吉永南央 『糸切り―紅雲町珈琲屋こよみ4』 ― 2014/09/01

小蔵屋という珈琲豆と和食器のお店を営む杉浦草は店で使う真田紐を買うために、「ヤナギ」という古い商店街に行きました。
そこで落ちていた手紙を拾おうとして車に轢かれそうになります。
手紙には≪帰っておいで≫という文字が。
轢かれそうになった時に、家電メーカーのプラスティック製マスコットを壊してしまい、弁償するかどうかで嫌な思いをすることになります。
「ヤナギ」は店舗を改装しようという計画がありました。
車で轢かれそうになったおかげで、草は「ヤナギ」と関係ができ、改装にまつわる面倒事に係わることになってしまいます。
内容とは関係なく、不思議に思ったこと。
無料で珈琲を提供していますが、こんなことしていて儲けはあるのでしょうか?
結構、この無料珈琲を目当てに来る人たちが多いような気がします。
和食器なんて、そんなに儲からないのでは?
100円とか200円で提供した方が現実的では、などとくだらないことを思ってしまいました。
このシリーズもドラマになるようです。
誰がお草さんをやるのでしょうね。
吉永小百合さんでは若すぎてきれいすぎでしょうかね。
貫井徳郎 『灰色の虹』 ― 2014/09/02

内気で人とうまくせっすることのできない江木雅史は、やっとできた恋人との結婚にささやかな幸せを願っていました。
しかし、覚えもない上司殺しの罪で刑務所に入れられ、彼の人生は滅茶苦茶になってしまいます。
出所後、彼は彼を冤罪に陥れた者たちへの復讐を始めます。
たった一人の現場近くで見たという目撃証言だけで有罪になるなどということはありえないと思います(思いたい)。
冤罪になった江木と家族の無念さに心が痛みます。
警察の取り調べを受けたことがありませんので、本当にあんな高圧的な態度でやられるのですか?
やられるんでしょうねぇ。
普通の人なら萎縮してしまって、何も言えなくなってしまうと思います。
一旦警察に目をつけられると、無実を言い張ることは相当大変なんですねぇ。
これからも警察と縁のない暮らしをしていきたいと思います(笑)。
とにかく、最期までおもしろく読めるお勧めの本です。

長時間、散歩に行ったのにもかかわらず、部屋の中を駆けずり回っていたわんこです。
柚月裕子 『検事の死命』 ― 2014/09/04

「心を掬う」
郵便物紛失事件を扱います。
証拠のためには汚物さえもものともしないという心意気です。
「業を落とす」
佐方の父親の真実が公にされることになります。
「死命を賭ける」、「死命を決する」
痴漢事件を、大物国会議員や地検トップを敵に回して、「罪をまっとうに裁く」佐方。
彼のような人は検事はやってられないですね。
『灰色の虹』の検事は警察から上がってきた案件を自分から調べようともしなかったですね。
まあ、普通はそうなんであって、佐方のような検事はめったにいないのでしょうね。
次の作品では佐方がヤメ検弁護士になった理由が明かされるかしら?
続けて検事時代のことを書いても、しばらくはシリーズを続けられそうですが。

食事の後、走り回って吐かないようにソファにのせていたら、この頃、ソファの下に逃げ込むようになりました。
捕まえられないのでほっておいて、私が(人間の)食事の準備をしていると、いつもはソファの上でやっている「つまらない」をソファの下でしていました。
何でも彼にとっては遊びなんですね。
わんこは一人遊びはできないようです。
宮部みゆき 『ペテロの葬列』 ― 2014/09/05

杉村三郎シリーズ第三弾。
妻の身内が経営している今多コンツェルン会長室直属・グループ広報室に勤める三郎は園田編集長と共に元取締役、森信宏のロング・インタビューのため、房総半島の海辺にある別荘地に行った帰りに、バス・ジャックに遭遇してしまいます。
犯人は一見ひ弱そうなのに、言葉巧みに人を繰ることのできる老人でした。
事件は彼の自死で解決しましたが、その後、彼が車内で約束していた慰謝料が人質たちのところに届きます。
その金は一体どういう金なのか?
三郎はバス・ジャックの老人のことを調べ始めます。
前作では頼りなげな、いい人三郎が、今回は事件慣れしたせいか、しっかりと自分の足で歩き始めた感じです。
そのため彼は新たな旅立ちをすることになります。
このことに批判的な方もいるようですが、私は納得です。
このシリーズ、ただの杉村三郎シリーズとして続くのでしょうか?
これで終わりなのでしょうか?
新たに探偵・杉村三郎として書かれるのかしら?

今日は散歩に行く時に上の階のわんこと出会い、吠えていました。
犬に向かって吠えることはないのに、何故か彼女(メスなのよ)には吠えるのですよ。
自分より年下だから吠える?
自分のテリトリーにいるから吠えるのか?
体重は彼女の方が倍はあるのにね。
犬の気持ちはわかりません。
益田ミリ 『今日も怒ってしまいました』 ― 2014/09/06

怒るというのは個人的なもので、どこで怒るのかというと、人それぞれです。
ミリさんの本は好きなのですが、エッセイなどを読むと、彼女と私の感性の違いを感じます。
自分がどういう場面で怒るのか、考えてみましょうか。
近頃、怒ったことがあったかしら・・・?
ありました。
引越やらなにやらで必要な手続きをしようと役所や銀行に行った時、窓口でなければできないので行ったのに、窓口の人がこちらの話をよく聞かずに、「機械でもできます」とか、「手続きはいりません」とか言われたこと。
できないから、必要だから来たんじゃん。人の話ちゃんと聞けよ。
その上、長時間待たされ、いい加減にしてくれ、人の時間を無駄に使うなと怒りたくなりましたね。
まあ、これなんか、私じゃなくても怒りますか。
ミリさんの本の中で、彼女がかわいそうに思ったのは、学校の先生とのことです。
熱を出しても休みたくなかったから、無理してやっと六時間目に登校したのに、「遅刻したと後で報告がなかった」からと欠席にされたなんて。
私が先生だったら、六時間目に登校したわけを聞き、「そう。今度から報告してね」と言って、遅刻にするんだけどなぁ。
自分がどういう時に怒るか。
調べてみると、自分の性格のくせがわかりそうですね。
私は自分のプライドをつかれると怒るようです。

犬の不思議。
頭を乗せるのが好きなんですね。
膝の上にのせて、私がパソコンをしていると、こういう風に頭を机に乗せます。

毛が伸びてきました。
トリミングは今月末なのですが、もつかしら?
『そして父になる』を見る ― 2014/09/07

夫はこの映画を借りたかったのに、ビデオ屋で間違えて『真夏の方程式』を借りてしまいました。
主役は両方共に福山雅治ですが、内容が全然違いますわよね(笑)。
大企業の建築会社に勤めている野々宮良多には妻と6歳になる息子の慶多がいました。
慶多がお受験で見事私立の小学校に入学したことを喜んだのもつかのま、予期しなかったことが判明します。
息子が病院で取り違えられていたというのです。
病院の提案で取り違えられた相手の斎木家と会い、交流を深めることになります。
野々宮家族は高層マンションに住む今時のエリート家族なのに対し、斎木家は群馬に住む小さな電気屋を営む貧乏家族。
設定が極端ですね。
実は良多は複雑な家庭に育ったのです。
母は出ていき、野々宮少年は母恋しさに家出をしたこともあったようです。
今は義理の母が父の面倒を見ていますが、父に対して母のことがあるからか、一線を引いています。
今度のことで父は良多に血が大事だといいますが、義母は血ではないと言います。
映画の中で、こういうケースの場合は100%子供を実の親のところに戻すと言っていましたが、本当でしょうか。
子供がもっと小さいなら実の親のところに戻してもいいと思いますが、この映画のように6歳では物心もついていますからね。
両家族が交流を続け、子どもには本当のことを言い、大きくなったら子どもに親を選ばせるとかできないものでしょうか。
子どもの気持ちを優先してもらいたいですね。
と言いながらも、親の気持ちも考えてしまいました。
もし、このままの状態を続け、子どもが自分の思い通りに育たなかったら、たぶん本当の子じゃないからとか思ってしまうんだろうなぁ。
できた親ならいいけれどね・・・。
どっちを選んでも正解とは言えないですね。
嬉しいことに、グレン・グールドの弾くゴールドベルク変奏曲がエンドロールに流れてきました。

この頃、朝ご飯をすぐには食べません。
なんででしょう。
今日はなかなか食べないので、わんこをケージの中に入れ、餌を置きました。
そうすると、すぐに完食。
お腹は空いているようです。
楡周平 『介護退職』 ― 2014/09/08

三國電産北米事業部長の唐木栄太郎は今度のプロジェクトを成功させれば、取締役の椅子も確定というような立場にいました。
息子は名門私立中学校を目指して頑張っており、秋田で独り暮らしをしている母親のことは気にかけてはいても、今の暮らしが続いていくと思っていました。
ところが、大雪の日、雪かきをしていた母親が脚を骨折をしてしまいます。
年末だったので、なんとか正月の間は栄太郎が母親の面倒を見ますが、病院から退院した後、秋田でリハビリに通わせることはできません。
妻の助けを借り、東京の家で介護することになりますが、しばらくして認知症も発症してしまい、息子の受験と介護疲れのせいか、今度は妻がくも膜下出血で倒れてしまいます。
どうしようもなくなって、上司に今の状態を報告すると、「仕事には引き継ぐ人間はいる」と閑職に追いやられてしまいます。
栄太郎は仕事に生きがいを感じられなくなり、退職を決意します。
「誰もが、介護という問題は、頭では分かっていても、今をどう生きるかで精一杯で、それがどれほど過酷なものか、そして時として家族の運命をも狂わせかねない問題であるかを、その当事者となった時に初めて悟るのだ」
「(認知症は)ゴールの見えないマラソンだ。耐久レースだ。終焉の時がやってくるまで、決して手を緩めることはできない。リタイアすることは許されないのだ」
子どもは親の老いを認めたくないものです。
なるべく見ないようにして、先送りにしてきますが、そのつけが後で追いうちをかけてきます。
私の周りもここ2、3年で、親の介護の話が出始めました。
この本で、栄太郎は母親を自分の家に引き取ることにしますが、妻の負担を理解していないようです。
知り合いは夫が今施設にいる認知症の父親と半身不随の母親を引き取って自宅で面倒をみたいと言い出したと言っていましたが、男の人は人の世話をしたことがないから、介護がどれほど大変なことか想像できないのでしょうね。
栄太郎は今まで親をほっておいたという負い目から、自宅に引き取るという選択をしたのでしょうね。
心の底では、「俺は仕事するから、妻よ、お前が介護してくれ」と思っているのかもね。
現代における介護問題を扱っているのでしょうが、男から見た(ゆうがな?)介護物語という感じですね。
結局、母親のことは妻と金で雇った弟の妻で見ることになり、自分は転職でいいポジションを与えられ、海外暮らしで、めでたしめでたし。
実際はもっともっとどうしようもない状態の人がいっぱいいると思いますよ。
そういう人が読んだら・・・。
いつか来る親の介護問題に想いを馳せるために読むのにはいいでしょうが、全く実際の介護には役立ちませんので。
残念な本でした。
若竹七海 『プラスマイナスゼロ』&『プレゼント』 ― 2014/09/10

葉﨑町シリーズの一冊です。
ちょっと今までの本とは雰囲気が違います。
というのも、主人公は葉﨑山高校に通う三人の女の子ですから。
不運なお嬢さまのテンコと義理人情に厚い不良娘のユーリ、そして”歩く全国平均値”のミサキ。
この三人が引き起こす出来事がおもしろいです。
特にテンコはすごいです。
彼女の不運さは宇宙規模ですわ(笑)。

この本、なかなか買えませんでした。
アマゾンで買おうとすると、すぐ売り切れになってしまい、本屋に行ってもないんです。
期待して読んだわりには、それほどではなくて、ちょっとがっかりでした。
短編集で、あの葉村晶と小林警部補、御子柴刑事が出てきます。
彼らが出てくる一番最初の本のせいだからどうなのかわかりませんが、特に小林警部補と御子柴刑事は後の本のように華々しく活躍していません。
葉村晶はフリーターで、縁のあった事件は最期まで離さないのは性格なんですね。
彼女の家族の話がでてくるので、彼女がなんであのような人格になったのか、考えてみるのもいいかも。
<今日のわんこ>

外に出してほっておくと、かまってほしくて悪さをします。
本の帯をかじり、カーテンの後ろに隠れ、私の足をなめ、スリッパをどこかに持っていき、捕まえようとすると、ソファの下に逃げ込み、抱くと、舐め舐め攻撃。
かわいいから、相手をしてあげますけどねww。
川瀬七緒 『法医昆虫学捜査官』 ― 2014/09/11

「法医学」というと、テレビでもドラマになっているので、何となくわかった気になっていますが、「法医昆虫学」なんて、一体なんなんでしょうね。
「法医昆虫学」の中で一番代表的なのが、「死亡推定時刻をウジ虫を使って弾き出す」ことだそう。
わたし、ウジ虫と仲良くなるのは嫌ですわ。
放火殺人が疑われるアパートの焼死体の腹部には、消化器と胃袋、食道がなく、ソフトボール大のウジの塊があった。
このことに戸惑った警視庁は試験的に新しい捜査方法を導入することにした。
「法医昆虫学者」に捜査権限の一部を与えるということだ。
警視庁一課の岩楯裕也警部補が法医昆虫学者の相手をすることになる。
学者に会いに大学に行ってみると、学者はどうみても二十代にしか見えない、丸顔で童顔、色白で華奢な、身長155センチ前後の女性で、楽しそうにウジの話をする、「子供みたいな大らかさとある種の攻撃性が同居している」変な人だった。
法医昆虫学者、赤堀涼子は捜査にどのように参加していくのか。
いいえ、参加ではなくて、勝手気ままに動き回る感じですかね。
いいキャラしてます。
ウジボールと言われても、ウジを見たことのない私には気持ち悪くもなんともありません。検索して見るのは絶対に嫌ですから、しませんけどね。
この本は、虫に耐性のある方のみ、読んだほうがよいかもww。
米澤穂信 『春期限定いちごタルト事件』 ― 2014/09/13

表紙を見た感じでは、かわいらしいですね。
なんてったって題名が、「春季限定いちごタルト事件」、「夏期限定トロピカルパフェ事件」、「秋期限定栗きんとん事件」ですから。
主人公は「小市民」を目指す小鳩くん。
同じく「小市民」を目指すべく同盟を結んでいるのが、スウィーツ大好き少女、小山内さん。
何故、彼らは小市民を目指すのか?
小鳩くんは推理力に優れていて、人の話の先を読むのがうまいのです。
そのため人が話そうと思っていることがわかってしまい、黙っていればいいのに、先回りして言ってしまうんです。
そんなわけで、人に嫌われてしまうんですね。
何故他の人にそれがわからないのか、彼にはさっぱりわからないのです。
小山内さんは復讐するのがうまい子です。
見かけは小さくて、かわいらしいのに、一旦復讐心が芽生えてしまうと、とことんまでやってしまう悪魔のような少女です。
どうもはっきりとはわかりませんが、中学校の時に事件があり、それがトラウマになり、彼らは「小市民」を目指すことにしたらしいのです。
高校生活に起こる謎を小鳩くんが解いていくという内容です。
その間に小山内さんにつきあって小鳩くんがケーキ屋に行くという、おきまりの場面が挟み込まれています。
スウィーツを食べる場面はとっても美味しそうです。
付き合っているわけでもない二人が行動を一緒にしているので、周りは二人をカップルとしてみていますが、「秋期限定栗きんとん事件」では同盟を解き、二人はそれぞれの路を行くことにするのですが・・・。
「小市民」を目指すというところから、いけすかない少年・少女です。
こういう子はどういう大人になるのかしら。
自分は他の子よりも優れているという、選民思想に犯された奴ですから、いくら「小市民」のふりをしようとしても、無理がありますわ。
まあ、少年ですから、たいした挫折を知りませんからねぇ。
最期は冬なんですが、冬期限定のスウィーツは一体なんでしょう。
クリスマスケーキ以外に思いつきません。
希須林小澤のランチを食べに行ってきました。
オープンした11時をちょっと過ぎた頃に行ったのですが、並んでいます。
人気なんですね。
小澤ランチというのを頼んでみました。

大きい海老マヨと酢豚にサラダ。
これにおかゆと味噌汁がつきます。
次回は日替わりなどを食べてみましょうか。
次の用事まで時間があったので、近くのパンダカフェに行ってみました。
パンダセットを注文。

パンダの顔のついたカフェ。ちょっと失敗かな・・・?
カップもパンダだったらいいのに。

アイスとパンダのクッキー。
かわいいパンダグッズがたくさんありました。
パンダ模様の靴が欲しかったのですが、私の足には小さいみたいでした。
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