことをほのめかしているので、次回に明らかになりそうです。
私は財津係長が異動し、代わりに国木田哲夫警部補が文書解読班に異動してくるのではと予想していますが、どうでしょうね。
警視庁文書捜査官シリーズ
①『警視庁文書捜査官』
④『灰の轍 警視庁文書捜査官』
⑤『影の斜塔 警視庁文書捜査官』
⑥『愚者の檻 警視庁文書捜査官』
⑦『銀翼の死角 警視庁文書捜査官』
⑧『茨の墓標 警視庁文書捜査官』
⑨『琥珀の闇 警視庁文書捜査官』
⑩『追憶の彼女 警視庁文書捜査官』
⑪『最後の告発 警視庁文書捜査官』(本書)
深大寺に行く ― 2025/04/29
深大寺で秘仏「元三大師像大開帳」があると聞き、急遽行ってみることにしました。
混みそうなので、10時頃に行こうと思い、朝食を近くの果実屋珈琲で食べてから行くことにしました。
駐車場は空いていたのですが、ほぼ満席状態で、みなさん、歩いて来てるの?

フルーツサンドと卵サンド、シーフードサラダのセットとカフェオレを頼みました。
その後、パフェも食べたくなり、イチゴのパフェも頼んじゃいました。

この前はイチゴがちょっと酸っぱかったのですが、今回は少し甘味がついていました。
これは二人で食べました。(少し私の方がイチゴを多く食べましたよww)
お腹がいっぱいです。
10時前に深大寺に行くと、結構人がいます。

入り口には人がそれほどいませんが、中に入ると違います。

本堂です。

常香炉の真ん中ににお線香を入れて煙をたて、身を清め、拝みます。

本堂の左側に見事ななんじゃもんじゃの木があります。
満開で、嬉しかったです。

左側の坂道を上って行くと三元大師堂があります。

左側に秘仏「元三大師像大開帳」の入り口があり、拝観料千円を払います。
しかし、拝観まで45分待ちという表示が出ていて、10時前だというのに人が並んで待っています。
本当に45分も待つのかどうかわかりませんが、6月2日まで拝観できるというので、別の日に拝観することにしました。

北門から出ると神代植物公園へ行けます。

入口で入場券(一般・大人500円、65歳以上250円)を買います。
都立なので入場料が安いんですね。
前はバラが咲いていましたが、どうでしょう。

残念ながら、それほど咲いていません。

ばら園の真ん中に噴水があります。

春のバラフェスタは5月3日からなのですが、連休中はあまり咲いていないみたいですねぇ。

昨夜の雨の水滴がバラについていました。

大温室に入りました。最初は熱帯の花木室です。

ヨウラクボクが咲いたようですが、花びらが落ちていました。

Googleによるとアフェランド・シンクレリアナ(?)。

メディニラマグニフィカ。

ヒスイカズラ。珍しい色ですね。

ベゴニア室。花屋さんに売っているものよりも大きな花です。

熱帯スイレン室。少しだけスイレンが咲いていました。

外に出てばら園を臨みます。
ぼたん・しゃくやく園とダリア園の方へ行ってみます。

ぼたんが少しだけ咲いていました。

藤の花が咲いているので、見に行きました。

そういえばあしかがフラワーパークは藤の花で有名ですね。
今は盛りなのでしょうか。

ピンクのプラスチックみたいな花が咲いていました。
ラナンキュラスの一種でしょうか。

広い芝生広場です。ボール遊びは禁止されているので、安心して座れますw。
道路の向こうには無料開放区域の自由広場があり、犬OKのようです。
ドッグランもあります。
深大寺に来たからには蕎麦でも食べていくかと思ったのですが、どこの蕎麦屋も並んでいます。

人が少なさそうな店に並んでみたのですが、店の前に貼ってあるメニューを見てびっくり。
「現金のみ」と書いてあります。財布の中を覗いてみると・・・ざる以外を食べるとどうも足りなさそう。
この頃、クレカを使うことが多く、あまり現金を持って歩かなくなっています。
観光地に行くと、まだクレカが使えないところがありそうなので、気をつけなければなりませんね。
蕎麦がダメならうどんでもと思ったら、こちらも長蛇の列で、諦めました。
私はそれほどお腹が空いていなかったのですが、夫は家に帰ってからカップ麺を食べていましたwww。
石持浅海 『殺し屋、やってます。』&『夏休みの殺し屋』 ― 2025/04/26

殺し屋シリーズは4巻まで出版されているようです。
私は知らずに4巻目の『夏休みの殺し屋』から読んでしまいました。
読み終わってから気づいて1巻目の『殺し屋、やってます。』を読んだのですが、問題ありませんでした。
このシリーズはどの巻から読んでも大丈夫なようです。
ちなみに2巻目は『殺し屋、続けています。』で、3巻目は『女と男、そして殺し屋』です。
日本で殺し屋というと、古いですが、私は「必殺仕掛人」を思い出します。
現代には、いましたっけ?
あくまでも映画などからの影響ですが、A国やR国、C国にいそう。
この本の殺し屋さんは、なんの変哲もない普通の男の人です。
名前は富澤充といい、経営コンサルティング会社を経営しています。
殺し屋は副業です。
殺しのお値段は650万円。高いか安いか。どう思いますか。
私は安いと思いました。映画の殺し屋はもっともらっていますよね。
この金額には理由があります。
650万円は東証一部上場企業の平均年収で、「日本を代表する社員が1年間懸命に働いてようやく得られる金額を払ってまで、相手を亡き者にしたいのか、依頼人にその覚悟を問うている」のだそうです。
それでも依頼人がとても軽い動機で人を殺そうとしているので、なんだかなと思います。
650万円は安過ぎです。
どういう風に殺しを依頼されるかというと、こういう感じです。
連絡係①が口コミでやって来た依頼人と会い、依頼を受け、連絡係②に標的の名前と写真、住所や仕事場などの情報を渡す。
連絡係②から依頼を聞いた殺し屋は殺される人物が実在し、写真の人物であるかどうか確認し、依頼内容に間違いがないか調べ、三日以内に引き受けるかどうかの返事をする。
殺害を引き受けると、前金の三百万円が払い込まれる。
入金を確認してから二週間以内に実行する。
完了後、残金の三百五十万円が振り込まれる。
このシステムは依頼人と殺し屋の間に連絡係を二人置くことによって、お互いの情報を知り得ないようになっているので、互いに裏切りの心配がなく安全だそうです。(安全かなぁ?)
殺し屋はあくまでもビジネスライクに仕事をこなしますが、いかんせん、依頼人や標的の奇妙な行動が気になるのです。
例えば、子どものいない男がおしめを買う理由や毎晩公園で水筒を洗う女の謎、ベンチャー企業の社長の殺害が二度もキャンセルされたのは何故かなど。
殺し屋の富澤充は仕事をやりながら、見事に謎を解いていきます。
短編集なので、時間がなくてもすぐに読めます。
暇つぶしにぴったりな軽いミステリです。
<今週のおやつ>

美味しいと言うので、買ってみたイギリスのBen's Cookiesのクッキー。
チョコレートチャンク入りのが美味しい、激甘のソフトクッキーです。
飲み物がなければ食べられませんわwww。
一枚310~360キロカロリーぐらいあります。
食べるのが怖いクッキーです。
岩井圭也 『ディテクティブ・ハイ 横浜ネイバーズ5』 ― 2025/04/21
横浜ネイバーズ・シリーズの五冊目。

「1.きみはアイドル」
涼花の友だちがメン地下グループのヴェスパーズの郁斗推しをしていて、八十万もチェキ券を買いまくり、最近パパ活を始めたらしい。涼花はロンにその友だちにパパ活を止めさせ、郁斗を成敗してほしいと頼む。ロンはこれは郁斗個人だけの問題ではなく、グループやグループ活動をプロデュースしている事務所にも問題があるので、事務所にこのシステムを止めさせるしかないと考え、引き受けることにする。
「2.柔らかな闇」
ロンの祖父の良三郎が交通事故に遭い、しばらく入院することになる。そういう時にロンはカンさんの件でお世話になった清田弁護士に呼び出される。清田は法律事務所を首になり、開業しようと思ったが、立地がよくて家賃が手ごろな場所が見つからないので、元翠玉楼の場所を貸してほしいという。マツと彼の母親に迫られ、しぶしぶ三週間という期限をつけて貸すことにするが、どうも清田は人柄はよさそうだが、意外と狡猾なようだ。いつの間にかロンは清田の事務所の事務員にされ、三週間で出ていくはずだったのだが引き伸ばされる。
清田は母親が闇金業者から金を借りているという息子からの相談を引き受けるが、警告だけですまそうとする。ロンは納得がいかなく、勝手に動く。
「3.抜け穴と落とし穴」
清田のお使いで小田原まで出かけていたロンは大雪で電車が止まってしまって困っていた。混雑した駅のなかを歩いていると、男とぶつかる。男がプラスチックボトルを落としたので、拾って渡そうとするが、相手は気づかずに行ってしまう。ボトルの中には白いグミが十粒ほど入っていて、ボトルには<カンナビノイド>と記されていた。
<カンナビノイド>をスマホで調べ、とりあえず警察に持っていこうと決めた時に・・・。
「4.ディテクティブ・ハイ」
須藤という警察官が殺された。先月、交番に直接通報があり、その夜の当直だった須藤は一人でマンションへ行き、音がした部屋に駆けつけた。須藤が一向に戻ってこないので、心配した通報者が再度交番に連絡。別の警察官がやってきて、部屋に踏み込むと、うつ伏せに倒れている須藤と拘束された住人が発見されたという。
彼の影響で警察官になった欽ちゃんは須藤を殺した犯人と強盗事件の実行犯と指示役を捕まえ、トクリュウを壊滅させると決意する。欽ちゃんの話を聞いたロンは協力を申し出、欽ちゃんから警察ではできないことを頼まれる。
今回のキーワードは、メンズ地下アイドル、推し活、チェキ券、闇金、大麻グミ、匿名・流動型犯罪グループ(通称「トクリュウ」)などです。
特に推しのグループとかアーティストはいないので、「チェキ券」って何って感じです。
調べてみると、「チェキ」って富士フイルムのインスタントカメラのことで、「チェキ券」とはファンがアイドルやアーティストとチェキで写真を撮るために必要なチケットのことです。
イベントによって、アーティストと会話をしたり、サインやメッセージを書いてもらったりできる様々な種類のチェキ券があるそうです。
要するにファン心理をついた金儲けですね。
ロンは一本ネジが外れているからか、とても無謀で、殺されても仕方ないようなことを毎回平気でやっています。
いつも助けが来るのはお話だから。現実社会で彼のようなことをすると、とっくの昔に死んでいますよ。
六巻目が発売されましたが、第一シーズンの最終巻だそうです。
いよいよロンが母親と対決するのかしら。
今までよりももっと危険な目に遭いそうです。
<週末のランチ>
植木を買いに行くついでにランチをしてきました。

駐車場からお店に入る入り口は緑がいっぱいです。
入ってすぐ右側にレストランの入り口があります。

犬を連れて店内に入れるみたいです。レストランはテラス席なら犬OK。

店内からテラス席を見たところ。

キッシュセットを頼みました。
これにサラダとスープ、コーヒーがついています。パンが美味しいです。
プラス300円でデザートが頼めます。
お店でパンが売っていたので、買って来ました。
柚月裕子 『逃亡者は北へ向かう』 ― 2025/04/10

2011年3月の大震災直後に、二十二歳の真柴亮は一般人の男性と警察官を殺害して逃亡している。
彼の人生は不幸の連続だった。
彼が生まれた日、父親の日沼はひき逃げ事件を起こし、その後に両親は離婚。
母親の実家に身を寄せるが、母親と祖父が亡くなり、児童養護施設に引き取られ、そこを出たあとは親しくする者もなく、町工場で働いていた。
彼は北へ向かう。
さつき東署の刑事、陣内康介は津波で娘が行方不明になるが、娘の捜索よりも職務を優先せざるを得ない。
真柴を直接取り調べた陣内は、真柴を追うことになる。
真柴はどこに行こうとしているのか…。
柚月さんは東日本大震災で家族を亡くしているそうです。
その経験をもとに書かれた描写は真に迫るものです。
読んでいると辛くなります。
真柴のような人がいないことを願いますが、ちょっとした選択の違いで、人生を踏み外してしまうことはありそうです。
彼と行動を共にした直人君は真柴の何に引かれたのでしょうか。
彼の人生が幸せなものであることを願います。
最後はそれしかないことはわかりますが、切ないです。
震災を風化させないためにも読んでもらいたい小説です。
<今週のおやつ>
久しぶりに頼んだお届けものです。物価が高くなり、贅沢ができなくなっていますが、たまにはいいですよねw。

前にも頼んだことのあるMaison KEIのビスキュイブルトンです。
大切に味わって食べますわ。
原田ひ香 『月収』 ― 2025/03/29

「第一話 月収四万円の女 乙部響子(66)の場合」
乙部響子は一年前に離婚してひとり暮らしをしている。
娘の時衣は結婚していて、孫がひとりいるが、婿があまり口出しをするなという感じだ。
離婚した時に賃貸アパートを借りようとして断られ、不動産屋にたきつけられて三百万で家を買ってしまう。
年金は四万円だが、国民健康保険料と介護保険料を払うと三万円になる。
わずかな貯金が残り少なくなり仕事を探そうと思っているが、何ができるのか。
ある日、家に全身刺青の若い男がやって来る。
「第二話 月収八万円の女 大島成美(31)の場合」
大島成美は鳴海しま緒というペンネームで、三年前に純文学系の文学新人賞を取った。
派遣社員として働いているが、年収が二百万円台だったため、単行本が売れ、七百万ほどの現金が手に入って嬉しかった。
しかし、それからがいけなかった。
作品を書いても書籍にはならないのだ。
自分は職業作家にむいていないのではないかと思い始める。
そんな時に、同年代の小説家に誘われて出席したパーティで実業家の鈴木菊子に出会う。
「第三話 月収十万円を作る女 滝沢明海(29)の場合」
滝沢明海は一流自動車メーカーの子会社に勤め、新規事業の美容家電の企画と試作の仕事についている。
だが、母親は明海の仕事を理解せず、転職しろと文句を言う。
なにしろ働いたことのない女で、離婚した後も元夫のキャッシュカードを使っているのだ。
このままで行くと母親の介護をしなければならなくなる。
そんなのは嫌だ。仕事は続けたい。
先立つものは金だ。
明海は五年だけ新NISAで投資をしようと思い立ち、独身寮に入り、住居費を節約することにするが・・・。
「第四話 月収百万の女 瑠璃華(26)の場合」
瑠璃華はデートクラブに所属し、パパ活で稼いでいる。
20代のうちに一億稼ごうと決めている。
ある日、マネージャーから変わった依頼を紹介される。
鈴木菊子という小説家がご馳走するし、お金のサポートもするから、パパ活している女性の話を聞きたいというのだ。
何度か会い、食事をするが・・・。
「第五話 月収三百万の女 鈴木菊子(52)の場合」
鈴木菊子は武蔵小杉のタワーマンションに住んでいる。
夫が亡くなった時に、渋谷の一棟ビルと株や投資信託などの有価証券を受け継いだ。
それに自分の金融資産を含めて、ひと月に三百万ほどの金が入る。
しかし、何もすることがない。
いつものように、朝の株価チェックのあと、SNSを眺めていると、タケトという若い不動産投資家の物品援助を求める投稿が目に溜まった。
菊子はタケトに寄付をすることにするが・・・。
「第六話 月収十七万の女 斉藤静枝(22)の場合」
介護士の斉藤静枝は訪問介護の仕事をしているうちに、高齢者の部屋の「生前整理」を専門にする仕事を思いつく。
ある日、同じく起業をしようとしている友だちに誘われ、女性の起業を助ける会に参加してみた。
すると、前に会ったことがある鈴木菊子がいた。
会が終わった後、二人はいっしょにお茶を飲むことにするが・・・。
月収が異なる女性たちのお話ですが、それぞれに色々とあり、お金の多少を問わず人って満足することがないんだなと思いました。
特に身に沁みたのが、年金が四万円という乙部響子さん。
四万円じゃ、私暮らしていけないよ。
これから物価がどんどん上がっていくと、年金だけで暮らしていけるだろうか。
もっと暮らしを縮小しなくては、でも旅行には行きたいわぁ。
鈴木菊子さんなんか、悠悠自適の生活ができるのに、なんでと思います。
若い人たちをバックアップしていくのを老後の楽しみにしていくのでしょうかね。
斉藤静枝さんには頑張れとエールを送りたいです。
「生前整理」、してもらいたいですものww。
原田さんの本は明るくていいです。
これからの自分の生活を考えさせられるお話でした。
<お花見と美味しいお料理>
お花見にはまだ行っていませんが、お花見箱膳というものを食べに行ってきました。


一の膳と二の膳にご飯と汁物がついていました。

桜が五分咲?
夜桜は携帯で撮り難いですね。
明日は晴れるらしいので、犬連れで花見にでも行きましょうか。
ふたたび、河津桜と♪ ― 2025/03/16

またお散歩で河津桜の前を通りました。
花は枯れていなかったので、また写真に挑戦しました。
ヨーキー弟は嫌だったみたいです。

視線をずらします。
他の写真では横を向いてしまいました。
カメラの光が嫌なのかもしれません。(もしくはしつこいママが・・・)
人通りがあるので、急いで撮りましたが、みなさん、なにやってるの。バカじゃん、と思っているんでしょうね。(親バカです)

5、6枚撮って一枚だけ前を向いたのがありました。
まあ、これでいいでしょう。
付き合ってくれて、ありがとう。
また、よろしく。
「嫌です」という弟の心の声が聞こえてきましたwww。
三月の上旬は内分泌科や眼科の診察があったり、兄わんこの調子が悪かったので、お出かけはあまりできませんでした。
やっとこれから出掛けられそうです。
今週は用事のついでに、ホテルでランチをしてきました。
前に来た時は混んでいたのですが、今回はすいていました。

春らしい籠に入っています。

メインは角煮にしてみました。柔らかくてトロトロでおいしかったです。
デザートはアイスとコーヒーにしましたが、ここのコーヒー、私は苦手なのを忘れていました。炭火っぽいのはダメなんです。
駅ビルで美味しそうなチーズケーキがあり、夫が食べたそうだったので、買って帰りました。

「now on Cheese♪」のチーズケーキサンドラズベリーです。
いっしょに買ったチーズケーキサンドカマンベールは日持ちがしないので、次の日に食べねばなりません。
1個200キロカロリーぐらいなので、大丈夫(なにが?)。
マイルドなコーヒーと一緒に食べました。
しばらくお菓子は買っていなかったのですが、外出すると目にとまり、ついつい買ってしまいます。いけませんねぇw。
冷蔵庫にはホワイトデーのチョコレートが入っています。
春はスイーツの季節かな?
寺地はるな 『雫』 ― 2025/03/14

2025年春、老朽化した高峰ビルの取り壊しのため、リフォームジュエリー会社『ジュエリータカミネ』は営業を終了する。
『ジュエリータカミネ』のジュエリーデザイナー、永瀬珠は次の仕事を決められずにいた。
『ジュエリータカミネ』は、高峰能見が父親の死後、宝石店をリフォームに特化したサロンにしたものだった。
永瀬がデザインしたものを木下しずくが、高峰ビルにあった『コマ工房』の冶金職人として形にしていた。しずくは、今、星母島という離島に住んでいる。
他に高峰ビルに『かに印刷』が入っていた。『かに印刷』には、上司のパワハラによって会社を辞めた森侑が勤めていた。
永瀬、高峰、しずく、森の四人は中学校の美術の授業で同じ班になり、卒業制作で永遠を表す「雫」がモチーフのレリーフづくりをした。
それ以来、30年間、共に過ごした仲間だった。
2025年から2020年、2015年・・・1995年までと五年ずつ時が遡っていきます。
生きるのが不器用な四人が30年間のままならない人生をどのように生きていったのでしょうか。
私がこの物語で一番印象に残ったのが、美術の田村先生です。
彼と出会えた四人は幸運でしたね。
主人公の永瀬珠は独りでしっかりと立っている人です。
「変化しながらゆるやかに繰り返し、続いていくことを「永遠」と呼ぶのだから、終わることも、変わっていくことも、離れることも、なにひとつ悲しいことではない」
「大切なひととふたりで歩くのが幸せな人も、たくさんの人に囲まれることに喜びを感じる人もいるだろう。でもわたしはひとりで歩くほうがいい。誰かとすれちがったら、笑顔で手を振る。そして、どうかご無事で、と祈る」
「晴れてよかった。人々は人生の折々でそう口にする。でも、わたしは雨の日が好きだ」
こういう永瀬は普通の人たちには理解されないでしょうね。
仲間たちがいてよかったですね。
気をつけなければと思ったのが、心配だからと、「・・・した方がいいよ」と相手に言うことです。
言われる方にしたら、自分を否定されていると思ってしまうことがあるのです。
誰にでも変われることと変われないことがありますものね。
気をつけましょう。
あなたはあなたのままでいい。そう言ってもらえると、安心できますよね。
若い人たちにお薦めの本です。人生を肯定的にみることができますよ。
<今週のおやつ>

「台湾人が好きな日本のお菓子」という記事に出てきたお菓子が駅ビルの期間限定ショップで売っていました。
定番といちごを買ってみました。普通に美味しいです。

オスロコーヒーというのがあったので、入ってみました。
プリンとサンドイッチ、カフェオレを頼みました。
プリンは大きく見えますが、普通の大きさで固めでした。
カフェオレはコーヒーの味が強めです。
次回はセムラを食べたいです。
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