木宮条太郎 『水族館ガール 5』2018/08/12



水族館のお仕事本です。
最初は気になった主人公・嶋由香の不自然なキャピキャピぶりも落ち着き、まともな(?)お仕事本になってきました。
その代わりに由香の先輩で恋人・梶良平のくそまじめさが気になります。
仕事に潰されるなよ。

由香が勤める水族館アクアパークの近くの浜にアオウミガメが漂着しました。
イルカ担当の由香でしたが、たまたまその場にやってきたため、救出作業を手伝うことになりました。
ウミガメは昔から物語に出てくるので、日本人にはなじみがありますが、実はその生態は知られていません。
ウミガメと関わったついでということで由香は出張で四国まで行くことになり、海辺の子どもから大人まで、町全体で行っているウミガメ保護の様子を垣間見ることができました。

前半のイタチ室長との戦いから、イルカの手触りがナスと同じということがわかり、いつかイルカを触ってみたいと思いました。
イルカは会った人を覚えているといいますが、何人ぐらい覚えているのでしょうか。

環境保護と開発の問題はいつも頭を悩ませることですね。
人口の減少が進む町としては再開発をして減少をくい止めたい。
そのために環境破壊をしてしまうと、もう元には戻らない。
いい落としどころがあるといいのですが。

ウミガメの次に由香は何に携わるのか、梶はちゃんと仕事を終わらせることができるのか。
続きが気になります。

畠中恵 『むすびつき』2018/08/14



しゃばけシリーズも17冊目。
若だんながこの頃ちっとも成長していません。
今回は若だんなよりも妖たち、特に貧乏神が印象的でした。
家に来られちゃ嫌だけど、悪い人ではないですよ(笑)。

若だんなの前世の話とか、輪廻転生のこととかがでてきて、ちょっと今回は様変わり。
妖はいつまでも生きていますが、人は死ぬ運命です。
若だんなが死んで、いなくなるのではないかと小鬼たちは不安がっています。
妖たちは生まれ変わった若だんなとまた暮すことができるのでしょうかね。
できると信じて、明日を行きましょう。

旧白洲邸 武相荘に行く2018/08/15

白洲次郎や正子に興味はありましたが、詳しく調べていなかったので、武相荘のことは知りませんでした。
2018年夏号の「MEN'S Precious」で白洲次郎特集をしており、そこで武相荘が紹介されているせいか、武相荘を訪れる人が多いようです。
男性にとって、次郎はあこがれ?

武相荘は鶴川にあります。
鶴川ってどこ?と思いましたが、小田急線に駅があるんですね。
新宿から30分ちょっとで着きます。
白洲夫婦は昭和18年ぐらいに農家を買い取り、移り住んだようです。
その当時、周りは田畑だったのでしょうね。
次郎の目指していたのは、「カントリー・ジェントルマン」だそうです。


左側がカフェ。
ガレージをカフェにしているので、夏の日には暑いです。
奥に車が置いてあります。


立派なクラシックカーです。


レストランがあり、そこでランチを食べました。
カレーとか親子丼は食べる気がしなかったので、コースをいただきました。


お酒を飲むと悪酔いしそうだったので、何も飲み物を頼みませんでしたが、ワインと一緒に食べるといいかもしれませんね。


柔らかいお肉でした。
これにスウィーツと飲み物がつきます。
胃腸の調子があまりよくなかったので心配でしたが、量が多すぎなかったので大丈夫でした。


この茅葺の家がミュージアムになっています。
入館料1050円。
白洲夫妻の夏向きの食器や浴衣が展示されていました。


その他に彼らの結婚証明書や次郎の「葬式無用、戒名不用」という遺書があり、次郎は結構進歩的な人だったようです。


次郎はゴルフが好きで、「PLAY FAST」がゴルフ場での口癖だったそうで、この字のついたTシャツがなどが売られていました。

庭には竹があり、風がそよぐとサラサラ音がして、気持ちがよかったです。


春に来ると筍が取れそうですね。
レストランで出してくれるのかしら?

たかのてるこ 『あっぱれ日本旅!世界一、スピリチュアルな国をめぐる』2018/08/16



たかのさんがキューバに行ったり、ダライ・ラマに会ったり、ガンジス河で泳いだりした本を読んでいました。
その頃は東映に勤めていたのに、辞められたのですね。
今は”旅人・エッセイスト”ですか。
彼女の顔を見ていると、なんとなく血液型はO型かなと思いますが、どうなんでしょう(特に根拠はありません)。
意外にもA型だったりして。

今までは海外旅行ばかりだったのに、初めて日本を旅したのが、この本です。
彼女が選んだのは、高野山、伊勢神宮、北海道・二風谷、佐賀・三瀬村、沖縄・本島&久高島&石垣島&竹富島です。
感心したのは、毎晩酒盛りというところです(そこかよ!笑)。
流石、たかのさん。
お酒の飲めない私にはできないことです。
お酒が飲めると人と仲良くなれる確率が上がります。
彼女の人を引きつけずにおられないお人柄が、お酒を飲むと一層出てきます。
まあ、一人旅をしていると話しかけてくる人は多いのですが、そこで仲良くなれるかどうかは人それぞれですから。
たかのさんは上手く懐に飛び込んでいきますねぇ。

高野山の宿坊で修行は当たり前なのですが、お酒が飲めるなんて、びっくりしました。
北海道出身でもアイヌの方に会ったことがありませんが、たかのさんはシャーマンの家にホームステイしちゃいます。
佐賀県の農家民宿では家族同様になってしまうし、沖縄では毎夜の酒盛りで大騒ぎをし、お伊勢参りではお母さんと喧嘩三昧。
たかのさんを怒らせるお母様、おもしろいです。
でも、汚れないからとシャツの上からブラをするなんて・・・。
ごめんなさい、お母様のような方は苦手ですぅ。

読んでいて、沖縄の離島に行きたいと思いました。
暑さと日光は苦手なので、夏ではなくて秋か冬に行こうかしら。
(照屋ユタさんに会いたいと思ってググったら、なんと30分一万円!値上がりしているのね。高いので、行きません)

たかのさん、これからも日本旅、続けて下さいね。

小川糸 『キラキラ共和国』2018/08/17



ツバキ文具店』の続きのお話です。

祖母から「ツバキ文具店」と代書屋を引き継ぎ、暮らしていた雨宮鳩子ことポッポちゃんは、縁があってカフェを営むミツローさんと入籍しました。
QPちゃんのお母さんになったのです。
家族に恵まれていなかったポッポちゃんですから、QPちゃんたちと家族になれたことが嬉しくてしかたありません。
しばらくは別居生活でしたが、近くにカフェをするのにいい物件が見つかったので、文具店で一緒に暮らすことになります。
しかし、ポッポちゃんとミツローさんの間で、QPちゃんの実母・美雪さんのことで心のすれ違いが起こります。

ツバキ文具店にやって来るお客さんたちの手紙が好きなのですが、今回は結婚生活に重点が置かれているので、私としてはちょっと残念。
そういえば、依頼者に書いた手紙を見せているのかどうか気になりました。
書いてもらった手紙を読んで、依頼者はどういう反応を示したのか興味があります。
でも、せめて字だけは自分で書いて送った方がいいように思います。
代書屋が字まで書いたとわかったら、ちょっとガッカリしますよね。
物語だからいいんですが・・・。

ニコニコパンとハリネズミのケーキが気になってしょうがありません。
本当に鎌倉のお店で売っているのかしら?
と思ってググってみると、ありました。
かわいらしいパンとケーキです。
この頃、鎌倉に行くことがなくなりましたが、秋になって人が少なくなったら犬連れでまた行ってみましょうか。
谷中に続き鎌倉も小川さんの本を読んでから行く人が増えそうですね。

塩田武士 『騙し絵の牙』2018/08/18



三億円強奪事件のことを書いた『罪の声』が結構よかったので、本屋大賞ノミネート作品の『騙し絵の牙』も読んでみることにしました。

主人公は表紙の人、大泉洋がモデル。
大泉洋だったら、どこかの一般企業の社員でいつもしょうもない冗談を連発するさえないオッサンという感じかなと思っていたら、違いました。
大手出版社のカルチャー誌「トリニティ」の編集長でした。
雑誌の売れない今、廃刊の危機に立ち向かう速水(=大泉)。
人たらしと頭の回転のよさ、軽妙な話術、何を考えているのか窺い知れない性格・・・が塩田さんによる大泉のイメージなのでしょうね。
私にはちょっとカッコよ過ぎのような感じもします。

大泉洋は横に置くとして、出版業者のお仕事本として読むといいかもしれませんね。
現在の出版界の現状がわかります。

最後に速水の過去が描かれていて、そうかと思いましたが、これ、いるかしら・・・?
速水の裏の顔を示すということですかね。

映画化されるそうで、大泉洋のファンには嬉しいんだろうなぁ。
本を売るには、こういう仕掛けもいいのかもしれませんね。

トリミングでサッパリ2018/08/19

犬たちの毛がボッサボッサになったので、トリミングに行ってきました。
兄はいつものように、身体3ミリに。


耳がやっぱりバッツリ切られています。
今回は海をテーマにしたスカーフを首に巻いています。

弟はいつもは身体5ミリですが、バッチイ子なので今回、兄と一緒に3ミリにしてもらいました。


ヨーキーの毛質は兄の毛よりも太くてまっすぐなので、長くしても問題はありません。
兄は細くて絡まり易い毛質です。


適当に撮ったら曲がっていました(笑)。
二人がこんなにくっつくなんて、珍しいです。
相変わらず、弟が側にいると兄の顔が無表情になります。


伏せをさせると、アレ?弟が何か変。
お尻が上がってない。

後から一匹で撮りました。


伏せがどうも嫌いみたい。


前だけ伏せですかぁ(爆笑)。
ちゃっかり者の弟です。


お兄ちゃんはお利口さんなので、ちゃんと伏せができます。


よくできました◎。

「ルーブル美術館展 肖像芸術―人は人をどう表現してきたか」@国立新美術館2018/08/20

美術館に行ってびっくり。
待ち時間10分と表示してあります。
肖像画って人気ないと思っていましたが、違うのですね。
それにしても何でこんなに人がいるのかしら?


会場に入ると、これまた人が・・・。
仕方ないので小さい物は諦め、頭の上から見ていくことにしました。
その中で目を引いたのは、やっぱり有名人。
ナポレオンとかアントワネットとか・・・。


髪の盛り方がすごいマリー・アントワネット。


この絵が彫像になったのがこれ↓。


なんと、デスマスクまでありました。


アントワネットに寵愛された女流画家のブランの描いた肖像画もありました。


この女性は旦那が亡くなったため30代で寡婦になったとそうで、こんな人なら他の男性がほっておかないだろうなと思いました。

この絵の隣にあったのが、この美人さん。


なんと、画家のブランです。
絵の才能もある美人だったんですねぇ。


最後にジョゼッペ・アルチンボルドの<春>と<秋>がありました。
来ていた少年たちが「気持ち悪い~」とつぶやいていました。


記憶に残ったのが、≪パンジーの婦人≫。
若くでなくなった恋人の肖像画だそうで、左側にあるリボンに「見えなくても、私は覚えている」と書いてあるのだとか。
パンジーの花言葉は「物思い・思い出・私を想ってください・私を忘れないで」などだそうです。
彼女への愛は永遠ですね。

美術館の近所に紅茶屋があるというので行ってみました。


「デンメアティーハウス」。
オーストリア・ウィーンの紅茶屋です。
ドラマ「相棒」の右京さんが飲んでいる紅茶がこれだそうです。
ここはランチはなくて、ケーキと紅茶だけです。

ここは定番、ザッハ・トルテとザッハ・ブレンドを頼みました。
友人はザッハ・トルテと店員さんお勧めのデンメア・ブレンド。


ランチを食べていないので、アプフェルシュトゥルーデル(アップルパイの原型だそうです)も頼んでしまいました。(友人はアイスケーキ)


ケーキの隣に生クリームがあるので、カロリーは十分以上です(笑)。
私たちが入った時はお客さんが1人しかいなかったのに、出るころには満員でした。
男性で紅茶を選んでいる方が数名いらして、意外でした。
これも右京さんの影響かしら?

辻村深月 『かがみの孤城』2018/08/21



2018年度本屋大賞受賞作。

中学校に入ってすぐに不登校になってしまった安西こころ。
家に籠っていた、ある日、部屋の鏡が光り、鏡をくぐり抜けた先のお城には、オオカミ様というおおかみの仮面を被った少女と同じ境遇の六人の子どもがいました。
オオカミ様は3月30日までに鍵を見つけたなら、一人の人の願いをかなえてやると言います。
七人は日本時間の9時から5時までの好きな時にやってきて鍵を探すことにしますが、お城は居心地がよく、男の子たちはゲームを女の子たちはお菓子やお茶を持込み、くつろぐようになります。
いつしかみんなは鍵が見つかったとしても鍵は使わず、このまま3月30日までいようと思うようになります。
しかし・・・。

本屋大賞って書店員さんが選んだ、「いちばん売りたい本」ということですが、この頃の売りたい対象は若者なのでしょうね。

生きづらい今をどう生きていけばいいのか。
今いる場所がすべてではないという広い視野を持つことが必要ではないでしょうか。
この本がそのきっかけになってくれるかもしれませんね。



今日の兄は悪い子でした。
パパが帰って来ても無視。
その代わり、トイレ以外に〇んちをしました。
一年に一回あるかないかの珍事です(笑)。
ママがかまってくれないからと嫌がらせをしたのかしら?

村山早紀 『百貨の魔法』2018/08/22



2018年本屋大賞の候補作です。
投票では9位。
ちなみに『キラキラ共和国』は10位でした。
本屋大賞候補作は10冊中5冊しか読んでいないけど、その中で私はこの本が一番好きです。
ファンタジー作品です。何しろ「魔法」ですから。

風早の街にある戦後建てられた百貨店が舞台。
デパートではなく、昔懐かしい(と言っても私は知らないけど)夢を売る百貨店ですよ。
今は書店と同じように百貨店も経営難の時代。
そういう時に、昔のながらの良い所を残しつつ、生き残ろうとしている星野百貨店に働く人々とお客さんの心温まるお話です。
星野百貨店にはひとつの伝説がありました。
百貨店に住んでいる白い子猫に会えると、願い事がかなうという。
さて、猫はどんな魔法をかけてくれるのでしょうか。

心が疲れた時、この本を読むと、また元気になれるかもしれません。
そんな気にさせてくれる本です。



「ママさん、疲れた時は僕に言ってください。僕がママさんの腕をナメナメして、慰めてあげますから」by 兄。

「それがストレスになるのよ(笑)」by Mom。