井上能理子 『家族が片づけられない』2018/02/01



仕事のし過ぎでうつになりかけ、母に誘われ東京から実家に帰ったら、そこは汚部屋だった。
母親と妹と弟の大人三人がいるはずなのに、掃除ができない人たちだったのね。
これはどうにかしなければならないと頑張る長女。
しかし、他の家族は彼女がどんなに部屋をきれいにしようが関係ない。
また部屋を汚すだけ。
すべては彼女の独り相撲だった。

結局、また家族から離れ、一人暮らしを始める。
が、自分の部屋を見ると、そこは独房のような生活感の一切ない部屋だった。

結局、人をどうにかしようと思っちゃダメなのね。
この人は私が一生懸命しているのにという意識が強くなってしまい、疲れるタイプですね。
A型気質か?

私も家事の中では掃除が一番嫌いです。
埃じゃ死なないし(笑)。
床の上には物を置かないから、問題ありません。
夫の方が物を積み重ねてますが、掃除機かけるから許してます(笑)。

なんで私がこんなにしてやっているのにと思ってはいけませんね。
私が好きでやっているんだと思わなければ。
嫌ならやらなければいいのだもの。
読みながらつくづくそう思いました。


知念実希人 『神酒クリニックで乾杯を』&『神酒クリニックで乾杯を 淡雪の記憶』2018/02/02



医療事故で患者を死なせてしまい、大学病院で働けなくなった九十九勝己は、恩師の紹介で「神酒クリニック」で働くことになります。
「神酒クリニック」は普通のクリニックではなく、世間的に有名なVIP専門の秘密の会員制クリニックでした。
院長の神酒は凄腕外科医で格闘技、色気ぷんぷんで元女優の産科医のゆかり、人の心を読める精神科医の天久翼、鬱気味の内科・麻酔科医の黒宮と個性的な面々。
彼らも九十九同様にこのクリニックで働くのにはわけがありそうです。
彼らは医療行為だけではなく、患者の病気を治すためと、他の「仕事」までやっていました。
どちらかといえば、そっちの「仕事」の方がメインかも。
医者がこんなことまでやるの、ととまどう九十九でしたが・・・。



顧客から連れられてきたのは、意識のない、全身ずぶ濡れの女性。
彼女は記憶喪失らしく、精神科医の翼が彼女の記憶を取り戻すこととなりました。
どうも翼は彼女のことが好きになったような。
遅い初恋か。

その頃、世間をにぎわしていたのがビル爆破事件。
どうもその事件と彼女はなんらかの関係がありそうです。
そういうわけで、またまたハッスルする神酒クリニックの面々です。

神酒クリニックではなくて、「神酒探偵事務所」と言った方がいいようです。
スタッフたちの意外な得意技がでてきて、笑ってしまいます。
九十九君、格闘技ファンだっただけではなく、マジシャンだったんですね。

知念さんが医師だから、もっと違う医療ミステリを求めていたのですが、ちょっと違うようです。
シリアスな物じゃなくてエンターテイメントの方に医療を使っている、いえいえ、医療はそれほどでもないか。
軽く読める内容ですので、医師でなくても書けますけどね。

次はどう暴れてくれるのか楽しみです。

中山七里 『ヒポクラテスの誓い』2018/02/03



テレビドラマの「アンナチョラル」みたいなもんかと思って読みました。
法医学って医学界では虐げられているようですが、結構おもしろいと私は思います。
そう、謎を解いていくような感じが興味持てます。
死体よりも生身の人の方が怖いといいますしね。

浦和医大の法医学教室に津久場教授の口利きで「試用期間」として入った研修医の栂野真琴は、偏屈な法医学の権威、光崎藤次郎教授とその下で働く外国人准教授・キャシーの死体好きに辟易していました。
その上、光崎は事件性のない遺体を強引に解剖します。
どうも自分の配下に置いた埼玉県警の小手川刑事に「既往症のある遺体が出たら教えろ」と指示しているようです。

光崎が次々と死体に隠された真実を明かしていくにつれ、法医学に目覚めていく栂野。
真実を知るためには周りの圧力に屈してはいけないと、頑張ります。

死体を解剖することに対して根強い反発がありますね。
私も父が亡くなった時に、兄がすぐに断りましたけど、解剖を言われた時に躊躇しました。
医学生や医学の進歩にとって必要なことだと頭では理解していても、感情面は違いますから。

法医学者としての栂野の成長が楽しみなシリーズです。



「ママしゃん、僕が死んだら、僕を解剖して下さい。その代わりに今、おやつをいっぱい下さい」  by 弟。


「僕は嫌です」
嫌、嫌とタオルに頭をつっこんだら、こんなになっちゃった。

ちゃっかり弟におっとり兄です(笑)。


近藤史恵 『インフルエンス』2018/02/04



1980年代、学校は校内暴力で荒れていた。
その頃、大阪のある団地に住んでいた少女3人は、ある事件を境にいくつかの秘密を共有することになる。
それは嫉妬からなのか、友情なのか。

作家になった女性が聞かされた30年にも渡たる物語。

ひょっとしたらこんな子たちが、あの時代にいたかもと思える話です。
全く彼女たちの心情は理解できないですがね(笑)。
イヤミスかと思えるような内容です。
近藤さんは女たちの中にある毒を描くのが上手いですね。



気分が悪くなったら、兄の顔を見ます。
「かわいいねぇ」とママは馬鹿親丸出しです(笑)。
すぐに毛が伸びちゃいます。

バーミキュラを買う2018/02/05

なんの気の迷いか、前から気になっていた無水調理鍋を買ってしまった。
ストウブを買おうかと思っていたのだけれど、日本製のがあるとわかり、やっぱり国産だねと思い切って買ってしまった。


こんな形の22㎝鍋でピンク色(今年のラッキーカラー)。
結構大きかったです。
早速ミネストローネを作ってみたのですが、レシピ通りの時間では野菜が固かったです。
もっと火を強くしなければならないのかしら?
思った以上に時間(ガス代もかな?)がかかるようですが、冬は煮物が美味しい季節。
シチューとかスープとか、美味しいですよね。
飽きっぽい私だから、どれぐらいこの鍋を活用できるかわかりませんが、しばらく使ってみますわ。


「ママさん、お願いだから、僕たちにも美味しいご飯下さい。カリカリだけでは飽きてしまいます」 by 弟犬。

唯川恵 『淳子のてっぺん』2018/02/06

昨夜、バーミキュラでポトフを作りました。
鍋いっぱいに野菜を詰め込み、ギュウギュウでしたが、火加減がよかったのか、野菜たちは柔らかくなりました。
この鍋は急いで料理を作りたい人には向きませんね。
来月のガス代がどれくらいになるのかしら?


大学時代に少しハイキング程度の山登りをした私には、この本のモデルの田部井淳子さんはあこがれの人でした。
女性でありながら、崖のぼりを始め雪山登山をやり、はてはエベレストまで登っちゃうんですもの。
2016年にお亡くなりになってしまったのは残念です。

福島県三春町生まれの淳子は小学校4年生の時に、学校の先生が那須の茶臼岳に連れて行ってくれてから山が好きになりました。
東京のお嬢さん大学に行って周りと溶け込めず、身体の調子を崩し、福島で病気療養してから大学に戻り、たまたま友人が高尾山に連れて行ってくれたことから、東京にも山があるんだと気づき、東京近辺の山々を登り始めます。
そして、社会人になり、山岳会に入会し、本格的に山登りをすることになります。
しかし、世間は女性が本格的な山登りをすることに理解がありません。
親からは結婚を強いられ、男の登山仲間には女は男の助けがあるから登れるのだと言われていました。
そんな中、淳子は同性の仲間とも山登りをし、女性ペアで男でもなかなか登れない谷川岳の一ノ倉沢の登攀に成功します。
残念なことに、相方の女性は山で亡くなってしまいます。
その後、いい相手に恵まれ結婚しますが、山への思いは変わらず、女だけの登山隊でヒマラヤのアンナプルナⅢに登頂。
子どもを産んだ後、エベレスト日本女子登山隊の副隊長として世界最高峰エベレスト登頂に成功します。

まだまだ女性は結婚して家庭へという常識が根強かった時代に、登山という自分の好きを優先した淳子は信念の人です。
結婚した相手も山屋でしたが、凍傷で足の指を失ったため、夢を淳子に託し、バックアップする役割に徹してくれたようです。
旦那さん、男前!
女だけの登山隊での苦労が書いてありましたが、女だからというのではなくて、どんなことでも人が集まってやることには色々な苦労がつきもので、それを乗り越えていくような強さがなければ何もできないんだなと思いました。
それにしても、みんな一緒に行っても頂上に登れる人は数人という現実はむごいです。
私はそういう立場になったら、それを大人しく受け入れられるかしら。
エベレストでは淳子一人しか登れなかったようですからねぇ。

遠征に行く淳子に夫が「淳子のてっぺんはここだ」という場面がいいですね。
「家に帰るまでが遠足」とよく学校の先生が言っていましたが、「家に帰るまでが登山」ですか(笑)。

心に残った言葉は、

「なぜ生きるのかを知るために、人は生きる。
 なぜ山に登るのかを知るために、山屋は登る」

「山がそこにあるから」登ると言った人よりも深い言葉だと思います。

とにかく、自分の「好き」をどれだけ優先できるか。
それにつきますね。
周りに言われたから止めたというのは、それだけなんですね。

久しぶりに読むのが止まらない本でした。

最後に、本とは関係ないのですが、たくさんのシェルパたちに助けられての登山になんとなく違和感を持ちます。
この頃、エベレスト登頂率が上がったのはシェルパによるルート工作があるからだとか。
頂上まで行けば登る過程は関係ないということなのか・・・。
シェルパたちの待遇はどうなっているのだろう?



「ママさん、僕は山には行きません。僕にとってはここがてっぺんですから」by 弟。


庭は楽しいな!2018/02/07

消防の設備点検に来た人に向かってワンワンと騒がしい我が家の犬たち。
しつけが悪くてごめんなさい。
でも、知らない人が来て尻尾を振るよりも、番犬になるからいいわよね。


雪が溶けて、やっと庭で駆け回れるようになりました。
散歩もいいけれど、どちらかというと弟は駆け回るのが好きなので、庭がいいような感じです。
さっそく、遊び道具を所望しています。


短い足ながら、さっそうと走るヨーキー。


相変わらず、邪魔をする兄。


兄は上へジャンプする力が強いのですが、ヨーキーは地面にへばりつくように走るので、あまり恰好よくないですね。
これもネズミ採りの習性ですか。

揚逸 『時が滲む朝』2018/02/13



中国の小さな村に生まれた二人の若者が、大志を抱いて大学に進学し、民主化を志ざし、民主化運動に参加するのですが、天安門事件をきっかけに暴行事件を起こし大学を追放されてしまいます。
その後、一人は残留孤児の娘と結婚し来日し、中国民主化運動を続けます。

日本語を母語としない人が書いた小説です。
天安門事件の頃の中国の若者たちのことが少なからずわかってよかったです。
芥川賞後の楊さんの作品はどうなんでしょうね。
色々と書いてらっしゃるようですが、気が向いたら読んでみますわ。


兄犬は穴掘りをしています。


なんでこんなことをするのかしら?


穴掘りの止まらない兄です。

兄と弟の闘争2018/02/14

我が家の犬は相変わらずの甘えっぷりです。


兄が弟にちょっかいを出すと、弟はこうやってお腹を出します。


上に乗っかられても、反撃せず。


こういう風になさけない目で兄を見ます。


「お願い、いじめないでよ」by 弟。


「お前は邪魔なんだよ。お前がいなけりゃ、俺が一人っ子でママを独占できたのに」(なんて言ってんのかな?)by 兄。


最後はこうやって二人で地面の草を食み、終了となります(笑)。

庭にいっぱい咲いていたクリスマスローズが、大きい葉だけになり、もう咲かないのかとガッカリしていたら、秘かに地面から花のつぼみを見せていました。


大きくなった葉は刈った方がいいのでしょうか?
シクラメンもまだ花がさきません。


こんな風に小さなつぼみが育っていますが。

今年のチョコ2018/02/15

今年のバレンタインチョコレートです。


伊勢丹のショコラティエ8人のチョコが一個ずつ入ったものです。
夫と4個ずつ食べますが、ちょっともの足りないので、他のチョコも買ってこようかしら(笑)。