クレオ・コイル『クリスマス・ラテのお別れ』2010/11/26



コクと深みの名推理シリーズ八作目。
クリスマスらしい内容のミステリーです。

私はほかのコージーミステリーでは、ヒロインがあまりにも貞節(なんていっても知らない人が多いかしら?)を守るのが不満でした。
今の世の中、アメリカやイギリスの成人女性が、あんなにつつましいなんて、嘘じゃないのと、密かに思っていたのです。
しかし、このシリーズは違いました。

おなじみニューヨークのコーヒーショップ、<ビレッジブレンド>のマネジャーをしているクレア・コージーの活躍するシリーズです。

クレアと六分署の警部補、マイク・クィンはラブラブ状態。
後に、マイクの元妻が現れ、二人の仲はどうなるのか、という場面もありますが。
クレアの元夫のマテオは結婚したくせに、まだクレア(の肉体?)に未練タップリです。
マイクのことを「きみの番犬」なんて言ってます。失礼ね。

<ビレッジブレンド>ではクリスマスンのための季節限定メニュー、「ファラララ・ラテ」を決めるために、内輪でラテの試写会を開くことになっていた。
ところが約束していたはずのサンタクロースが現れない。
サンタを探しにクレアが寒い外へ出かけると、なんとサンタは雪の上に横たわって死んでいた。

サンタをしていたのは、クレアの昔からの友達のアルフ。
やってきたフランコ巡査部長はいけすかない奴で、クレアの主張を全く聞かずに、アルフは行き当たりばったりの強盗にあったんだと決めつける。

次の日、アルフの娘のビッキが<ビレッジブレンド>にやってきて、アルフがお金を借りていた隣人のリンフォードが怪しいので、クレアに彼を調べて欲しいと頼まれる。
半狂乱になっているビッキをなだめるため、クレアはとりあえず調べてみると約束する。

従業員のエスターや義母のマダムを引き込み、クレアは独自の調査を始める。

マイクのえらいところは、クレアを自由に泳がせておく所です。
彼はクレアが彼の言う事を聞かないことを知っているのです。
だから事件に首を突っ込むなと言って聞かせようとしないのです。
大人だな~、マイク。
今までとは違って、マイク株が上がりました。

そうそう、「ファラララ・ラテ」に興味がありませんか。
最後にレシピがついていますよ。
この他に今回出てくるのが、パンプキンスパイス・ラテ、ジンジャースナップ・ラテ、キャンディーン・ラテ、ホワイトチョコレート・スノーフレーク・ラテ、エッグノッグ・ラテ、オレンジスパイス・降誕祭ラテ、ジェリードーナツ・ハヌカー・ラテなど盛りだくさんです。
さて、どのラテがお好みでしょうか。
どれも甘そうですが、私が選ぶとしたら、オレンジスパイス・降誕祭ラテかしら。