大山淳子 『原之内菊子の憂鬱なインタビュー』 ― 2018/08/07

東大出で大手出版社に勤めていた桐谷俊は、十年前に作られた本に感銘を受け、その本の編集者・戸部が出版社を辞めて「三巴企画」を始めると聞き、会社を辞めて「三巴企画」に入社しました。
ちなみに桐谷は児童書好きで児童書の編集をやりたくて出版社に入社したオタク気質の坊ちゃんです。
戸部は妻子が大阪にいるという関西人オッチャン。
「三巴企画」は戸部と桐谷しかいない弱小編集プロダクション。
ようするに大手の下請けです。
今日も二人で取材に出かけますが、相変わらず上手くインタビューができませんでした。
何故なのか?
そんな時、お弁当屋で不思議な女性に出会います。
彼女の顔を見たとたんに、誰もが心の中にしまっておいた本音を話し始めるのです。
彼女の名は原之内菊子(はらのうちきくこ)。
早速、戸部は彼女を雇うことにしますが・・・。
誰もが自分を知ってもらいたい、自分の話を聞いてもらいたいと思っているのでしょうが、誰も他の人が何を考えているかなんて興味がありません。
そんな感じが蔓延しているので、菊子さんに会うと話してしまうのかもしれませんね。
それにしても桐谷さんのお母様、菊子さんに会っても特に話したいことがないようです。
息子の桐谷が彼女の話を聞いてくれるので、満足しているのですね。
幸せな人です。
最後に戸部の娘が登場するあたりで、シリーズ化していくような感じになりました。
次はどんな人の本音から事件に発展するのか、楽しみです。
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